●リュック・ベンソン監督映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

リュック・ベンソン 監督映画 ベスト10

 

ランク下位は酷評作が並んでしまいます。

 

1 フィフス・エレメント

リュック・ベンソンの描く、独特でカラフルな色彩感覚についついはまってしまいました。それまでのSF映画とは一線を画した感覚が新鮮で、しかもストーリー的にもコメディの要素が詰めこまれていて、観ている者を飽きさせません。ヒロインを演じたミラ・ジョヴォヴッチの機械的で無機質な雰囲気が作品にも見事にマッチ。観ているだけでもうきうきしてくるような作品でした。

フィフスエレメント

 

2 ANNA アナ

リュック・ベンソン監督作としては久しぶりに楽しめました。ファッションモデルの普通の若い女性かと思うと、実はKGBのスパイであることが分かり、その裏の顔に驚くと、次はCIAを手玉にとって、二重スパイの状態に。CIAとKGBと両方の間をうまく泳ぎながら、任務を遂行したり、互いの情報を流したり、そのなかで男の気を引き翻弄する姿は、とうてい男には叶わないと思わせるようなカッコよさでもあります。主演に抜擢されたサッシャ・ルスが見事にその頭脳明晰・容姿端麗・体力頑強な女スパイを演じきっていて、貫禄さえ感じさせました。最後に両陣営の監視する公園の中で、二人の男に相対するシーンはこの作品のハイライトでもあり、緊張感ある場面でした。ラストの抜け目のなさも、もうさすがというしかなく、主人公に拍手を送りたくなるような身のこなしに圧倒されました。

 

3 ヴァレリアン 千の惑星と救世主

リュック・ベンソンの久しぶりの本格SF映画は、どことなく頼りない感じの二人の若い宇宙連邦捜査官の活躍を描いたボリュームいっぱいの作品に。キラキラ輝く映像や、この世の楽園とも思われるほどの綺麗なビーチなど、映像的にも楽しく、『フィフス・エレメント』とはまち違う未来を、創造性豊かに描いていました。一方でいろいろな宇宙種族が暮らす中で、故郷の星を破壊されてしまった人々の悲しさと、それでも人を恨まない強さというものも描き、子供たちにも観てもらいたいようなそんな内容になっていました。

 

4 レオン

リュック・ベンソンの代表作で、彼自身のみでなく、出演したジャン・レノやナタリー・ポートマンの名前を広く知らしめるきっかけとなった作品です。一見冷徹実は情の深い殺し屋をジャン・レノが好演していて、とにかくにじみ出てくる雰囲気がカッコよかったですね。一方でゲイリー・オールドマンがくせのアル嫌味な捜査官を演じていて、二人のキャラクターがきっちりと立っていたことから、作品に芯が生まれたように思います。リュック・ベンソンの演出が冴えた一作でした。

レオン

 

5 マラヴィータ

ロバート・デ・ニーロ、ミシェル・ファイファー、トミー・リー・ジョーンズとベテランの大物キャストが揃った豪華な作品ですが、そこはリュック・ベンソン、まあこんなものでしょうという感じの出来のバイオレンス・コメディです。観終わったら何も残らないシンプルな展開ですが、それなりにスカッと楽しめました。その中にある強引、無茶、無理やり感、無謀…それもベンソンということで。

 

6 ニキータ

リメイク版『アサシン』を先に観ていたというのが大きくて、それによる既視感でいまひとつこの作品には入り込めませんでした。悪事を働いてきた女が、愛に目覚めて行く過程がテーマなのですが、それ自体はありきたりといってしまえばそれまでですしね。終身刑の女性を訓練して暗殺者に仕立てるという設定自体は、リュック・ベンソンらしい奇想天外なアイディアではありますけれどね。

 

7  LUCY ルーシー

リュック・ベンソンは相変わらずがっかりさせてくれるのが得意です。観たことのないようなすべてを動かしたり、すべてを知識にしてしまったりと言う超能力を身に着けた女性の行く末。あっけない幕切れに唖然。作り手の暴走ぶりと自己完結で観ている者は置いてきぼり。

 

8  The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛

この作品自体の意義は感じますし、アウンサンスーチーの軌跡をまとめて把握する機会もそんなにないことなので、テーマとして取り上げたことは評価できるでしょう。ただ編集があまり上手でなく、全体的にぶつぶつと切れている印象がどうしても拭えず、非常にストーリー展開の流れが悪いです。リュック・ベンソン監督、今までとは違うところを見せようと相当意気込んだのではないかと思われますが、基本的にこの人下手です。一つ一つのシーンは素敵なところが多いのですが、それを繋いだ時に、どうもしっくりこないのです。私にはその点が物足りなかったです。

 

9 アデル ファラオと復活の媚薬

今作も子供だましの域を出ず、ストーリーとしては希薄。スケール感も中途半端なので、観ていてあまりワクワクしてきません。結局秘薬を求める理由がかなり私的なことにありますし、その道中もさほどスリリングではないのですよね。そして最後の方は完全にコメディの世界に陥ってしまっていますので、いったいどんなスタンスで観たらいいのか、分からなくなってしまいました。もっとベクトルをきちんと定めた上で、笑いなら笑い、アクションならアクション、サスペンスならサスペンスと、重点を徹底して欲しかったです。エンドロール途中の挿入シーンもなんなのでしょうか。

アデルファラオの復活と媚薬

 

10 アンジェラ

劇的な展開があるではない。借金を返せず人生崖っぷちの男と天使のやりとりが続いていくだけ。その意味では退屈感は否定できません。天使は使命として、やがて訪れる素晴らしい未来のために男を励まし、そして自信をつけさせようと一生懸命。そんな中で二人の間に別の感情が芽生えていくという、ストーリーとしては単純なもの。したがって天使を演じるヒロインの役割は非常に大事になってくるわけですが、リュック・ベンソン監督の選んだ今回のヒロインのリー・ラスムッセン…うーん、正直なところあまり魅力を感じません。確かにカッコはいい。一撃で男たちを失神させるシーンではピタリとはまってくるのですが、愛嬌が不足しているのですよね。完全な悪役ならそれでいいでしょうが、ここでは天使。主人公のダメ男を助け導く役どころ。私個人だけかもしれませんが、観ていてひきつけられる部分がなく、男のダメぶりだけが浮き立つ感じでした。はっきりとは書きませんが、ラストもいまいち。結局この男がどうして救い対象であったのか、分かりませんでしたし。