日野自動車は、排ガスや燃費に関する不正行為を行っていたことについて、不正が少なくとも2003年から行われ、56万台以上に及ぶと明らかにしました。このニュースを聞いた時、私は「あれっ?三菱自動車や三菱ふそうだけじゃなかったんた!!」と、大変驚きました。
日野はバスも多く生産しています。多くの人をのせて走るバスに不正な整備や基準が放置されていたのであれば、これは多くの人の命にかかわります。断じて許されません。
2003年以降、約20年間にわたって不正をずっと続けてきたということですが、これは多分、バブル後の過度なリストラで人材の流失や研究開発費の予算が削減され、社内の運営が厳しい状況に追い込まれていたことが背景にあることは明白です。私がいつも申し上げていることですが、「リストラのやり過ぎ」が日本経済を崩壊させているということ。リストラのやり過ぎとしてまず指摘されるのが、人員削減または人件費削減です。これは本当に深刻な事態を引き起こしています。「企業存続のため」という大義名分で大胆なリストラを断行した大悪人カルロスゴーンの置き土産とでも言おうか、これは経営者としては本来は禁じ手です。これで日本経済が崩壊したと言っても過言ではない。その結果、企業内では残った社員たちが安い給与のまま、従来の倍以上もの過重労働を強いられてきた。それが異常な残業時間や過労死、自殺者を出すという最悪の事態を引き起こした。
このような状況は日本のどこの会社でも起きてきた。それが今回のような組織ぐるみでの不正に手を染めることになったのだと思う。日野自動車をかばうつもりは毛頭ありません。三菱や日野以外にも同様のことが起きていると考えてもおかしくないと思っています。社員(国民)の幸せより会社の存続が優先するという論理は、そもそも経済にはありえません。
