●ルーニー・マーラ 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

ルーニー・マーラ 出演映画 ベスト10

 

1 サイド・エフェクト

ともすると独りよがりで単調になってしまいがちなソダーバーグ監督ですが、久しぶりに素直に楽しむことが出来ました。謎が謎を生み出す展開は最後まで目が離せませんでしたし、仕事熱心でしたことから窮地に陥った精神科医がその窮地からどう逆転していくかという復讐劇としても見応えがありました。精神的に追い詰められた悲劇の未亡人とみていたヒロインが、一転してその裏の顔が明らかになると、ルーニー・マーラの見え方も違ってくるから不思議なもので、彼女も病的で繊細、闇を持った女性のイメージがはまりつつありますね。最後はキレのある終局でオチをつけないといけないということもあり、気づきの場面、取引の場面等は当然見せることはできず、そのせいもあってさっと流れてしまった印象もないではないですが、それまでの緻密な心理推移描写も巧みで、こういう映画を撮れるのなら、まだまだ作品を出し続けて欲しいと思いました。

 

2 ドラゴン・タトゥーの女

スウェーデン版にも近い形で作られているので、そちらを観ていると新鮮味はないかもしれません。結末も当然同じですので。また作品の持つ雰囲気としても、どちらかというとスウェーデン版のほうがおどろおどろしかった印象が強いので、今作はわりとノーマルな感覚を受けました。ヒロイン(ルーニー・マーラ)のゴスファッションにも見慣れたせいかもしれません。ただそのせいかどうか分かりませんが、ミステリーとしてはすんなり頭に入ってきやすかったですね。この一話としても一応完結しているので、へんなもやもや感も、してやられた感も薄いです。わりと広く受け入られやすいものになったのではないでしょうか。

 

3 トラッシュ!この街が輝く日まで

暮らしは貧しく家族もいなくても、正義の心にのっとって正しいと信じたことを最後までやり通した少年たちの勇気を称えたくなるような作品です。世に流れてはまずいと執拗に追ってくる警察官にも耐え、怪我を負わされたり警察に確保されたりしても3人が力を合わせて戦っていく様子は拍手もの。実際にここまでのことができる少年がいるのかということはあるにせよ、過酷な生活にも負けない強い意志はあっぱれ。そして彼らを見守るルーニー・マーラやマーティン・シーンらの暖かい目線もまた素敵でした。

 

4 タナー・ホール 胸騒ぎの誘惑

女学校独特の秘密めいた空気感が作品全体を支配し、どこか甘美でそれでいて禁欲的なにおいのする青春映画となっています。厳しい規則の中では当然それを抜け出そうとするグループはいるもので、彼女たちもそんな一人。恋や性にも興味を持つ年頃、親や先生への反発もあり、このあたりは定番の要素となって、彼女たちの大人になるための成長のための必須科目として作品の中でも存在してくるわけです。2009年の作品が今になって表に出るということは、ルーニー・マーラやブリー・ラーソンの名前が大きくなったせいで、過去の作品が掘り起こされたということでしょうが、なかなかどうして、魅力的な作品でした。

 

5 ソーシャル・ネットワーク

いきなりどういう状況にあるのかを説明しないで、時間を行ったり来たりする中で少しずつ把握してくれればいいという構成は、一筋縄でいかないフィンチャーらしい構成ではありますが、キレは必ずしもよくないです。抽象的ですが、もやっーとしたものが常に漂っているようなところがあって、明確に時間を動かしていながらも、それがズバッと切り替わってこないようなところがどうもすっきりしませんでした。また人間の描き方が浅く、それぞれの関係性の変化は把握できるものの、内面に抱えている感情や思惑が、どの時間軸のシーンにおいても伝わってこず、その部分でドラマとしての面白味もやや薄く感じました。ただそうはいっても題材的には非常に興味深いものでありましたし、テクニック的にもフィンチャーらしさは随所に見られました。マーク・ザッカーバーグの恋人役でルーニー・マーラは出演。

 

6 ナイトメア・アリー

いかがわしい降霊術で成功を収め、そして身を滅ぼしていく男の浮き沈みを描いた心理サスペンスといったところでしょうか。全体的に不穏なムードが流れる中、周りの人々を巻き込みながら、嘘の降霊により金持ちから大金を巻き上げ、さらにそれを広げようとエスカレート。しかしその降霊がもとで、複数の人々の命が奪われていくことになり、結果すべてを失ってしまうブラッドリー・クーパー演じる主人公。とにかく出てくる人物がみんな怪しく感じられ、嘘がいつばれるのか、そのドキドキ感がこの作品の肝でした。そんな怪しい人物の中でも、ケイト・ブランシェット演じる心理学者の存在は異様で、この人物を貫禄をもって演じたケイト・ブランシェットはさすがですね。作品全体としては、独特なゴシック調のムードに支配されて、その雰囲気というものは十分に味わうことはできましたが、ストーリー的には時間の長さの割にやや緩慢で、面白いかと問われれば、ちょっと微妙だったかもしれません。公私で主人公のパートナーとなる女性がルーニー・マーラ。

 

7 キャロル

さすがの貫禄のケイト・ブランシェットと大人しく見えながらも秘めた思いを強く感じるルーニー・マーラ、二人の女性同士の恋愛を美しい映像で映し出しています。1950年代のニューヨークという背景、お互いに夫や恋人がいながらも禁断の恋に動かされる背徳感もあいまって、とても雰囲気のある作品になっています。単なる恋愛映画ということで見れば、実は大きな出来事が起こるわけではありません。運命に引き付けられるように出会った二人が逢瀬を重ねた上に別れ、そして再会する。その点ではけっして面白さのある作品ではありません。恋愛に浮かれたような気持ちもありませんし、観ていてワクワク感もありません。そこにはどうしても前述の背徳感が付きまとってくるのです。そういう意味ではとにかく雰囲気を味わうための映画といってもいいかもしれません。

 

8 ローズの秘密の頁

ルーニー・マーラ主演。子どもを殺したとでっち上げの罪で40年も施設に収容されていた女性の苦悩を想像するだけで、よくもそれだけ長い間耐えられたものだと思います。実際に殺したのか、そうでないのか、そのあたりを担当医が解いていく形で、ストーリーは進んでいきますが、その背景にあったのは自由がまだ認められない時代と土地柄。愛する男と子供を同時に無くし、どんな思いで施設で過ごしてきたのでしょうか。美しさがゆえに、男たちを無意識に引き付け、そして嫉妬を呼び起こしてしまう悲劇。そんな中で訪れたラストの奇跡。運命に導かれたような偶然は映画ならではといってしまえばそれまでですが、母子の見えない絆を強く感じさせられる結末でもありました。

 

9  LION ライオン 25年目のただいま

グーグルマップを使って、おぼろげな幼い日の記憶とマッチする場所を探しだしたという、現代でなければ再会できなかったであろう親子の実話というところに重みがあります。育ての親と産みの親が面会する、ラストに流れた実際の映像が、何より説得力があります。ただ探しあてる過程がパソコンで完結してしまっているので、そこで作品を盛り上げようとするのはなかなかできません。そこで恋人や育ての両親との関係を中盤のドラマのメインにもってきていますが、そのあたりがうだうだしている感じがちょっと残念。もしかすると映画にはあまり向いていない材料だったかもしれません。主人公の恋人をルーニー・マーラが演じています。

 

10  PAN ネバーランド、夢のはじまり

今の技術ならではの夢のある映像は充分に楽しめます。黒ひげの支配する世界、空飛ぶ帆船、空を滑るケーブルカー、幻想的な妖精の世界。内容的には家族で楽しめるようなもので、このあたりはピーターパンの世界。ルーニー・マーラもアクションシーンが多い中そうとうな頑張りを見せていたのにも目を見張りました。