●駒木根隆介 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

駒木根隆介 出演映画 ベスト10

 

ぽっちゃり系の脇役が出てきたら、

前野朋哉かこの人かといったポジションの俳優さん。

 

1 ヒメアノ~ル

吉田恵輔監督しては珍しいサイコ殺人を扱ったスリラー映画ですが、ブラックコメディ的な側面を持つ作品でもあり、このあたりはなかなか一筋縄ではいかない監督だけあります。前半は完全にコメディムード。芸達者を揃え、独り相撲の三角関係の恋愛模様や、女性の経験人数の多さに驚く脱童貞男の悲哀、さらにはとんでもなく強烈なヒロインの女友達と、この先の暗澹たる殺人の前兆などまったく感じさせないとぼけた展開。ところが森田剛演じる殺人鬼が本性を現して来たら一気に話は動いてきます。またこの森田剛の殺人鬼がなかなかの怖さで、容赦なく人を次々に殺していく様子は恐怖そのもの。濱田岳と佐津川愛美のカップルは危機が迫ってくるのをどうやって脱するのか、観ている方もドキドキ。目が離せませんでした。それにしても吉田監督は女性を小悪魔的に描くのがうまく、今作も佐津川愛美が健気なふりして、実は経験豊富、濱田岳を振り回す姿は小悪魔そのものでした。森田剛演じる主人公の高校時代の友人役で駒木根隆介は出演。

 

2 閉鎖病棟 それぞれの朝

その病院の患者たちはみんな重いものを抱えながら、それでも生きている。そんな傷を抱えたもの同士が、時にいたわり合い、時にぶつかり合い、時に傷をなめあいながらも、寄り添って暮らしているのです。帰る場所がある者、帰りたい場所があっても帰れない者、自らの意思で身を寄せている者、それぞれ背景は違いますし、症状も違いますが、それまでに何があったのか、家族や親せきはどう彼らに接していたのか、そんな隠された部分を想像すると、重い気分にもなります。そしてそこで起きた犯罪…いったい何が正義で何が罪なのか、考えさせられる部分も多い作品になっています。それでも退院して働くようになったり、ひどい目にあっても自立して生活できるよう前に進む姿に、希望のようなものは見える気もします。そしてラストシーン。結局、人間に生きる力を与えるものは、周りの人たちの支えであり、優しさなんだでしょう、そんなことを思いながら作品は終わっていきました。駒木根隆介は患者役での出演。

 

3 決戦は日曜日

宮沢りえとしては珍しいコメディの前半は好調。世間知らず、政界知らずの世襲議員候補を父親の代からの秘書が四苦八苦しながら支えるという展開で、新人候補者を演じる宮沢りえがなかなか上手。なんだこいつはと思わせるような変な奴で、観ている側の気持ちをしっかり逆なでしてくれていて、いったいどう転んでいくのかがとにかく楽しみでした。ただ後半、選挙の行方よりも、連発されたスキャンダルへの対応が軸になってきたところからやや失速。実は落選を狙っていたという妙に物分かりの良い結末にはちょっと透かされた感はありました。基本的に政治の世界を描いているので風刺的になるのは当然なのですが、思ったほどには毒がなかったなという感想ではあります。

 

 

4 泣き虫しょったんの奇跡

当時はマスコミにもいろいろと扱われた、30代でのプロ棋士挑戦の物語を、将棋ブームに乗じて、この機会に再びこんなことがあったと世に知らしめようといったところでしょうか。大まかなストーリーは有名なので、知識をなぞっているだけのようなところはありましたが、それぞれの時代のエピソードについては興味深く観ることができました。その時代、その時代で瀬川氏を支える人たちがいたことが、最終的にプロになれたというところに繋がってきたのかもしれませんし、それを得たのは彼自身の純粋さ、人間性に因るものともいえるかもしれません。小学校の先生、隣に住む親友且つ将棋のライバル、将棋クラブで教えてくれたおじさん、奨励会の仲間、プロ受験を後押しした将棋クラブであった先輩…。将棋の型にはこだわりながらも、将棋を知らなくても楽しめるよう、盤上の戦いについてはほぼ触れないでドラマを描いていました。逆にその点が、将棋ファンにしてみると、ちょっと不満かもしれませんが。

 

5 アフロ田中

ダメダメモテナイ仲間の中でも最も遅れをとった主人公が、可愛い女性の登場にどぎまぎしながら、一方で時々抑えきれなくなる性欲を持て余し、結局は振られてしまうという、バカ男たちのアホアホ騒動記。本当にバカらしい彼らなのですが、それでも憎めない、むしろ愛情さえ感じてしまう駄目さ加減についつい笑いながらも応援してしまったり。ダメダメ仲間の一人が駒木根隆介。

 

6 一度死んでみた

とにかくカメオ出演的なキャストが豪華で、主演級の俳優が、一瞬だけ登場するというシーンがたびたびあります。贅沢な俳優の使い方で、それだけで華やかになります。またリリー・フランキーが「火野」という役で、堤真一と並んで「トントントントン…」と某トラック会社のCMのネタを差し込むあたり、実に心憎いです。その中での主演となった広瀬すずですが、今までにあまりない本格的なコメディで、振り切れた演技によって新たな一面を見せてくれています。歌を歌うシーンも多いのですが、思った以上にしっかり歌えていますし、改めて彼女のセンスを感じさせられました。作品自体は、まずありえない展開ではあるのですが、火葬を早くしたい裏切り派と、なんとか生き返るまで伸ばそうとする娘たち。そのせめぎあいがストーリーの肝となるわけで、コメディですからそのあたりはドタバタ劇ですね。食堂に社長の遺体を安置しておくなんて本当はあり得ないし、家族を差し置いて会社の社員が勝手に葬儀を進めるなんてことも考えられないわけで、そんな点も含めて、バカバカしさを頭の中空っぽにして楽しめ、というのがこの作品の観方なのでしょう。

 

7  SR サイタマノラッパー2~女子ラッパー☆傷だらけのライム~

サイタマノラッパーシリーズにメインキャストとして出演している駒木根隆介。今作はわきに回って、彼女たちのラップを聴いていると、どこかくすぐったいといいますか、こっぱずかしくなるようなところがあります。しかしながら10代の時に描いていた大人の自分と、20代後半になった現実の自分とのギャップにもがいている彼女たちの鬱屈感がすごく伝わってきて、共感できるところも多かったです。親の借金を一人で背負ったり、小さなこんにゃく屋で毎日こんにゃくを作り続ける毎日に希望を見出せなかったり、ダメな彼氏のためにソープ嬢を続けたり、それでも人生を投げ出すことなく、なんとか打開して明るい未来を夢見る彼女たちの前向きさは素直に認めてあげたいような気持になりました。

 

8 愛の渦

初対面の相手、慣れない異様なシチュエーション、後ろめたさと恥ずかしさなどから、最初は恐る恐る会話をしていた男女が、それぞれが体をさらけ出し、親にも見せない行為を見せ合うことで、次第に隠していた心の中までが露になっていく、その変化が面白かったです。恐らく初めてこんな場所に放り込まれたら、何からとりかかっていいのか、おそらく差し障りのないような会話から始めちゃうんだろうなと思いながら、彼らのぎこちなさが妙に落ち着かなかった序盤。普段なら絶対言葉に出さずに思うだけにしておくような、お互いへの本音が露骨に現れてくることに、彼らに共感と反感を抱きながらの中盤。そして少しずつ感情的なことが芽生え始め、好意だったり謝意だったり、彼らにも愛着を持ち始めた終盤。そして強烈でせつないオチまでついたラスト。この映画はかなり特異な設定ではありますが、そうでない日常の中でもこういう推移は見られるような気もして、改めて人間というものを浮き彫りにしたような作品としても捉えることができるような気がしました。それにしてもこの題材で、特に男性キャストにこれだけのメンバーを揃えられたのは、奇跡のように思えますね。乱交パーティへの参加者の一人として駒木根隆介は出演。

 

9 野球部に花束を

要するに野球部あるあるです。高校野球部に入部した1年生たちの1年間を追ったものになっていて、これといって大きな出来事があるわけではありません。先輩や監督にしごかれ、奴隷同様に過ごす中でも、その環境にも慣れ、仲間たちとぐちをいったり、励ましたりしながらも、やがて新しい後輩を向かえるというサイクルの中で、高校の野球部にありがちな出来事をコミカルに紹介しているので、気楽に肩の力を抜いて観られます。野球部も弱いままですし、恋も進展しませんし、そういった物語性がない点では物足りない感じもあるのかもしれませんが、この作品の意図はそこではないのでしょうし、こういう作品もありかなとは思いました。野球部員役で駒木根隆介は登場。

 

10 羊とオオカミの恋と殺人

普通の道徳観念を捨ててみなければ成立しない物語ではあります。人を殺しても警察は現れず、それを知っていてつきあいを始める主人公。普通は考えられませんが、そこは架空の話。いつ自分が殺されるかもしれないという相手といつも一緒にいるという神経もまた、自殺寸前だったという状態や、天然系のゆるいキャラクターで、必然性を持たせてストーリー的に成り立たせています。実際にはこんな殺人鬼が隣にいたらすぐに警察に通報して終わりでしょうが、そこが映画というひとでしょう。女殺人鬼との異色のラブ・コメディでした。