伊藤弘さん×小川徹さん×やもとなおこさん・配信研究部4周年 公開収録ワンマン
『SYNCROOTS』が開催されましたので、現地にうかがって来ました。
三人揃ってお聴きするのは、昨年5月以来です。
今回は、やもとライブではお馴染みの VJ Bori さんが、LJ演出で参加。
ステージを覆う seabirth lamp stand のほのかな灯りで、ムードを演出されます。
なお今回は、三人がトライアングルで向かい合う配置で、有人カメラが3台入る
映像も重視した9次元配信により、画面の向こう側で各 SNS で鑑賞される方々にも
十分に配慮されたライブでしたよ。
Live act.
◇ 伊藤弘さん / Vo. & Cho. Per. (ジャンベ・カホン・シェイカー etc )
◇ 小川徹さん / Vo. & Cho. Pf.
◇ やもとなおこさん / Vo. & Cho. Gt.
定刻より少し遅れて全員ステージに揃い、ワンマンライブはスタートしました。
以下、セットリストの () は楽曲作者・home town 以外は弾き語りです。
♪ 背徳感 (やもとなおこさん作品)
※ 伊藤弘さん朗読 with Pf. 小川徹さん
♪ カタオモイ (伊藤弘さん作詞・小川徹さん作曲)
♪ 彗星 (小川徹さん作品)
♪ 葉桜 (小川徹さん作品)
♪ 宣託 - センタク - (やもとなおこさん作品)
♪ 遥かな未来 (小川徹さん作品)
ワンマンは途中休憩無しで、ライブ ~ ルーツを辿るインタビューコーナー
~ライブと進行して行きましたので、まずは前半の6曲から。
開幕は、いきなりアップナンバーの「 背徳感 」からですが、
やもとさんの唸るギターにお客さんの claps と徹さんの chorus が添えられ、
カホンとピアノが一緒に疾走して行く。
部長の弘さんが代表して、来場御礼と今回のライブコンセプトを説明された後、
ヒートアップした導入をクールダウンするかの様に、徹さんのピアノをバックに
弘さんの静かな朗読が有り、徹さんが歌う「カタオモイ」へ。
徹さんの作曲に弘さんが詞を起こした配信研究部ならではの作品で、
昨年はやもとさんが新たに曲を書き起こした ver. で聴けましたが、こちらが原曲です。
自然な流れの雰囲気で、子供の頃の思い出「彗星」から甘酸っぱい思い出「葉桜」へと、
徹さんの作品が三人のハーモニーと共に紡がれて行く。
ピアノに寄り添うギターやカホン・ジャンベの音色の入れ替わりが、それぞれの思いを
違う色彩で増幅して輝きます。
コロナ禍が切っ掛けで始まった配信研究部や、それが拡大した配信フェスでしたが、
各アーティストの色んな思いが交錯して行ったと思います。
今回のセットリスト順は、そんな思いの流れも考慮しながら、決められた様ですね。
やもとさんがリードを執る「宣託」も、そんな時期の心の内を綴った秀作です。
前半ライブの最後は、徹さんが娘さんへの思いを綴った「遥かな未来」へ。
シェイカーが響く中で、ギターだけをバックに歌い始め、中盤からカホンとピアノ
そして chorus の彩りが加わって軽やかに綴って行く。
配信研究部ならではのアレンジで、前半ライブを穏やかに締めてくれました。
ここで一息入り、それぞれのルーツを辿る20分強のインタビューコーナーへ。
コロナ禍が切っ掛けで、配信での可能性を追求すべく行動を起こした配信研究部でしたが、
三人それぞれの音楽に関わる原点が、弘さんのインタビューにより引き出されて行く。
部長の弘さんは、19歳の学生時代に友人から誘われた路上ライブからで、意外な事に
ボーカルリードが始まりでカホンは後からなのだとか。
やもとさんは、小さい頃から地元・伊勢原の合唱団にも入られていましたけど、
路上ライブそのものは苦手だけど、アーケード街の響きは好きで時々出てたとの事。
私の地元の、川崎銀座街アーケードや KSMB での歌唱は印象的でしたよ。
徹さんは、お母さんがピアノ教室の先生ですから、逃げ出す訳に行かず、
他の生徒さんにも負ける訳に行かずで、宿命的なものですね。(^^;
10年前に天窓で初めてリアルライブで揃った三人は、奇跡的に今に至りました。
13年来のやもとさんと徹さんは、また川崎のフリーライブでも歌って欲しいな。
ワンマンはそのまま、後半へと突入して行きます。
♪ カタガキ (やもとなおこさん作品)
♪ 憂愁インピーダンス (小川徹さん作品)
♪ destination (やもとなおこさん作品)
♪ Tonight (やもとなおこさん作品)
♪ やさしい風 (小川徹さん作品)
♪ home town ・・ スタンドマイク (やもとなおこさん作品)
※ 伊藤弘さん朗読 with Pf. 小川徹さん
♪ 君に一番近い歌 (配信研究部作品)
アンコール
♪ 君まで、もうすぐ (配信研究部作品)
10周年の時にこれまでを振り返って書かれた「カタガキ」は、聴かせるバラード曲で、
今回ワンマンのキー曲の一つですね。
忘れたくない思いや感情のルーツを、しっかり綴ったと言われる「カタガキ」と「宣託」。
柵を解き放ってこう歌いたいんだ、と発する言葉は胸を打つ。
続いては雰囲気が一転して、徹さんのアッパーな「憂愁インピーダンス」へ。
お客さんも claps を添え、カホンもピアノもギターも疾走感に溢れます。
アップギターとジャンベの響きからスタートする「 destination 」は、
アコースティックギターながらもエレキに負けない、やもとさんらしいロックナンバー。
お客さんの claps とギターとピアノがローリングする中で、終盤の弘さんの立ち演奏による
ジャンベソロは、今回も誠に圧巻で圧倒されました。
中盤からはクールダウンして、バラードへと移って行きます。
「 Tonight 」は、あらゆる編成で聴かせてもらった事のある聴き入らせる名曲ですが、
やもとさんのソロ弾き語りから入り、やがて二人の chorus が添えられ、
各種パーカッションとピアノが入り力強く拡がって行く。
続いては、徹さんの「やさしい風」へ。
徹さんのルーツを歌ったのが「彗星」なら、ルーツを見直す曲が「やさしい風」なのだと。
支え合う様な素敵なバラードですが、ソロの弾き語りから三人の編成へ、
そしてハーモニーへの展開が実に素晴らしいです。
やもとさんの故郷・伊勢原への感情を込められた「 home town 」は、
スタンドマイクに集中し、バックを弘さんと徹さんに委ねて、
ピアノのみをバックに歌唱スタート。
後半にはジャンベが入り壮大に展開し、" スタートはまたここから " と思いを新たにする。
締めのには再び弘さんの朗読が語られ、三人の共作で配信研究部のテーマとも言える
バラード「君に一番近い歌」へと移って行きます。
三人が順次リードを執りハーモニーを重ね、最後はお客さんの chorus も重なり一体となる。
そして狭い中を一旦退場されますが、もちろんアンコールの claps は鳴り止みません!
三人揃っての次のライブの大切な告知の後は、三人の共作バラード「君まで、もうすぐ」へ。
こちらでも三人が順次リードを執りハーモニーを重ね、しっとりとしっかりと
4周年ワンマンライブ『SYNCROOTS』を締めてくれました。
配信研究部の4周年を飾るワンマンは、2時間半に及ぶ濃厚なライブタイムと
トークタイムで構成されていましたが、Bori さんの LJ 演出に maru さんによる背景の前で、
3カメラによる公開収録も無事に完遂。
限られた SNS としか繋がっていない方にも届けたいという思いで、
映像も重視した9次元配信を行われましたが、そちらでリアルで見られた方からは
驚きの声が挙がっていました。
現地にいた我々は、場内の熱気や撮影風景と言う裏の部分も堪能出来ましたので、
映像は後日公開後に楽しませてもらいたいと思います。
ライブの方は、三人の歌声と演奏のハーモニーの妙技と圧巻の熱量のパフォーマンスで、
昨年同様に魅せられっぱなしでしたよ。
見事なアレンジで、三人の耳に馴染んだ作品の数々は色彩を大きく変えますし、
ジャンベの響きは、やはり生が一番だとあらためて感嘆させられましたよ。
落ち着きのある伊藤弘さんの朗読も素敵でしたし、今回もセットリスト・選曲と曲順・
トークコーナー等は、部長の弘さんが中心となって熟考されたそうですが、
『SYNCROOTS』の ROOTS のコンセプトに基づいた変化も有る素敵な流れでしたね。
今後の配信研究部としてのリアルライブは、9月に赤坂でのワンマンが公告されましたので、
楽しみにおじ ゃましたいと思います。
お疲れさまでした、素敵な夜をありがとう。