●占部房子 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

占部房子 出演映画

 

1 偶然と想像

3本の40分程度の物語は、それぞれシュールでクスッと笑えるエピソードになっていました。親友が出会った男性が偶然自分の元カレだった女性、大学教授に送ったはずのメールアドレスを間違えた偶然から離婚に追いやられてしまった欲求不満の主婦、最後にまた偶然の再会が待っていました。そして互いに人違いをしたことから偶然に出会った女性二人(一人が占部房子)。ちょっとした偶然が招くありそうでないそうな出来事を、ユーモアとペーソスで描いていて面白かったです。まさに職人の脚本といった感じですね。

 

2 信さん・炭坑町のセレナーデ

まだまだ人の繋がりが濃密な時代の、出会いの素晴らしさと別れの寂しさを強く感じる作品です。小さい炭鉱村ということで、ちょっとしたことがすぐに噂になってしまう窮屈さの一方で、誰かが誰かを助け決してひとりぼっちになることのない温かさ、今の時代になくなってしまったものを思い出させてくれました。そして石炭掘りという一時代を支えた産業が時代の波の中で消えていくのと同時に、それを支えた人々のコミュニティが消えていく寂しさ。一つの時代の終焉というだけでなく、日本人が大事にしてきた良いものがひとつ消えていくような、しんみりとした気持ちに最後はさせられました。炭鉱を舞台にした映画にははずれがないということで、これも傑作とはいえないまでも意義のある作品になっていたのではないでしょうか。占部房子は先生役。

 

3 しゃべれども しゃべれども

落語という題材にふさわしく、笑いあり涙ありの人情味あふれる作品に仕上がっています。全体としてはとても観やすいですし、落語に興味がない者でも充分に楽しめる親切な作り方がされています。ただ、せっかく色んな悩みを持った人間が集まってきているのに、その悩みの部分の描き方が浅くなっているのは残念です。時間的制限もあり、また落語の部分を重点的に描こうとすると、それ以外の部分が削られてしまうのは仕方ないかもしれませんが、それぞれが会話に対する悩みを感じているその内面が、あまり伝わってこなかったのは惜しいところ。興味のない落語にどうして取り組んでみようと思ったのか、そのあたりの説得力がもう少しうまく出せているとなお良かったとは思います。

 

4 犯人に告ぐ

原作との比較感を抜きにして、映画だけとしてみたとき、目立つのはやはり豊川悦司でしょうか。およそ刑事らしくない刑事ということでは、彼は適役であったと思います。さらには石橋凌、笹野高史といった芸達者を脇に据え、硬派なミステリー・サスペンス劇として、ぐいぐいと観る者を引っ張って行ってくれる力強さがありました。犯人が意外とあっさり見つかったとか、犯人のミスがなければ逮捕にこぎつけられただろうかとか、そういった感想もあるでしょうが、それは原作によるものなので、やむを得ないことでしょう。しかし、やはり時間が限られる成果、捜査手段をめぐるさまざまな駆け引きのドラマが、どうしても浅くなってしまったのは惜しまれます。占部房子は誘拐された少年の母親役。

 

5 金髪の草原

80歳の老人が20歳頃の自分なって、ヘルパーとしてやってきた若い女性に恋をする、しかもそれを夢だと思い現実を理解できない、こう書くとなんともややこしい状況に思えてしまいますが、実際はさほどではないです。作品全体を流れる不思議な空気感に入り込むことが出来るか、違和感を持ってしまうか、観ている側の心理状態にもよってくるかもしれませんが、どうしても作り物っぽさは否めません。一種の御伽噺といってしまうことも出来そうで、その意味では観る人もこの夢の世界に漂って見てくださいというスタンスなのでしょう。個人的には、変わったキャラクターがたくさん登場する独特の世界観になかなかついていけず、一歩も二歩もひいたところからしか観ることはできませんでした。池脇演じる主人公の気持ちがどうにも理解できず、妄想(?)を繰り返す若者の姿をした老人に嫌悪感さえ抱いてしまったのです。演技のレベルにもやや差がある感じで、面白い素材ではありましたが、消化しきれていない感じは残りました。

 

6 希望の国

園監督、リアルな社会問題を正面から扱うのって慣れていないのでしょうか。この時期にこのテーマで映画を製作したという意義は充分に高いものだと思いますし、監督の意欲も評価はできますが、如何せん作品自体にいつものキレもパワーもありません。淡々と進行していくスクリーンから、観ているだけで伝わってくるものがあまりないのです。原発政策について取り上げて映画にする、といえばある程度伝えようということは想像できますし、スタンスは人それぞれであるにしても、論点になるところは限られてくるはず。また連日のように何かのメディアで報じられている問題であることから、一般の人々の問題意識も特に高いテーマである中、敢えて園監督が取り組んだという、園子温ならではの主張とか視点とかが見えてこないのです。これなら別に園子温でなくてもいいという内容で、その点で私には物足りなかったです。

 

7 バッシング

題材はあの有名なイラク日本人監禁事件で人質の一人になった女性へのバッシング

です。物語はすでに日本に帰ってバッシングに苦しまされているところから始まります。この題材からすると、マスコミのあり方、或いは一人の人を集団でバッシングする日本人への批判、そんなことを強烈に訴えようとしているのではないかと想像していましたが、ドラマはやや意外な方向へ進んでいきます。主演の占部房子、かなり個性的なルックスで、いかもノーメイクで生活感がにじみ出てくるような雰囲気を持っています。いかにもボランティアに身を投じていそうな感じで。バッシングの対象としては申し分ないような、リアリティを持っていました。

 

8 素敵な夜、ボクにください

どうしても「シムソンズ」の二番煎じ的な印象は免れませんし、展開そのものもオリジナリティがなく、使い古されてきた展開ではありますが、その王道の展開を良しとすれば、まあまあ安心して観られるコメディだともいえるでしょう。あまりにもありきたりな展開は陳腐さを感じますが、可愛らしくできていたとは思います。ただ「シムソンズ」とでは、やはり出だしが軽いし、背負っているものも軽いです。占部房子はメンバーの一人として出演。

素敵な夜ボクにください

 

9 珈琲時光

一青窈が主演の人間ドラマです。ロングショットを多用した独特の編集で、ゆったりとした中で淡々と日常が過ぎていく様子を描いていて、その時間の進み方が心に染み入ります。

 

10 おのぼり物語

コミックからの映画化作品で主人公も漫画家。ミュージカルで有名な井上芳雄が主演と、異色のキャスト。