2024/05/26 こころみ学園「奇蹟のワイン」 | 陶芸作家「保立剛」の工房から

陶芸作家「保立剛」の工房から

東京都国立市在住の陶芸作家です。

 

陶芸作家の保立剛です。

 

 

 

くにたち陶芸舎では、障がい者支援施設や高齢者福祉施設で陶芸アクティビティを実施しています。

そのアクティビティ事業部のメンバーで栃木県足利市にある「ココファームワイナリー」に行ってきました。

 

 

 
ワイナリーの母体は障がい者支援の入所施設「こころみ学園」で
草刈りから収穫までのぶどうの世話からワイン醸造の手伝いを
園生たちが行っています。
 
 
約70年前に雑木林だった山を購入し知的な障がいを持つ子供たちと開墾したという
足利市の北側にあるワイナリー所有のぶどう畑。
最大斜度40℃と、とてつもない急斜面に生えている木を伐採し谷に降ろし
ぶどうの苗を植えていったそう。
 
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こちらは醸造用のタンク
1980年には、それまで食用のぶどう栽培だった畑をワイン用に変え
本格的にワイン作りを開始します。
 
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「福祉ワインは作らない」

「かいわいそうだから」で買ってもらうより、味とクオリティーで勝負したい

との方針の元にワイン造りを続け

今では、年20万本を作る本格的なワイナリーに。
 
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カーヴの入り口には、ぶどうの木を活かした取っ手が。
 
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除草剤や化学肥料を使わず
醸造場での発酵も天然の野生酵母が中心。
 
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近年は、桁違いに手間がかかる二次発酵ワイン

スパーリングワインの生産も始め

創設者の川田昇からとった「NOVO」

沖縄サミットでは乾杯のワインに選ばれます。

 
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デゴルジュマンという澱抜きの作業の前に
澱を瓶口に集めるための作業用(ルミュアージュ)のラック
この後、長いセラー熟成に入ります。
隣にあるのは打栓の機械です。
 
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危険を知らせてくれるという薔薇の花。
ブドウがかかる病気に薔薇が先にかかり、病気のセンサーのような役割しているとか。

 

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ナチュラルワインの一つとして

ココ・ファームのワインを置いてある飲食店も多いので馴染みがある方もいるかもしれませんが、

もっと詳しく知りたい方は、こちらの本をぜひ。

 

障がいを持つ方と持たない方との共生とは?

インクルーシブな社会とは?

いろいろな考えがあるかと思いますが、川田昇が、こころみ学園がしてきたことは

その答えの一つなんだと思います。

企業が障がい者を雇用するのではなく

障がい者が主体となって市場競争力のある製品を作る。

そんな企業理念が「第一回渋沢栄一賞」の受賞につながっているのでしょう。

 

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もちろん最後はワインのお勉強も‼︎

 

 

30年ぶりの足利の山々には、穏やかな空が広がっていました。