食事のシーン | 「不定点観測」 - 不動産売買仲介営業のブログ

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千葉県柏市在住、埼玉県越谷市勤務。56歳の営業マンが、日常や業務について綴ります。

【株式会社北辰商事】
埼玉県越谷市新越谷2-12-9 ポルトゥーナE号室
TEL.048-993-4781

また「村上モトクラシ大調査」 に便乗させていただきます。


村上春樹の作品の中からいちばん好きな食事のシーンを選べ、

と言われたら、何を選択しますか。


『世界の終わり...』の、梅の木が見えるイタリアンレストラン。

『羊をめぐる冒険』の、ウェイターの高価な靴の音が響く

レストランでの食事。

『1973年のピンボール』の、ゴルフコースで食べるサンドウィッチ。

『ダンス・ダンス・ダンス』で「僕」が五反田君に供す数種類の酒のつまみ。

『ノルウェイの森』の、青豆のごはんと天ぷら(「いっぱい食べて

(精液を)いっぱい出すのよ」という緑の台詞付き)。

『遠い太鼓』の、雉子亭の贅沢な朝食。

『はいほー』の、うさぎ亭のコロッケ定食。


まだまだ印象的なシーンは数多あるけれど、このあたりが私の

最終ノミネートになります。


どうしても一つに絞れといわれれば、『世界の終わり...』の

シーンを選びます。料理も美味しそうだし、ウェイターとの会話が

大好きなのです。


「リゾットはかなりのヴォリュームがございますが」と心配そうに

ウェイターが言った。

「大丈夫。僕は昨日の朝からほとんど何も食べてないし、

彼女は胃拡張だから」と私は言った。

「ブラックホールみたいなの」と彼女は言った。

「お持ちいたします」とウェイターが言った。


もう、暗記してしまうくらいです(笑)

ここだけ抜き出しても何てことない会話なんですが、

長い物語の1シーンとしてすごく生きているのです。

春樹さんが『バビロン再訪』の冒頭の会話に否応なく

惹かれるように、私はこの場面に惚れ込んでしまった

わけです。

どうしてだろう?自分でもきちんと理解できないことを、

他人にきちんと説明することはできません。


天ぷらが食卓に上がるたびに緑の台詞が脳裏をよぎって

しまうことを、女房にきちんと説明する必要があるか

どうかは悩みどころです。