性能認定試験の不正はいけませんが… | 台湾で起業して頑張る中高年オジサンの徒然

台湾で起業して頑張る中高年オジサンの徒然

天安門事件(1989年)には北京に駐在、その後、広州、北京、シンガポール、台北、上海と中華圏を30年間渡り歩き、2019年9月無事にサラリーマン定年退職。これを機に台湾台北で起業、第二の人生を奮闘中。中華圏ベテランオジサンの目線で見た日々について綴ります。

一時期よりは落ちついたものの為替は155円台が続き依然として円安基調です。1990年6月以来だそうですから、私が最初の北京駐在時代のことです。


当時は米ドルで給与を頂き、現地では外国人は基本的に人民元(RMB)を使用出来ず、外国人兌換券(FEC)に換金していました。所謂二重貨幣制度で、この紙幣が使用できる場所もホテルとかレストランとかに限られていました。


さて、経済学的には円安基調になると以前の日本では輸出が伸びて、輸入物価が高くなるものでした。確かに食品食材も含めた原材料価格は高騰してインフレ傾向になるわけです。ところが、肝心の輸出貿易が赤字続きであるのは、如何に輸出する日本製品や産業が少ないかを物語っています。


代表的なのは自動車モーター産業で、これまで日本経済を支えてきた重要産業のひとつでしたが、日本が出遅れた電気自動車分野は顕著で、欧州産や中国産メーカーに差を付けられています。


特に中国産電気自動車の車体価格は1万米ドル台だそうです。基本的に車体のデザインが良ければ、後は充電バッテリーが生命線ですが、このバッテリー分野でさえ日本は後塵を拝しています。


そんな状況の中にも関わらず、日本を代表する大手5社が国の性能認定試験で不正をしていたことが発覚し、国土交通省の立ち入り検査を受ける結果となりました。これも電気自動車業界に負けない様にとの焦りからなのかどうか…




従来では品質第一が日本製品の代名詞でもあったにも関わらずこうした事態になってしまいました。然も、私がサラリーマン時代に勤務していた関係会社も含まれていたのは二重に残念です。


一方で、品質重視をする余りに日本での国家性能認定内容が余りにも微に入り細に入りで重箱の隅を突っつく試験であるならば海外勢に遅れを取ります。


また生産停止による子会社や部品提供している関連会社も含めて影響を受けることになり、ますます日本経済へ不利益を被る事にもなりかねません。致し返しですね。


何れにせよ悲しいかな現代の日本では、世界に誇れる製品製造が厳しい環境下であるのも事実ですので、外資を誘致して呼び込むのも経済活性化する有効的な方策のひとつです。


先日行った熊本ですが、羽田から熊本までの機内はビジネスマンで満席でした。一見して台湾半導体メーカーTSMC絡みの装置メーカーや材料メーカーやバイヤーなどと思われる人たちでした。


熊本県を含む近郊県はこのTSMCのお陰で、あらゆる半導体サプライチェーン以外にも労働機会が増えて内需拡大し、更に輸出額も増えれば万々歳ですね。


それにしてもTSMC以外にもマイクロソフトやオラクルなど世界的IT企業が日本市場へ進出するなど考えられないことです。まるで20数年前の中国市場で起きていたことが日本市場でも起きようとしているわけです。あるいみで楽しみでもありますね。