●晩餐映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

晩餐映画 ベスト10

 

1 バベットの晩餐会

味わい深い作品です。若い時にほんのひと時お互いに思い合った男女二組、そしてその女性の方は姉妹というわけなのですが、結局は結ばれることもなかったその縁が繋がって、晩年の盛大な料理による晩餐会へと結びついていくという、人生や運命の不思議を感じさせてくれます。そしてなんといっても食卓を飾る料理や最上級のワインやシャンパンの数々。ただひとり料理の素晴らしさを語る将軍と、周りの老人たちの反応の違いがどこかユーモラスでもあり、ほのかなわびしさを感じさせる描写でもあったりします。最後に明かされるバベットの秘密と彼女の意気にまたほろりとさせられます。

 

2 奇人たちの晩餐会

晩餐会そのものよりも、その前の話がメイン。ほとんどが部屋の中での会話なのですが、それでもひとつひとつが可笑しくて、そして何よりも「バカ」がほんとにバカで、にも関わらす最後ほろりとさせたあとでまたオチがくるという、構成と脚本がしっかりしていて面白かったです。

 

3 最初の晩餐

それぞれ子持ち同士で一緒に暮らしだした二つの家族。その父親の葬儀で再び集まった家族。母親が作る料理の数々は、家族にとって想い出の品ばかり。一緒に五人が暮らしていた頃を回想しつつ、家族とは何なのか、改めて問い出す姉弟。そこに家を一人出ていったきり連絡のなかった血のつながらない兄がやってきます。そこで語られる母親と父親の出会いの秘密。確かにこの母親は、周りの家族の気持ちよりもまず自分の感情をとめることができずに行動してしまったということでは勝手ですし、血の繋がらない娘が怒るのも実に理解できます。簡単にいえば不倫の末に夫に自殺を図らせ、息子につらい思いをさせた、考えてみればひどい母親、ひどい妻です。もったいぶって最後に明かした秘密がこれということに、やや拍子抜けしたことと、敢えて長い年月の経過した通夜の夜に事実を血の繋がらない娘息子に打ち明けたという部分で疑問は残りましたが、葬儀場ではなく自宅で行われる通夜と葬儀に、昔ながらの地縁血縁のつながりを重んじた田舎の風土のようなものも感じたりして興味深くも観られました。

 

4 最後の晩餐(2013中国・韓国)

ストーリー的にはあざとい悲恋物にありがちな「それ」ではあるのですが、喜怒哀楽をうまく散りばめて、ラブコメディ的な要素も含んだメリハリのある作品になっていて、感情移入もしやすかったです。お互いを思いながらも、どこか正直になれずに相手を試してしまう二人ですが、その裏の一途で切ない思いが5年という年月の中の端々に隠されていたことが明るみになると、二人、特にチャオチャオが愛おしくて仕方なくなってきました。作り物っぽさは否めないものの、恋愛映画に必要な雰囲気もうまく演出して、総じてよく出来ていたと思います。

 

5 シェフとギャルソン,リストランテの夜

兄弟で経営するレストランを舞台に、二人の恋模様や、ビジネスに徹する周囲の関わりを描いた作品です。最後は裏切られ、恋人に逃げられと、切なさが漂い、しんみりとした気持ちになってしまいますが、それでも切れない兄弟の絆の深さには感銘を受けるのでした。

シェフとギャルソン、リストランテの夜

 

6 恋人たちの食卓

料理人の父親と三人の娘達の恋愛と仕事を、優しく描いている台湾映画です。なんといっても食卓に次から次へと並ぶ料理の数々が壮観で、観ているとお腹がへってくるようです。娘それぞれのキャラクター、そして父親の結婚への伏線の描き方に注目です。

恋人たちの食卓

 

7 マダムのおかしな晩餐会

メイドさんと絵のコンサルタントとはかない恋物語がメインで、それをよく思わない雇い主のマダムの自分勝手な言動を茶化して笑う、そんなコメディです。邦題の「晩餐会」は話のきっかけであり序章にすぎず、ちょっとピンとこない感じではあります。このマダム、別の男にプレゼントをもらったりしながら密会しているくせに、夫とも別に仲が悪いわけではなく、自由に生きている感じです。夫もフランス語の若い先生とよろしくやっていますが、実は金銭の危機を隠しているという状況。その中で娘のいるメイドさんが恋におち、マダムの目を盗んでドレスを借りたりと、まるで少女に戻ったかのように、うきうき。相手の男も、夫の連れ子に嘘を吹き込まれて、いいところの出だと思い込んでいるだけに、事態は複雑に。しかし最後はマダムの意地の悪い告げ口で二人は破局に。ちょっと悲しい結末です。結局男もかっこいいことを言いながら、メイドさんでは恋の対象にならないということなのです。ほろ苦い結末でした。

 

8 クーパー家の晩餐会 

ある家族のクリスマスの1日を描いています。それぞれが問題を抱えたものが、アクシデントをきっかけに明るみになり、そしてそれが解決へと繋がっていくというホームドラマで、賑やかな食卓での表面を装うとする思いと、内に隠された事実が交錯して、複雑な様相をしめしています。不倫を隠すための偽婚約者、離婚間近を隠すための一家団欒、失業を隠すための嘘…もっともそれらが都合よく一瞬で解決へと向かうから不思議。といいますが、映画なので仕方ないのですが、ちょっと都合良すぎ。特にジョン・グッドマンとダイアン・キートンの夫婦仲は、つい数時間前まではどうやっても修復できそうにもなかったものが、あっという間に心変わり。妻側がどう心境に変化があったのか、観ていて唐突さは否めませんでした。構図は面白いけれど、いろいろあり過ぎて、自然な収拾とはいかなかったのが惜しい気はしました。

 

9 最後の晩餐(1973 フランス・イタリア)

気味の良い映画ではないことだけは確か。食うかやるか、食欲と性欲をありったけ出し尽くして死んでいく、ある意味この登場人物たちは幸せなのかもしれないですが…。

 

10 悦楽晩餐会・または誰と寝るかという重要な問題  

ちょっと悪趣味な感じ。人間関係が乱れに乱れまわって、しかもノーマルな道徳観のない風変わりな人物ばかりが集まっているため引いてしまうというのが本音。