【質問報告3】伊丹朝鮮初級学校について | おおつる 求 ブログ

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みんなちがって、みんないい。
大津留が見た・聞いた・感じた・考えた事を、徒然なるままに。。

まず伊丹市の考え方を確認。

 

伊丹市人権教育・啓発推進に関する基本方針(全文)

 

「外国人」(P33~36)から抜粋。

 

【現状と課題】

本市において

韓国・朝鮮籍市民の割合が高いのは、

大阪第二飛行場、

現大阪国際空港の建設工事に

多くの朝鮮人労働者が従事していた

という歴史的な経緯などによるものです。 

 

そして、韓国・朝鮮籍市民を初め、

外国人市民の多くが

今なお残る民族的偏見や差別意識から、

本名(民族名)ではなく、

通名(日本名)を名乗らざるを得ない

状況にあります

 

 

【今後の取り組み】

学校教育においては

アジアの国々をはじめ、

異なる生活や文化、歴史に敬意を払い、

さまざまな国や地域の人々と共生する

心や態度を育成します。

 

 

2019年6月時点で

市内在留外国人は3,254名。

うち韓国・朝鮮籍が1,681名。

 

今年度、伊丹朝鮮初級学校に通う子の

国籍は、韓国籍84%、朝鮮籍16%。

 

 

以下は要旨メモであり、

議事録ではありません。

 

*****

 

 

《質問》

伊丹朝鮮初級学校が現在地にある

理由や経緯についてどう認識は。

 

【答弁】

在日外国人教育ハンドブックによると

終戦直後、母国語講習を目的に

国語講習所が設置された。

翌年、朝鮮人連盟伊丹初等学園に改称。

 

1947年、現在地に、

神津朝鮮人小学校を設立。

 

1948年、国は閉鎖命令を出したが、

校舎を持つため閉鎖に至らず、

私立学校として認可され

朝鮮人連盟初等学校と改称。

1950年に神津小学校桑津分校、

 

1966年、県が(学)兵庫朝鮮学園

の伊丹朝鮮初級学校として認可。

現在に至る。

「北阪神地域民族教育70年 未来に向かって」より

 

 

 

《質問》

この歴史的事実について

市立学校の児童・生徒に

教えているのか。

 

【答弁】

体系的には教えていない。

 

小学校低学年には

遊び・歌・挨拶などを通じ、

隣国を知る学習を行っている。

 

高学年には、

朝鮮との歴史的関係を理解し、

正しい認識を育てるとともに、

互いに認め合うことをねらいとした

単元を実施している学校もある。

 

中学校では、

地理や歴史、英語や道徳で学習。

社会科副読本の中で、

昭和13年頃の大阪第2飛行場

建設工事の写真を掲載し、

学べるようになっている。

 

 

 

 

《質問》

市立学校と伊丹朝鮮初級学校との交流は。

 

【答弁】

神津小学校と学校間交流している。

合同水泳授業や一緒に給食、

相互に体育大会の演技を披露など。

 

[要望]

昨年までは連合体育大会があり、

伊丹朝鮮初級学校の子の姿を、

市内の子ども達が知る機会があったが、

今年から連合体育大会が無くなった。

それに代わる交流方法を考えて欲しい。

 

 

 

《質問》

教育や交流に関する課題は。

 

【答弁】

韓国・朝鮮の知識や理解が十分でない

若い教員に周知していくこと。

 

[要望]

市作成の、在日外国人教育ハンドブック、

市人権教育・啓発推進に関する基本方針、

伊丹市「内なる国際化」推進基本指針等が、

教育現場で活用されているのか、

若い先生に配布されているか確認を。

 

 

 

《質問》

在日外国人就学補助事業の趣旨、

及び金額の算出根拠は。

 

【答弁】

教育の機会均等を図るとともに、

在日朝鮮の方々の教育の

選択の自由を保障する観点。

在日外国人学校の教育環境向上、

保護者負担の軽減が目的。

 

市立小学校及び中学校にあてる

管理費と教育振興費の合算金額を、

児童生徒数で割った金額から算出。

 

[意見]

在日外国人就学補助事業は、

無償である義務教育費用に相当するもの。

所得制限云々という次元のものではない

と改めて確認したい。

 

 

 

《質問》

市立学校園再開に際し、

伊丹朝鮮初級学校へも

新型コロナ感染拡大防止策の

手当がされたのか。

 

【答弁】

消毒液など物品は手当していない。

学校園再開マニュアルは発信していく。

 

[要望]

新型コロナは、ウィルスなので、

国籍や学校種別を問わない。

人道的観点からも、

市は対応を考えるべきではないか。

 

 

今年3月、さいたま市が

就学前施設職員にマスク配布した際、

埼玉朝鮮幼稚園を当初対象外にした

件は、大きなニュースになった。

 

憲法学者の木村草太氏は、

「感染症予防というマスク配布の目的に

対して、学校の管轄は無関係なはず」

と新聞取材にコメントしている。

 

伊丹朝鮮初級学校の空調は故障している。

修理部品も無く、設置に1千万円はかかる。

このままでは空港騒音と猛暑の中で、

子どもたちは授業を強いられる。

 

阪神・淡路大震災後、伊丹市は

空調整備費3300万円を助成した。

震災も新型コロナも非常事態。

早急な対応を要望する。

 

 

 

[最後に意見]

市は秋までに新しい時代に沿った

「多文化共生指針」を作成する、という。

 

それに相当するものは、1996年の

伊丹市「内なる国際化」推進基本指針。

 

これは学識経験者から意見を聞いたが、

今回は担当・庁内だけで作成すると聞く。

 

今回も学識経験者・当事者から

広く意見を聞くべきではないか

 

「多文化共生指針」は、

伊丹市「内なる国際化」推進基本指針の

内容を維持した上で、作成して欲しい。

[★下部参照]

 

おわり

 

*****

 

 

高校授業料無償化から除外され、

「すべての子どもたち」へむけた

幼児教育・保育の無償化からも

除外された朝鮮学校。

 

これは国家的差別。

 

憲法学者の木村草太氏は

「差別が起きないための

合理的配慮をしない行政などの

不作為も、差別の一種だと考える」

と同じ記事でコメント。

 

 

[★]

伊丹市「内なる国際化」推進基本指針 

 

そこには

「伊丹市に暮らす在日韓国・朝鮮人の

多くは、日本の植民地支配という

歴史的経緯によって、戦後も定住を

余儀なくされた人々とその家族」


であり、


「伊丹市においても大阪第2飛行場の

拡張工事で劣悪な労働条件のもと多くの

朝鮮人労働者が従事していたことや、

市内の企業が朝鮮人徴用工を受け入れて

いたことなどの歴史があり、伊丹市に

おける『内なる国際化』を推進する

ためには、これらの歴史的経緯を

正しく認識することが不可欠である」


と記載されている。

 

 


昨年起きた「伊丹マダン」問題。

質問報告2-1 2019年度「伊丹マダン」の件

 

 


突如、新しい指針を作るのは、

一連の流れから出てきたのでは、

と考えるボクは、ひねくれ者か。



過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目になる
(1985年、ドイツのワイツゼッカー大統領)

 

 

新しくできる「多文化共生指針」。

しっかりと見守っていきたいと思う。