日銀の黒田総裁が円安を容認するような発言をしたとたん、1ドル133円まで一気に円安が進んだ。
もともとアメリカの金利が再び上がりだしたので円安になりやすい状況だったのだが、さすがに日銀のドンが円安を容認したら、マーケットは自信を持って円売りドル買いに動くのは当然。
もともと日銀は10年前から物価上昇率2%以上達成を目標として、異次元の金融緩和策を取り続けてきた。しかし10年経っても一向に成果は無く、物価はほとんど上がらなかった。そうこうするうちに、黒田総裁の任期はあと1年と迫っている。彼はできれば本意を遂げたいと思っている。この際、自分の取った金融政策ではなく、新型コロナウィルスとウクライナ戦争という全く想定外の事情によって海外から物価高が押し寄せて来て、いとも簡単に物価上昇率2%を達成。更に日米の金利差拡大で為替が円安となり、輸入品が軒並み値上がり。かくして、ここに来て日本の物価は、日銀の金融政策とは全く関係なくどんどん上がっている。このどさくさに紛れて、黒田総裁は自信の金融政策があたかも、「見事に達成したぞ!」とカチドキの声をあげようとしているのは、見え見えだ。
「悪い円安」であることは疑う余地も無く、このままでは日本人の生計は破綻しかねない。特に年金生活者はどうすればいいのだ。今の日本の年金は、現役労働者の給与水準がたとえ賃上げで上がったとしても、日本全体の生産人口が減少する限り毎年、年金額は減少する仕組みになっているのだ。
だから少子化は絶対止めなくてはならない。そのことをしらない日本人が多いのではないか?