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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成30年(2018年)9月28日(金曜日)弐       

   
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 中国は「世界の工場」から「世界の市場」、そして「世界のゴミ箱」
  トランプ・安部の「日米共同声明」を読んだか?すごい内容が盛り込まれているゾ
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 相変わらず日本のメディアの唐変木。
 2018年9月27日、国連総会に出席した安部首相とトランプ大統領の「日米主要会談」が引き続きNYで行われ、「共同声明」が発表された。安部首相は23日のNY到着直後にトランプの私邸に招かれて二時間余の夕食をともにしており、入念な打ち合わせが行われていた。

 したがって日米共同声明には、重大な内容が盛り込まれているが、日本のメディアは、最重要事項をスルーして、貿易面での合意事項を重箱の隅を突くように弄(ほじ)くって、日本のビジネスにどういう影響があるのか、産業界にいかなる影響がでるのかなどと矮小な問題的だけを分析している。
 
 商人の目線、本質を探るより、水面上の泡(あぶく)だけを見て、「ああだ、こうだ」と騒ぎ立てている。
経団連、与党、霞ヶ関にも共通していることだが、それを集約するメディアの報道に戦略的思考はどこにもない。
野党も解析能力が稀薄なうえ、国際情勢の認識力がゼロに近いため、TAG(日米物品貿易協定)はTPP精神に反するとか、アメリカに譲歩しすぎだから安部首相を追求するとか。

 TPPから離脱した米国と、日本の貿易交渉は、これから二国間交渉となることは明白であり、日米間でFTA(自由貿易協定)を結ぶことになるだろう。その前に車の関税はしばし棚上げし、当面はTAG協議をおこなう。つまり、日本が譲歩したのではなく、アメリカ側の譲歩ではないのか?

 第一に「日米共同声明」は、米国が従来の親中路線をかなぐり捨て、敵視政策への転換を明確に示し、規制と制裁をかけるが、日本はそれに同調すると同意しているのである。
 噛み砕いて言えば、中国は「世界の工場」から「世界の市場」となって、世界的な企業がチャイナチャイナと喧噪を示したが、その勢いは止んで、流れは明白に変わり、中国はやがて「世界のゴミ莫迦」となるが、それを助長すると行間が示唆している。

 第二に知的財産権が盗まれ、ハイテク企業が中国資本に買収され、本来、自国が得るべき所得が中国に環流したことをトランプは猛烈に批判し、「グローバリズム拒絶」「愛国主義」に立脚する政策に立ち帰ると言った。

このトランプの国連演説は、中国を批判して止まないクドロー、ボルトン、ナバロの考え方が基調にある。ところが、当初はクドロー、ボルトン、ナバロを非難してやまなかった米国のメディアも議会人も、それを忘れて中国批判に同調している。中国批判は、いまや米国のコンセンサスである。

 グローバリズム拒否というのは「イデオロギー」を拒否するという意味で、国境の壁を撤廃し、規制をなくし、つまりは国家を解体すると面妖なグローバリズムという思想では、自由主義本来の市場まで破壊されかねない。
公平なルールを遵守し、双務主義に基づく交易という原則に立ち戻ろう、それが「愛国主義」だと主張しているのである。


 ▲日米共同声明の第六項に注目せよ

 またトランプ大統領の国連安保理事会、その後の記者会見などで、ウイグル族弾圧の強権政治を批判している。ハッカー攻撃による情報の盗取についても触れた。人権、民主をよびかける程度だったオバマ政権までの米国の親中姿勢は掻き消え、声明文には、「友好」などという文字がどこにも見られない。
 すなわち最重要事項は下記の「日米共同声明」の第六項である。

 「六 日米両国は、第三国の非市場志向型の政策や慣行から日米両国の企業と労働者をより良く守るための協力を強化する。したがって我々は、WTO改革、電子商取引の議論を促進するとともに、知的財産の収奪、強制的技術移転、貿易歪曲的な産業補助金、国有企業によって作り出させる歪曲化および過剰生産を含む不公正な貿易慣行に対処するため、日米、また日米欧三極の協力を通じて、緊密に作業していく」

 ここでいう「第三国」が中国を指し、その中国による「知的財産の収奪、強制的技術移転、貿易歪曲的な産業補助金、国有企業によって作り出せる歪曲化および過剰生産を含む不公正な貿易慣行に対処する」と言っているのである。

 もっと具体的に言えば、フアウェイ、ZTEを米国や豪が排除したように、つぎにテロリストへの資金洗浄として規制が強化された海外送金やドル取引に対して、米国は、たとえばフランスのパリバ銀行を処分し、巨額の罰金を課したうえで、「一年間のドル取引」を禁じた。つまりフランスの名門銀行も国際ビジネスができなくなった。
 これが中国の銀行にも適用される。

 米国内においても、軍事技術盗取の中国人スパイをつぎつぎと摘発し、中国軍に直結する取引をしていた個人や企業の口座を凍結している。ロシア財閥の在米資産凍結ばかりではない。欧米、とりわけ英仏独、スイスの銀行も処罰されており、西側の銀行は、中国との取引に慎重となっている。


 ▲だから中国の経済はマイナスに転落する

 同日、FRBは利上げを発表した。0・25%上げて、2・00-2・25%となる。
 するとどうなるのか。世界市場にだぶついてきた資金の米国への環流が始まる。猛烈な勢いでウォール街へドル資金が流れ込んでいる。

 連鎖で、新興国通貨は暴落する。アルゼンチン、南ア、ブラジル、トルコなどの通貨がどかんと下落したが、もっとも悪影響のでる中国人民元は下落が目立たない。
 なぜなら中国当局が人民元の買い支えをしているからだ。
これまでとはまったく逆で、中国は為替に介入し、人民元を下落誘導してきたが、いまは下落防止の買い支え、このためにドルを使うから、ますます外貨準備は減少し、そのうえで対米貿易黒字が激減しているから、人民元を買い支えるドルが払底する。
その次?
人民元の大暴落がおこるだろう。

 すでに上海株は年初来15・6%の下落を示しており、人民元は4月から九月にかけて、9%の下落を演じてきた。いかに中国が買い支えても、株価下落は歯止めがかからず、また人民元は防御ラインのレートをまもなく割り込んでいくだろう。

 米中貿易戦争は終わりの始まりでしかなく、次は金融と通貨戦争に移行する。
もはや「紛争」レベルのはなしではない、熱戦や殺戮兵器を伴わないが、これは「戦争」である。


▲こんな危機状況に「日中友好」?

 このような時に「日中友好40年」とか、日本企業の対中直接投資経済、日中通貨スワップ、トヨタ、日産などがEV車対応のための工場拡大とか、パナソニックのリチュウム電池日中協同開発とか、いずれトランプ政権の制裁の対象になるだろう。
 
 中国は、この最悪事態への陥落をさけるために代理人キッシンジャーなどを使い、米国マスコミへの宣伝を強化しているが、アメリカの政治風土でいうと、トランプ大統領より、議会は対中強硬派が主流となり、米国メディアは朝から晩までトランプ攻撃に忙しいが、こと中国に関しては、トランプより強硬である。

 つまり米国は挙国一致で、中国を敵視する姿勢に転換している。この深刻な事態をまったく理解していない日本の財界、企業トップ、そしてメディアは、指摘するまでもなく目が節穴、自滅への驀進を続けるつもりらしい。 
 

オウム真理教事件・死刑実施の受け止め方

         はじめに:現代における日本文明とは何かを考える糸口に                     

 四年毎に開催される サッカーFIFAワールドカップを巡る試合は、ロシアで6月から7月にかけて行われ、日本は優秀16国に入る成果を挙げた。試合後の日本人サポーターのゴミ拾いが海外メディアで評判になった。勝ち負けに関係なく、事後の清掃をする態度に称賛の声が報道されたのだ。

 7月6日、宗教団体・オウム真理教の教祖を含む死刑囚7名、26日には6名の死刑が執行された。1995(平成7)年3月に東京都心の地下鉄各線の車内で、教団の作成になる化学兵器サリンが幹部信者により散布される事件。直後の地上出口周辺での地獄絵図。四半世紀近い前の出来事で、今なお後遺症に苦しんでいる者も。全体の被害者は29名の死者を含め6500人に及ぶ。

 諸外国に称賛されるサポーターの振る舞い。医学・理工系の高学歴の信者による事件。どちらが日本人の平均の姿であろうか。多分、前者なのだろう。だが、あらゆる出来事は時代を反映してもいる。

 死刑執行を伝える各紙もテレビも、急に起きた大量の死刑に扱いかねてか、適当にお茶をにごした報道と解説に終始した。この事件の本質を明らかにする作業は、司法も民間も十分に肉迫し得たかといえば、怪しい。解説報道は及び腰である。二度めの死刑執行では、酷暑と台風報道が優先。前述の「時代を反映してもいる」の「も」の部分への考察が、不十分で良しとしている。

 警察も司法も、治安紊乱からの接近に重点を置くのは、職責上から当然である。だが、在野の解説もその範囲に収めて論じる態度は安易ではないか。そうした態度は、日本の将来に危うさをもたらす。

 

   (1) 事件を捉える視座の不安定ぶり

 事件を起こした側は、その思想性の深浅は別にして、ハルマゲドン(世界終末戦争)の現前化を意図していた。日本の宗教史上では珍しい指向性をもった出来事だった。だが、比較宗教学の見地からの考察はほとんどされていない。事件があまりにオドロオドロした側面をもっていたために、その意味付けに取り組むことを恐れたのか。また、事件を起こした教団の活動が日本を超えていた部分も、世人にはあまりピンと来ないのをいいことにしてかと思われるが、深く追求されなかった。ロシアでの布教実績や胡散臭い北朝鮮ルートである。

 事件の背景は、ここで触れた範囲でも異様で、突出していた。この突出していた部分をどのように受け止めるかで、日本人にとっての平成の御世の性格付けも可能になる。あるいは平成を背後から支えた主権回復後の昭和の御世のもつ限界をも示唆している。事件とその背景を総括できる視座を作れないのだ。

 敗戦と7年弱の占領を経た未曽有の現代史で、ハルマゲドンを前面に押し出した「犯罪」行為は、従来の左右に分けられた政治見解だけでなく、議会政治を構成していた諸政党の在り様を粉砕し、突き抜ける作用をもたらした。この事件の惹起は、風狂な一ヨガ行者と彼の言説を盲信した知恵遅れの高学歴者の一群による、と片付けて済ませていいのか。そのような世論誘導を思わせる司法と媒体を含む「知的?」世間の軽薄さからは、退廃的な腐臭が漂ってくる。

 

   (2) オウムのいうハルマゲドンは日本文明とは著しく異質

 ハルマゲドンという思潮は一神教を至上とするユダヤ・キリスト教文明の根幹をなしている。原罪意識を背景にした、終末あっての現在である。そのような時間意識は、比較すれば多神教を基調とする従来の日本文明にとっては異質な思惟方法であった。神人を分離した一神教と神人が共生し得る日本流の多神教。しかし、オウム教団はチベット密教の特殊なセクトを継承しながら、一方で終末を必然とする危機意識に立ち、時代に直面した。既成を破壊しての世直しにまっしぐらに突き進んだのである。

 大航海時代にキリスト教(旧教)の宣教師が南蛮から渡来し、彼らと接する機会の多かった九州や関西の人々は、一時は流行のように受容したものの、その異様なまでの選民意識と排他性に裏付けられたミッション意識、一方で平然と奴隷売買に従事する在り様に、結局はまともな感性を有する日本人により拒まれた。オウム流儀のハルマゲドンに見られるサリンを用いるような性急な突出ぶりは、サッカーの試合後に清掃する日本人の姿勢とは全く異質なのだ。

 その異様な組み合わせによる教義を大真面目に受容しただけでなく、実行にまで踏み切った中核信者の実在した意味は、ヨーロッパ産の文明開化を選択した近現代史を虚心に俯瞰するところに、その由来を明らかにできるであろう。

 

   おわりに:事件の総括は日本の近現代史の勁い部分を鮮明にする

 ハルマゲドンの実現に集団で取り組んだ行為の背景に、現行憲法9条の法理を「自明視」し聖化する思潮は作用していない、と断定する勇気を私は有していない。現行憲法体制があってこそ生じた行為と認識する見地があっていい。

 サリン散布から多くの人々に被害が生じたのを、大成功と喜んでいた幹部信者が居たというのは、多分事実だろう。この過激性は、9条を聖化する態度と無縁ではない。そこに潜む時代の「病理性」の由来を追求しないと、事件は風化する。風化でいいではないかという怠惰は、別のかたちでの事件の再来を促す環境作りになる。それは日本文明の自壊作用に連動する可能性もある。もちろん、その程度は低くても。だから、臭いものには蓋、は賢明ではない。

 死刑執行は当然ではあるものの、それは提起された課題の解決を意味しない。死刑になった者の選択した人生に作用した、ここで言う時代性を、私達は明らかにする努力を惜しんではならない。瑞々しい日本文明の在り様にとっても。

オウム・麻原彰晃らの死刑執行 上川陽子法相の決定を支持する

 裁判でのいろいろと法制上の制約があって、死刑執行が遅れに遅れていた。

 その良し悪しの評価はさておこう。

 いわゆる人権上の配慮があったのやら。

 

 しかし、その制約らしきものが無くなったら、さっさと処理をした。

 制度上で、死刑があるなら、判決が出ている以上、遅延する理由はない。

 

 法相の立場で手続きを進めた上川陽子議員を評価する。

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