●音尾琢真 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

音尾琢真 出演映画 ベスト10

 

1 七つの会議

とにかく濃く熱い2時間でした。作品自体も企業の不正をテーマに、売上のために偽装を行い、そしてばれたら隠蔽しようとする組織に対し、独り立ち向かう主人公を描き、観ている側を引き込みやすい善悪の構図にすることで、ぐいぐいと引っ張っていきます。そしてその熱い内容に負けないのが、出演者たちの濃厚な演技。野村萬斎をはじめ、香川照之、鹿賀丈史、片岡愛之助、岡田浩暉、北王路欣也…と、とにかくお互いに濃厚同士がぶつかることで、誰かが浮くこともなく、同じ土俵で対峙しているのがいいです。顔芸ともいわれているようですが、とにかく感情むき出しの表情を、顔の筋肉を最大限に動かしてアップに応じているのが、とにかく印象的です。ストーリー的には池井戸潤らしい企業物語。出世争いという企業の中の男同士の確執もひとつの背景に織り込みながら、会社の中では紅一点朝倉あきと及川光博が、ややこの面々の中では色合いの番う役柄を演じることで、ひとつの緩衝材のような役割になっていて、ほっとさせてくれるようなところもきちんと押さえています。とにかく見どころ十分の作品でした。ねじ会社の社長役で音尾琢真は出演。

 

2 検察側の罪人

確かにラストにはもやもや感は残るものの、作品全体としては見ごたえがあり、ぐいぐいと最初から最後まで引き付けられっぱなしでした。理想や正義も長く同じ組織にいるうちに、自分の中で形を変えてしまうということが、警察・検察の犯罪に繋がっているということを、若手や潜入記者の目を通して、いったい何が正義なのか、改めて問うています。法の下において犯罪を罰すという正義が、いつの間にか別の事件で罰しきれなかった犯人への無念さを晴らすための手段にすり替えられていくことに、長く組織に属してきた本人にはもう気づかなくなっている怖さ。木村拓哉と二宮和也との会話のやりとりには緊張感があり、その正義とは何かという応酬も、作品を大いに盛り立てていました。松倉を演じた酒向芳がまた本当に気味悪い容貌・言動で存在感が抜群。面白かったです。ただ最後だけは、やはり犯した罪の償いも何も明確にならずじまいということで、敢えての後味の悪さがなんともいえなかったです。殺害された老夫婦の暴力団の息子役で音尾琢真は出演。

 

3 孤狼の血

警察やくざの間の微妙なバランスの中での綱渡りの攻防。命を削り、法的に一線を超えながらも、堅気の人間が巻き込まれないようにということを第一に、無用な抗争を阻止しようとするベテラン刑事。その刑事の常軌を逸した行動に、スパイとして送り込まれた大卒の若手刑事の正義感との間での葛藤。やくざ同士の抗争だけでなく、警察内部での護身のための駆け引きや、警察とやくざの間でのギリギリの交渉。緊張感のある中でさまざまなドラマが織り込まれ、見どころの多い作品となっています。そこに作品の中で一つのオアシス的な役割を果たした果たす阿部純子の存在に、安らぎを覚えるのですが、これもラストシーンで裏切られるわけで、そういう意味では仕掛けにも凝った作品になっています。ただ乱暴な抗争が繰り広げられるだけでなく、そこに係る内面も描き出したという意味で、他のやくざ映画と死はまた一味違った作品になっていました。音尾琢真は暴力団員の社長役。

 

4 祈りの幕が下りるとき

本格的なミステリー映画として見ごたえのある作品でした。構図は結構複雑で、ともすると説明を急ぎすぎて観ている者がついていけないケースも多々あるのですが、二組の親子の絆のドラマを絡めながら、しっかりした組み立てで、観ている側にも伝わりやすいように組み立てられています。ともに母親が家を出ていく過去を持つ似た経歴の男女ですが、立場や残った父親との関係性は実に対照的。事件の全容が少しずつ明らかになるとともに、二組の親子の事情も次第に分かっていくような構成で、ぐいぐいとストーリーに引き込まれていきました。なかなかこうした本格的ミステリー映画で最近成功することが少ないのですが、加賀恭一郎シリーズ1作目に引き続いて今作も、面白くしかも心を揺さぶるような映画に仕上げてきたのはさすがです。殺されてしまう原発作業員の役で音尾琢真は出演。

 

5 孤狼の血 LEVEL2

エンタテイメントとしては息つく暇もなく一気に最後まで引き連れられて、面白く観ることができました。ただこれがリアルな任侠映画かというと、年号とか都市名とかが具体的な割には、かなりエンタメに振ってある印象はありました。特に肝となるのは鈴木亮平演じる上林の狂気的な暴走ぶりで、暴力団特有の政治とか上下関係とかを無視して、次々と人目も構わず目障りな相手を残忍な方法で殺していく様子は、もはやサイコパスと言った方がいいでしょう。とんでもないサイコパスを抱えてしまった組は、もはや内部で破壊していく一方。一方で警察もまたひどいもので、なんとアパートまで借りてまで身内をはめ込むとは、恐ろしいものです。実際にこの中の上林のように、筧美和子、宇梶剛士、寺島進ほか多数、かたせ梨乃と次々に殺して、しかも目撃者も山ほどいるのに捕まらないというのはあり得ないでしょうし、連続殺人鬼といってもいいぐらいの殺しぶりは、やっぱりエンタテイメントであり、リアルではないのです。

 

6 ひとよ

子供たちを救うための夫殺しでしたが、それゆえにその後の人生を苦しんだ3人の子供たち。自分のしたことは正しいと言い切る母親に対し、3人の子供たちの態度は三者三様。果たして正義とは何なのか、子供のためとは何なのか、とにかくいろいろ考えさせられます。もちろん殺人を倫理的に正当化することはできるわけもなく、その部分ではこの作品は慎重です。殺人により万事OK、幸せになることで解決した…とは決していかないわけで、次男が劇中で言っていましたが、暴力に耐え続けた方がましだった、と思いたくもなるような現在の生活があるわけです。その点はよかったと思います。そして犯罪者の家族として生きた子供たちの受け止め方もまた三者三様。仕方ないと受け入れるのか、可能な限り隠し通すのか、逆に利用して生きるのか。しかしいろいろありながらも、少しずつではありますが、変化を見せていくこの家族。もしかしたら時間が解決してくれることもあるのかもしれません。考えさせられる映画にはちがいないでしょう。一家のタクシー会社を引き継いだのが音尾琢真演じる甥。

 

7 アフタースクール

主要キャストも皆有名な俳優となってしまった分、それぞれのキャラクターよりも演じる側の方が前面に出てしまったような印象も受けます。前作で感じた、さえない主人公への共感のようなものが、今作では持つことはなく、ただ駒のように映画の中のキャラクターが動いているだけのような印象になってしまいました。とはいうものの、脚本と構成だけで惹きつける力はさすがのものですし、前作の評価が決してフロックでないことも証明されたと思います。技術的には申し分ないので、次作以降については、もう少し「心」を見せてもらえる様になったら、もうそれは完璧でしょう。

 

 

8 日本で一番悪い奴ら

実話に基づいている話ということで、時々挿し込まれる新聞記事の見出しのようなテロップが、社会派ドラマのような趣を醸し出していますが、一方で強烈なキャラクターやインパクトのある演出で、どこかコメディのような雰囲気も持ち合わせている不思議な作品です。自信なさげな新人警官があっという間に「エース」にのし上がりながらも、最後にはとことんまで堕ちていくという、乱高下の激しい警察人生を描いています。最後の弁護士の接見に対し、組織の問題をまったく考えもせずに信じ込む姿が結局のところすべてを物語っているように思いました。まるで洗脳するかのように、目的達成のためには、別の犯罪を見逃し、それが組織の中で評価されていくうちに、それが正しいと思い込まされていく環境。それがおかしいことだとも気づかずに突っ走っていく姿は、はたから見ていると実に滑稽でもあります。そんな滑稽さを綾野剛が見事に表現できていたのではないでしょうか。音尾琢真は刑事役。

 

9 超終点駅 ターミナル

登場人物が限定される中、妻子を捨てて女に走ろうとした末にすべてを失って逃げ込んでいた主人公の弁護士と、似た境遇の若い女性との交流を通して、新しい一歩を踏み出すまでを描いた心温まる優しく穏やかな作品です。ある意味ちょっと古さを感じるストーリーではありますが、本田翼が作品にパッと明るさを挿し込んでいるようで、北海道特有の空気の館の中のアクセント的な役割を果たしていたように思います。ともに過去に区切りをつけて希望を見つけるラストにはほっとするような思いを持ちました。

 

 

10 今はちょっと、ついてないだけ

一度人生において挫折した大人たちに送る癒しの映画とてった趣です。それぞれ年齢も性別も異なる人たちが、順調な人生から落ちこぼれ、さてどうこれから立て直そうかという時期を、一人で過ごすよりは互いに支えになる人がいた方がということで、シェアハウスで過ごしながら、人生に向き合っていくというわけです。やはりこういう時期に力になるのは、人と人の繋がり、人の優しい言葉だったりするわけで、この作品自体がそんな支えだったり、言葉になるような、優しくほっこりとした作品になっていました。音尾琢真はバブルを引きずる元テレビプロデューサー役。

 

11 決戦は日曜日

12 ラブ×ドッグ

13 死刑に至る病

14 凪待ち

15 金メダル男

16 牝猫たち

17 カツベン!

18 るろうに剣心 最終章 The Beginning

19 止められるか、俺たちを

20 レジェンド&バタフライ