●タイトルが“~の人(人々)”の映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

タイトルが“~の人(人々)”の映画 ベスト10

 

1 普通の人々

かなり辛らつな語り口。一家平安が訪れてめでたしめでたしというのが一般的なホームドラマの結末なのですが、一人家族の中に悪者を作ることで、その形を崩しているのが衝撃的。家族は必ずしも全員揃っているのが幸せというのではないのかもしれないという問題提起なのか、本来一番のまとめやくであるはずの母親が実は家族を混乱に陥れていた構図が強く心に残りました。24年前の作品でありながら、現在にも通じる部分も多分に含んでおり、当時としては余計に強い印象を与えたと想像できます。

普通の人々

 

2 淪落の人

事故で下半身不随になった中年男と、フィリピンから働きにやってきた家政婦の友情物語といったところです。一見気難しそうな男ですが、根はやさしく、自ら英語を覚えたりと、言葉が通じないと知ると彼女側に寄り添う姿勢を見せます。一方家政婦の彼女も解雇されたくないと必死の中、広東語を覚えたいと言ったり、彼女側からも歩み寄りを見せるなど、互いのそういう気持ちに、馬が合ったというところもあるのでしょう。やがて彼女の夢を知ると、家政婦をやめられてしまっては困るにも関わらず、遠慮してとどまろうとする彼女の背中を押し、羽ばたかせてあげるという心憎いことをするのです。年齢も性別も生まれた国も境遇もまったく違う二人がこうしてお互いを思いやる姿がとても素敵でした。

 

3 道-白磁の人

浅川巧という人物のどの部分を一番描きたかったのか、焦点の見せ方が下手です。話の構成からすると、占領地である朝鮮の人々に対する思いやりや、そこの文化を理解しようとする姿勢にみられる彼の人徳を伝えることに重きをおいているのだろうことはなんとなく分かります。主人公が有名だろうと無名だろうと、とにかく関わらず純粋な人間同士のドラマとして描いてくれれば、ストレートに受け取ることはできたでしょう。しかしながら、前宣伝から受けたイメージも含めると、どうも彼の残した功績がいかなものだったかということがクローズアップされているようで、そうするとこの映画の中で描かれているかなり私的なドラマとはどうしてもリンクしづらいのです。彼が今の日本に大きな功績を残したのであっても、この映画では伝わらないし、そうでないのであれば、この映画の打ち出し方はちょっとずれているように思います。特にサブタイトルとしてある「白磁の人」には紛らわされます。作品を観るとその意味するところは分かるのですが、なんか分かりにくいですね。長い年月を描いているので、どの年齢に合わせてキャスティングするかも難しかったと思いますが、石垣佑磨の「兄」は一度も「兄」には見えなかったですね。

道白磁の人

 

4 天井桟敷の人々

1944年制作のいかにもフランスらしい群像ドラマです。第1部と第2部に分けて、劇場に携わる人々の人生ドラマを賑やかに描いています。物語の舞台は1800年代ということで、古き良き時代のパリの雰囲気を味わえて、おしゃれな気分になれました。

 

5 バックマン家の人々

賑やかなハートフルでかつシニカルなホーム「ズ」コメディです。出産を機にどの家族も、バラバラになれかけていたものがまたひとつにまとまるということで、子はかすがいということなのでしょう。マーティンの奮闘振りが印象的。

バックマン家の人々

 

6 奇跡の人

伝記というよりも、ヘレンがサリバン先生に心を開くまでの過程を描く人間ドラマです。とにかく少女時代の演技が怖いくらいにリアルで衝撃さえ受けます。息を詰まらせながら観るような緊張感のある作品ですが、モノクロの映像も相まって必要以上の怖さを感じ、やや目を背けたくなるような感想さえ持ちました。

奇跡の人

 

7 高台家の人々

馬鹿らしい妄想の数々と、自信なさげな主人公のキャラクターで快調な前半でしたが、テレパスネタが一通り出てしまった後は失速。主人公の気持ちも後ろ向きになってしまったり、結婚に反対する不機嫌な母親、さらには妹の失恋など負の要素が多くなったこともあって、観る側のウキウキした気持ちもいつのまにか萎んでしまったのは残念。そろそろ綾瀬はるかもこの手の役どころは年齢的にきつくなっている気がします。彼女ならではのキャラクターに合ってはいるのですが、いつまでも初心で少女の心を持った女の子ということにもいかないでしょう。さらに斉藤工も配役としては理解できるのですが、自分の特殊能力を隠し続ける御曹司ということで、演じるということではあまり面白味のない役。どうも魅力を出し切れていないようでした。

 

8 火宅の人

壇一雄の自伝的作品の映画化ということで、まあ好き勝手生きた男の奔放な人生といったところでしょうか。絡む華やかな女優陣との掛け合い、濡れ場が売りでしょう。昔はこれでとおったわけだから、男としては生きやすかったのかそうではなかったのか。

 

9 恍惚の人

今で言う認知症をテーマにした重い作品です。とにかく演技がリアルなうえに救いがない展開で、現代とはまた時代背景が違い、社会の受け止め方も違う中で、いろいろと考えさせられる作品でした。

恍惚の人

 

10 木村家の人びと

うーむ、いまひとつ乗り切れないです。お金へのこだわりも、息子との諍いもどこかわざとらしい感じで鼻につく感じで。