この映画は、たまたま暇つぶしの為にAmazonプライムで何か面白そうな映画は無いものかと物色していて見つけました。2019年のイギリス映画。主演はメル・ギブソン、ショーン・ペンなどですが、私は映画マニアではないので、あまりそういう情報にはこだわりません。
この映画を観てみようと思ったのは、英語の辞典を編纂するという仕事が物語として描かれているからです。それも、世界最高峰とされるイギリスの「オックスフォード英語大辞典」の誕生秘話。辞典というものはどうやって作られているのか、私たちには、普段とても世話になっていながら、皆目見当もつかない仕事です。これは見るしかないでしょう。
冒頭のシーンは殺人のシーン。あれっ、タイトル間違えたかな?と思ってしまいました。
しかし物語はここから始まるのですね。ネタバレになるのでこの先の内容は触れません。
感想だけ書かせていただきます。
辞典、とくにこのオックスフォード英語大辞典は、世の中のすべての英語の言葉を網羅するだけではなく、過去から現在に至るまでに微妙に変化した意味や使い方などを、それぞれの時代の文学や文献などから具体的な引用例を抜き出して解説するという、実に気の遠くなるような編集作業を黙々と積み重ねているのです。この映画の中では「A」から「B」までの第一分冊を完成させるのに約7年の歳月を費やしています。実は全部の編集が完成するまでには実に70年間もの歳月を掛けたそうです。
物語は、学歴の無い言語学者マレー氏と、戦争で精神を病み、殺人を犯してしまったマイナー元アメリカ軍軍医の二人が、ひょんなことからお互いを知り、協力して辞典の編集に尽力するという形で描かれます。
これは実話に基づいているそうです。
約2時間の映画ですが、今まで私が見た映画の中では、飛びぬけて異質の感動を与えてくれました。言葉というものが如何に大事なもので、その変遷は人類の歴史を確実にトレースしてきている、だから言葉をもっと知り、正しい意味と使い方を後世に繋ぐことが重要なのだ。私はそういうことを感じました。