無題。 | ALMA - 元吉庸泰の活動碌 -

ALMA - 元吉庸泰の活動碌 -

舞台演出家・脚本家・演出助手
劇団『エムキチビート』主宰
PUBLIC∴GARDEN!主宰脚本演出
虚構の劇団にも演出部所属

私が市原幹也氏と知り合ったのは、福岡公演の舞台に同行していた、とある夜でした。

 

尊敬する演出家にご紹介を頂き、その夜酒を酌み交わし。

そして後に、私の主宰するエムキチビートのイベント公演をご観劇頂いたりして。

それでTwitterにて相互フォローを頂いていました。

 

私は別に氏の事が好きでも嫌いでもありません。

氏の演劇活動のお話はとても素敵なものだとは思いました。

イベント公演にご招待した時、終演後やその後に、挨拶もなにもナシだったのはクソヤロウだなとは思いましたが。

その後は別になんとも思わず。

 

 

タイミング的にずれてはいますが。演劇といものを生業にしている身として。

氏と、一度酒を酌み交わしたことがある身として。

なにより同じ、演出家、劇団主宰として。文章を残しておこうと思いました。

 

私は、大学を出て舞台照明やら、役者やらを経て。

多くの人に出会い、人に助けられ。多くのご縁を頂いて。

今、ようやく演劇という世界で、家族を必要十分に養えるまでになれました。

 

今現在演劇で活躍をしている多くの方は、

その出会いや縁によって支えられている人が殆どであると思います。

それは、運の要素がとても強く。

私もかつては、力のある人とのご縁を渇望をしたものです。

 

そんななか、氏の行っていたことは、如何なる理由があろうとも許されることではありません。

セクハラ、という言葉で語られてはおりますが。

被害者の心を一時でも殺したならば、殺人であるともいえるのではないかと私は思います。

 

随分お会いしていない状況では、氏と、氏の行ったことが私の中ではピッタリとは結びつきません。

故にあくまで外野としてしか意志を表明できません。

罪を憎んで人を憎まず、とも申します。

氏と酒を酌み交わした夜は、とても幸福な夜でした。

抜けるような明るさの氏に、心労が和らいだことを今でも覚えています。

 

踏まえて。考えるに。

 

私は心から、氏の行ったことを軽蔑し。

発覚してからの行動、謝罪の文章、それらから感じる誠意の無さを慢侮し。

演劇の世界での繋がりを冒涜したことに落胆をします。

 

そして、どうか、

演劇の世界に於いて、人の繋がりというものに絶望をする人が、少しでも減りますよう。

祈りを。

 

 

余談ではありますが。

私は自分の劇団に参加頂ける方からご応募があった場合、必ず私自身が直接会ってお話をします。

応募には冷やかしも多いので、メールのお返事が来なくなることも多々あるのですが。

「男性と会う」ということに抵抗感や恐怖感を持っていらっしゃる方もいると改めて、感じた次第です。