3月に参加を予定していたライヴが2本中止となった。
13日(金)にWALL&WALLで開催予定だったペンギンラッシュの今年初ライヴ“in motion”と、本日中止が発表となった21日(土)に幕張メッセで開催予定だったツタロックフェス2020の2本だ。
新型コロナウイルスによる感染者が増加し続けている状況を鑑みれば、致し方ないとあきらめざるを得ないが、ライヴは大きな心の拠り所となっているため、逆に気持ちが塞いでしまう人も多いのではないだろうか。僕もその一人だ。あ~、Gotchに会いたかったな…
しかし、最も辛い思いをしているのは、アーティストであり、クルーやスタッフであり、興行主であるはずだ。彼らには心理的ダメージに加えて経済的負担もある。
ツタロック中止の判断は、開催予定日まで2週間を切った時点でなされた。直前には、「判断が遅い」ことをなじるようなつぶやきがTwitterに多く見られた。遠方からの参加予定者にとっては交通機関や宿の手配など切実な事情もあったのだろう。それでも、ギリギリまで開催の可能性を探った関係者があのつぶやきを読んでどんな気持ちになるのか、そういう想像力が働かない人たちがロックを嗜むことが残念でならない。
ライヴハウスで新型コロナウィルスが感染したという報道もあり、音楽業界に身を置く人たちが肩身の狭い思いをしている。Twitterにはそんなことをうかがわせるつぶやきも散見される。因みに、ライヴハウスの感染報道について言えば、感染源になってしまった人がライヴハウスに来る前にどこで感染したのか、という視点が見落とされてはならないと思う。
そもそも、ライヴは音楽業界の関係者にとっては仕事だ。ライヴに限らず、こういう時にエンタメは「不要不急」「今は無くてもいい」とか言われるが、他のあらゆる仕事と価値や位置付けは何ら変わらない。
日頃、エンタメがどれだけの人を救っていることか。
アーティストもスタッフもロックを愛する人たちの心が塞いでしまわないように、あの手この手を考えてくれている。
2月29日(土)の打首獄門同好会の無観客ライヴ配信は社会現象にもなった。僕も長女と一緒に画面の前でうまい棒を振って盛り上がった。
さらに、この間の土日には、THE ORAL CIGARETTESがYouTubeで配信する2本のライヴを延べ3回観た。
個人的には、コロナを理由に仕事その他の先行き不透明感が増しており、自分だけではどうにもできない日々だ。
そんな時でも毎日音楽を聴きながら、またライヴに行ける日を想像して前を向く。
そう、ロックやエンタメは世界を救う。ありがたや。僕は音楽業界に感謝してライヴが普通に開催される日を待つ。
(2020年3月10日)