●キャリー・マリガン 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

キャリー・マリガン 出演映画 ベスト10

 

1 プライドと偏見

時代設定の18世紀末という時代のお陰で、上品で優雅な雰囲気が味わえます。次第にクライマックスに向かって盛り上げていく展開も抜け目がなく、「笑い」担当のキャラクターも配置しながら、ドナルド・サザーランド、ジュディ・デンチ、ブレンダ・ブレッシンといったベテラン俳優がきちんと締めていて、メリハリも利いています。主人公の恋の行方以外にも、姉妹たちのエピソードも織り交ぜて、恋愛映画としても充分にお腹いっぱいになれました。キーラ・ナイトレイもこの時代においては共感を呼びやすい現代的な性格のキャラクターとして描かれ、いつの時代も変わらない「結婚はやっぱり愛がなければ」という女性達の思いを代わりになって演じてくれているようです。この作品で映画デビューのキャリー・マリガンは5人姉妹の4女役。

 

2 ドライヴ

終始ポーカーフェイスで強盗の手助けや残酷な殺しを繰り返しながら、一方で少年のように純粋な恋心を抱いた相手には柔らかな微笑を見せるライアン・ゴズリングが、またいつつもとは違った雰囲気でいいですね。キャリー・マリガンも今度は母親役ということですが、ちゃんと母親らしく見えるからたいしたものです。内容面でも、比較的おとなしい雰囲気でスタートする序盤から、次第に激しくそして残酷に動き出す中盤以降と、構成にも工夫が観られます。映像も雰囲気がありますし、音の使い方にもセンスが感じられます。最初から最後まで飽きることなく見られました。面白かったです。

 

3 17歳の肖像

テーマとしては昔からありがちな、大人になるための手痛い教訓といったところです。初めて見る大人の世界に浮き足立ち、無意識のうちに背伸びをしているうちに、それだけで自分が大人になったような錯覚に陥り、堅実に生きている家族や教師、友人たちがすべてかっこ悪く見えてしまう。程度の差こそあれ、どの時代のどの国のティーンにもつきものの永遠のテーマといえるかもしれません。この映画のヒロイン(キャリー・マリガン)は幸い、軌道修正しやり直すきっかけが与えられたのですが、そのまま堕ちていくパターンもたくさんあるわけで、そのあたりのほろ苦さというものがよく出ていましたね。現実を突きつけられた瞬間、はっと我に返り、自分が失ったものに気づく瞬間。それでも救われたのは、正しい方向に彼女を導いてくれる大人がいたということ。そういう意味で、彼女は恵まれていたのかもしれません。

 

4 マイ・ブラザー

実に重いです。最近増えている戦争の傷跡を描いた映画でして、戦争というものが、現場から離れたあとも本人や周囲の人々をいかに苦しめているのかということを切々と訴えてきます。一番わかりやすかったのが、トミーが連れて来た即席ガールフレンドの言葉で、いくら訓練していても、実際に死ぬ場面に直面する訓練はないわけで、直面する現実はやはり違うのだという言葉。果たして自分がその場面に遭遇したとしたら、その後も平然として生活することができるであろうか、おそらく「否」であると思います。けっして目新しいテーマではないかもしれませんが、繰り返しテーマとして提供していくこと、考えていくことに意味のあるテーマ。多くの人に考えてもらうということでは、リメイクの意義も大きいかもしれません。改めてまたいろいろと考える機会にはなりました。体重をしぼっての熱演を見せてくれたトビー・マグワイアの意気も十分に感じ取れました。女の子たちも可愛かったですね。軍人仲間の妻の役でキャリー・マリガンは出演。

 

 

5  SHE SAID シー・セッド その名を暴け

キャリー・マリガン主演。ハリウッドがこの映画を作ったというのは、ある意味罪滅ぼしもあるのでしょうか。何はともあれ、いくら犯罪者といえども、存命中の、それもハリウッドで巨大な力を持っていた人物を個人攻撃する映画をささっと作ってしまうスピード感には恐れ入ります。今の時代、こういったテーマは共感を得やすいということもあるでしょう。したがって映画を観る方も結末を判って観ることになりますので、どういう結末になるのかとラストをワクワクして待つというようなところはありません。基本的に事実に基づいて進んでいくので、派手な脚色もないです。あくまでも事実に従ってそれをなぞっていくだけで、その分不必要な演出も少なく、好感はもてます。そして社会悪をしっかりと告発しようという記者たちの気概のようなものは伝わってきて、マスコミのあるべき姿のひとつを示してくれているようなところはあり、興味深い作品ではありました。

 

6 プロミシング・ヤング・ウーマン

女性による復讐映画としては、結末がかなりブラック調で、まさにしてやったりというところでしょうか。死んでもなお復讐を成功させようとする執念は相当のもの。男側からすると相手が悪かったというところもあるのでしょうが、でもそもそも原因を作ったのは若さに甘えて暴走した男たちの方。痛烈な復讐を受けるのも仕方ないわけですね。一方でこの主人公の女性のように復讐できずに泣き寝入りしてきた女性がどんなに多くいたことか、社会における性犯罪における女性の立場の弱さをこの作品では強く訴えているという一面ももっていると思うと、男にとってはなんとも申し訳ない気持ちにさえ思えてくるのです。主人公を演じたキャリー・マリガン、いやーなかなかはまっていましたね。

 

7 ウォール・ストリート

およそオリヴァー・ストーンらしからぬ、そして前作の印象ともかけ離れた「甘い」作品になってしまい、やや期待外れでした。あのお方が登場した時は「おっ」と思ったものの、実はそこが最大の見せ場だったようで、金融界で戦う男同志のスリリングな緊張感といったものは、ほとんど消えてしまっていました。特にゲッコーの態度がまたくもって一貫性がなく、このラストはあまりに甘すぎるでしょ。マネーゲームの中で翻弄される若者が経験する苦さ・酸っぱさ・辛さ、そんなものを期待していただけに、最後は拍子抜けしてしまいました。けっしてつまらなくはないですが、前作や監督の名前の先入観は無くしてから観た方がいいかもしれませんね。シャイア・ラブーフ演じる主人公の恋人をキャリー・マリガンが演じています。

 

8 華麗なるギャツビー

塗り固められた虚構も、俗物的な生活も、すべては愛する一人の女性ために死に物狂いで手に入れたもの。その一途な思いにも関わらず、汚名を着せられ、彼女にも裏切られ、そして名誉を挽回する時間も与えられないまま命まで奪われ、夢の生活もうたかたに消えてしまった主人公。こうして観ると、実に気の毒な男なのです。ディカプリオ演じるギャツビーは、一見傲慢で自分勝手、欲しいものは何でも手に入れてきた男に見えるため、最後までなかなか感情移入しづらい部分がありましたが、ラストのラストでの語りの部分で、ガラッと印象が変わりました。一途ゆえの熱さ、その一本気さに、彼の無念さを共有できたような思いです。ただ、甘い夢を見ているようで情緒的なレッドフォード版の方が、好みではありますね。こちらの方は終始騒々しくて落ち着かないところがあり、現代的な演出でやや趣きに欠けたのは残念でした。キャリー・マリガンはヒロインを務めています。

 

9 未来を花束にして 

キャリー・マリガン主演。当たり前のように女性が選挙に参加し、立候補して、議員などになっていく今の時代になるまでの苦労を改めて認識しました。ここで描かれているものは、温和な言葉での訴えが通らず、力ずくでの行動に移したグループ。街中のガラスを割ったりとその行動は必ずしもほめられたものではありませんが、当時の劣悪な環境の中で働く女性たちの生活を見ていると、立ち上がろうとする気持ちも当然理解できます。一方で普通に仲良く家族と暮らしていた女性が、政治参加運動に目覚めた途端に、家庭がうまくいかなくなっていくことに、やるせなさを感じずにはいられません。当時の男性の感覚というものは、やはり女は出しゃばるな、大人しくしていろというものなのでしょう。敢えて暴力的に訴える手段には共感できない部分はありましたたが、こうした人々がいての今だということをもう一度考える機会にはなりました。

 

10 私を離さないで

設定が特異ですが。そのあとはその設定にしたがった展開。自分の運命そのものに疑問を持ち抵抗することまでいかないところに、物語としての疑問は感じますが、映画というよりも原作の問題でしょうか。決まった運命の中で起こる問題はきちんと悩みとして描かれているので、惜しい気はしました。キャリー・マリガン主演作。

 

次 SHAME-シェイム- 

キャリー・マリガンがヌードを披露した衝撃作。これ分かる、分かる…という誰もが共感できる悩みではないとは思いますので、完全に二人の心の内を理解しきるのは、なかなか難しいことではあるでしょう。それでも、体だけの繋がりにしか心のバランスを求めることができない主人公、しかし心の繋がりだけでは体の欲求を満たすことができないアンバランスさ。毎晩いろんな人と会いながらも、孤独の中で押しつぶされそうな感覚はなんとなく伝わってきたような気がします。ただ妹の抱える痛みというものが、私が男だからということもあるでしょうが、いまひとつ描ききれなかったようにも思いました。お互いの傷をさらに痛めつけ合った上でそれをなめ合うような関係が、なんともさびしいですね。