つれづれログ -23ページ目

つれづれログ

色々な事を徒然なるままに書いていこうと思います

明日の約束 おいしいコーヒーの入れ方 SECOND SEASON 2 (集英社文庫)/村山 由佳
¥400
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いつのまに、彼女はここまで凛ときれいになったんだろう。
久々にふたりで過ごす休日、“おとなの女”になったかれんに、
愛しさが募る反面、焦りや不安を感じる勝利。
ひとり東京に戻り、一緒にいられない理不尽さに悶々としているころ、
大家の裕恵さんの義弟が帰国する。
一方、喫茶店『風見鶏』のマスターの身辺もあわただしくなる。
かれんの同僚だった桐島先生の視点で描くサイドストーリーも収録。

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1巻から全て読んでいる「おいコー」シリーズ12巻目の作品。

今回はボリューム的な物足りなさを感じた。
一時間あれば完読できるし、次巻への伏線もいくつか有るし。
まぁ、続きが気になる展開って事ではあるんだけど。

相変わらず恋愛に対する男の心情を描くのが上手い。
「あるある」と思いながら読んでしまう。
女性作家なのに、男心を解っている辺りは素直に感心してしまう。

ちょっとした事で嫉妬してしまう自分に嫌悪感を抱いてしまうんだけど、
分かっていても湧いてくる嫉妬心や焦り。
う~ん、人間の感情って面白い!

かれんの美しさと可愛さの描写は相変わらず魅力に溢れててイイ!
近くにこんな女性がいたら瞬殺されてしまうと思う。

勝利の周りの人達にも変化が見えてきたし、次巻辺りでなにかしらの
大きな展開がありそうな雰囲気。


集英社さん、3巻の速やかな文庫化、待ってます。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら/岩崎 夏海
¥1,680
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敏腕マネージャーと野球部の仲間たちが甲子園を目指して
奮闘する青春小説。
高校野球の女子マネージャーのみなみちゃんは、マネージャーの
仕事のために、ドラッカーの『マネジメント』を間違って
買ってしまいます。
はじめは難しくて後悔するのですが、しだいに野球部のマネジメントにも
生かせることに気付きます。
これまでのドラッカー読者だけでなく、高校生や大学生、そして
若手ビジネスパーソンなど多くの人に読んでほしい一冊。

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ネットでちょくちょく広告を見かけていて気になっていた一冊。

表紙が萌え絵だけに店頭で買う時、ちょっと恥ずかしかった…。
挿絵は2ページしかないけどw
この表紙がきっかけで手に取る人と、この表紙が原因で買えない人、
どっちが多いのだろう?

内容的にはビジネス書をストーリー形式にしたようなお話。
読む前は成功法則書をストーリー形式にした「夢をかなえるゾウ」に似た
感じかなと創造していたけど、大体そのイメージで合っていた。

「夢をかなえるゾウ」もそうだけど、僕的には普通のビジネス書に比べて
読みやすいし、印象にも残りやすい気がする。

成功法則書やビジネス書については読む時は「なるほどねぇ~」と
思っていても、月日が経つと内容が思い出せない事がほとんどで
あるのに対して、物語であれば大体の内容は頭に残っているし、それを
ヒントにして書いてあったことも思い出せる。

読む人の趣向によるだろうけど、上のような人って少なからずいると
思うし、そういう意味ではこのジャンルはいい商売になると思う。
今後も増えていくんじゃないかなぁ。

ストーリーも高校野球をテーマとして扱っていて面白かった。
ビジネス書の「おまけ」としてのストーリーにとどまらない面白さが
あるからこそビジネス書的な要素が生きてくるように思う。

野球の話としては公立の進学校の弱小野球部が甲子園を目指すという
王道な物語ではあるけれど、そのための手段を「ノーバント」と
「ノーボール」の2つに絞りそれを徹底していくという戦略が、強豪校を
倒すという結果に説得力を持たせている。

野球の作戦として、非効率でリスキーじゃないかと思うけれども
単純に面白い戦略だと思った。
観客にとっても観ていて面白い野球だろう。

そういえば野球部のマネージャーの名前は「みなみ」か…。
これもある意味王道かな?

みなみが野球嫌いだったり、親友が死ぬ展開についてはどうかと
思うところもあるけれども十分に楽しめた。


あと、女性がプロ野球選手になれないというのは正確には間違いでは?
ナックル姫こと吉田えり選手がいるし。
独立リーグだし、みなみと違って投手だけど。
一般の「プロ野球」であるNPBに限って言えばいないけど。
まぁ、細かい話だと言われればその通り。


あっ!ビジネス書要素についての感想をほとんど書いてなかった。

会社という組織の下っ端にいる僕は、現状マネジメントされる側だし、
現場の仕事を面白く感じているだけに、今後もマネジメントする側に
なりたいという願望は無かったりするんだけど、マネジメントに
よって組織を成長させるのは面白い事だと思った。

もしこの先、マネジメントする立場になった時はこの本を読み返して
みようと思うし、マネジメントされる側としても組織としての方針と
その目的を理解するのに役立つ知識だと思う。


ふぅ、長文になってしまった。
読んでくれた方、ありがとうございます。
疾風ガール (光文社文庫)/誉田 哲也
¥680
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あたしが連れてってあげるよ、ビートと熱狂の果てまで――

あたし、夏美。

19歳、んでギタリスト。

愛器の真っ赤なギブソンで、大好きなメンバーと

ぶっ飛んだライブの毎日……ずっと続くと思ってた。

魂の底からリスペクトしてたボーカルの薫が、突然自殺するまでは。

真実を確かめなきゃ、死んだなんて 認めない!

気弱な29歳の芸能マネージャー・祐司を引き連れ、

今あたしは走り出す――


宮原祐司29歳は、ミュージシャンの道を諦め、 巨乳グラビア・タレントを
抱える「フェイス・プロモーション」に入社した。
しかしある日、偶然目にしたアマチュア・ロックバンド
「ペルソナ・パラノイア」 のライブに衝撃を受ける。
ギタリストの夏美は19歳。
他のメンバーを従えて、大物の雰囲気十分。
そのセンスに惚れた祐司が夏美をスカウトしようと必死になる中、
突然ペルソナのボーカル・薫が謎の自殺を遂げる。
一体なぜ――? 

夏美と祐司が真実を追いかけ大疾走、ロック&ガーリー系
青春文学誕生!

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「武士道シックスティーン」などの作者の作品。

夏美のキャラクターが光っている。
音楽に対する情熱や、エネルギッシュな姿勢。
一人称で垣間見える小心者的な一面。

祐司から見た客観的な夏美、夏美の主観で描かれる夏美本人。
愛着を持たせる意味で、良いバランスを保っていると思う。

薫の死の直前の傷害の犯人は何となく察しが付いてちょっといい気分。
まぁ、普通に読んでれば誰でも予想できるかな…。

才能有る人が輝いて上昇していく裏では、多くの人が挫折している。
才能有る人はそれに気が付いたところで、立ち止まる事は許されない。

良くある話なんだけど改めて考えてみると、夏美みたいな天才の
孤独って普通にあるんだろうなと。
周りの人はその人に対する羨望が強すぎる事で、その事に気が
付けない事も十分にあると思う。
それで潰れていった才能というのもあるんだろう。

そう思うと妬みみたいな感情は自然としぼんで、少しは素直に人を尊敬
できるように思う。
少なくとも、そっちの方がお互いにとって良いはずだし。

まぁ、嫉妬とか一般的にネガティブな感情が生み出すエネルギーも
人を突き動かす大きな力だし、それが成功を生むこともあるだろうけど。

最後はプロへの道を歩みだす夏美。
続編の「ガール・ミーツ・ガール」も出ているみたいで。
今度読んでみよう。