ほろ苦いバースデイライブ | 敦賀明子のN.Y.漫遊記

敦賀明子のN.Y.漫遊記

NewYork在住のジャズオルガニスト敦賀明子の日記です。

先日、ルー・ドナルドソン97歳バースデイライブで演奏しました。

ルーさんにゆかりのある方々が集まって、なんとも温かいバースデイライブになったのですが、

私個人的にはとても辛い会になりました。

 

というのも・・・・

 

この当事者2人が登場。それも2人とも笑顔で手を振ってきた。1人はステージに上がろうとする私を呼び止めてハグまでしてきた。

 

私はとっても混乱して、頭が回らない。

そして色々色々考えた結論が、

あたしが悩むだけ損だなーと。やつらは全く気にもとめていないし、私の思いとのギャップがありすぎて、なにこれ?って感じ。

 

オルガンは結局私のところに来なかったし、その後素晴らしい出会いがあってハモンドB3オルガンを買った。もうそれでいいのでは?

 

 

でも翌日は寝込んでしまった。

 

 

で・・・やっと立ち直って(立ち直る事ができた大きな理由は阪神タイガース!)

今日ルーさんのお誕生日会に行ってきたのですが、ルーさん、ルーさんの家族みんなめっちゃ怒っていて、なんでドクターロニーのオルガンがアキコのところじゃなくて、サックスプレイヤーのところにいったのかー?と。彼らは1週間ぐらい前に一連の出来事を知ったらしく、なんとかしたい〜!と。

私の感情はまたまた揺れまくり。ついには泣いてしまいました。

 

そして家に帰って、やつらはどう思ってるんだろう?と思い、Facebookをしたら2人からブロックされていました。

 

なんだかなーって感じ。

ドクター・ロニーが残してくれたオルガンの事は今までも何度も何度もどうしてこんな事になったのかー?と悩み、悔やみ、泣き叫び・・・

やっと立ち直ろうとしていた矢先の出来事。

 

ということは最後の膿が出たってことかな?

 

もしもの話しだけど、

もしもドクター・ロニーのオルガンが戻ってきたら、ドクターが生前言っていたように、彼のオルガンを若いミュージシャンたちに弾いてもらえるような場所に置きたいな。

そしてオルガンの素晴らしさを1人でも多くの人たちに知ってもらいたい。それがドクターの望みだったから。

 

もうこれ以上悩みたくない。心を揺さぶられたくない。頼むわ〜

 

 

追記

ルーさんの娘さんから連絡がきました。ルーさん、早速ドクターロニーのお世話をしていた女性に電話して、ドクターロニーのオルガンがどれだけ大切な物か、アキコに渡すべきだと言ってくれたそうです。今のところ(11/10)その女性からもサックスプレイヤーからも連絡はありませんが、ルーさんにちゃんと伝えてもらえてうれしかったです。色々な人がその女性に直接言うからと言ってくれましたが、実際に面と向かって言ったのはルーさんだけ。

 

あれから2年が経とうとしていますが、タイガーがガンになったことも、あたしが追突事故に巻き込まれた事も、どうしてもオルガンをうちに運ぶ事ができなかった事も、その後返してもらえなかったことも、タイガーが亡くなった事も、なぜこんなことが立て続けに起こったのだろうと自答自問し続けていました。でもふと、起きた事に理由はない、事実をただ受け入れる。

私の周りには愛にあふれた素晴らしい人たちがたくさんいる。その人たちを大切にしたらそれでいい。嫌な思いをさせられた人たちにこれ以上心を奪われることは時間の無駄だ・・と思いました。