伊丹市立演劇ホール(アイホール)問題 その① | おおつる 求 ブログ

おおつる 求 ブログ

みんなちがって、みんないい。
大津留が見た・聞いた・感じた・考えた事を、徒然なるままに。。

4月の市長選挙が終わると、

大きな課題が出てくる。

 

4年前は公立幼稚園統廃合問題。

 

今回はJR伊丹駅西側にある

伊丹市立演劇ホールの民間活用。

 

 

「演劇」条件を取っ払い、

事業提案を募ったところ、

とても良い反応だった、らしい。

 

改めて募集し、上手くいけば、

市が賃料を得られる、という物語。

 

この問題について、

何回かに分けて

ボクなりに整理してみる。

 

 

*****

 

《アイホールについて》

 

航空機騒音のイメージ払しょくするため、

1987年に市が打ち出した戦略が

「劇場都市伊丹」。

 

国鉄伊丹駅(当時)前

再開発事業の一環として、

1988年に伊丹市立演劇ホール

(通称;アイホール)は開館した。

「劇場都市」の象徴的な建物。

 

プロデューサーとして、

扇町ミュージアムスクエアに

おられた方を招聘。

 

開館当時の市のスタンスは

「金は出すが口は出さん」

 

ミッションは

「伊丹へ市外から人を呼ぶこと」

 

 

ちなみに。

駅前再開発事業エリアは、

アリオいたみ管理組合が管理。

アイホール及び地下駐車場一部を

市が「区分所有」している。

 

 

この時代、市内には

たくさんの文化施設が建設された。

 

【その前後に完成した文化施設】

1987年 美術館

1988年 演劇ホール

1989年 工芸センター

1990年 こども文化科学館、昆虫館

1991年 音楽ホール

 

 

アイホールは

アーティスト育成等が評価され、

第1回JAFRAアワード(総務大臣賞)」や

2014年度文化庁芸術祭賞優秀賞」を

受賞する等、全国的にも高い評価を得ている。

 

 

そのアイホールが揺れている。

伊丹市立演劇ホールを活用した事業提案に関するサウンディング調査を実施します。

 

なぜ、こんな乱暴な事をするのか。

 

 

 

 

市作成の資料によると

アイホールの課題のひとつが

「市民利用率の低さ(約15%)」。

 

これはオカシイ。

 

他市から本市に来てもらうことが

アイホールのミッション。

利用者のうち約85%の方々を

市外から伊丹へ呼んでいる、

と解釈すべきもの、だ。

 

 


 

市民一人当たりのコスト比較表に

いたっては、問題外の話。

 

とりあえず、

金のかかる公共施設を

手放したいのだ。

 

 

 

《アイホールを巡る市の事情》

 

なぜ今、民間活用か。

 

その大きな原因のひとつが

建設当時と現在の

財政状況、社会状況の違い。

 

多くの公共施設では、

大規模改修の時期が迫っている。

一方、すべて改修・建て替えたら

財政的に持たない。

 

市は、国の制度を積極的に活用し

公共施設の統廃合を進めている。

その流れの中にある。

 

伊丹市公共施設再配置基本計画の概要

 

【最近の例】

幼保統廃合で大規模こども園。

公民館はスワンホール内へ。

博物館は美術館・工芸センター等と合体。

近畿中央病院と市立伊丹病院の統合。

共同利用施設の集約化。

 

 

アイホールが終われば、

次のターゲットは、

こども文化科学館と昆虫館か。

 

 

 

《ここまでの流れ》

 

 

 

2018年、アイホールについて

「演劇を中心」と条件を付けて

国交省の市場調査(サウンディング)をした。

「民間参画は困難」という結果だった。

 

2020年、

「演劇にとらわれない」と条件を外す。

すると立地条件から良い事から、

様々な助言があった、という。

 

 

 

2021年4月、民間事業者より、

市へ具体的な提案があった。

ホールの高さを活用した

クライミング中心のスポーツ施設。

おまけに市へ賃料を払う、という。

 

 

 

市は独自でサウンディングを実施。

その結果によって、

入札条件を確定し、入札する段取り。

 

伊丹市立演劇ホールを活用した事業提案に関するサウンディング調査を実施します。

 

 

同時に、

アイホールが無くなった場合、

どんな設備を他ホールに整えれば

学生や劇団が活動できるのか。

 

指定管理者である

いたみ文化・スポーツ財団」に

演劇事業のあり方検討を

お願いしている、という。

 

 

***現時点はココ***

 

 

ボクは演劇に縁が無い。

アイホールのことも

ほとんど知識が無かった。

 

現在、様々な方にヒアリングし、

正確な情報を集めている。

 

 

アイホールが無くても、

学校へのワークショップや

アーティスト育成は、

従来通り出来るのか。

 

設備を他ホールに整えれば

学生や劇団が活動できるのか。

 

 

9月議会には、

具体案が出てくる可能性がある。

 

可能な限り事実を積み重ね、

守るべきものを議論することが

求められている、と思う。

 

 

一度壊すと、

決して元に戻らないものなので。