●クリストファー・ノーラン 監督映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

クリストファー・ノーラン 監督映画 ベスト10

 

1 インターステラー

ボリューム感、スケール感にSF映画らしい壮大な映像、そしてドラマと見所も多く、非常に見応えのある作品でした。人類滅亡を救うべく立ち上がる…というよくある展開ながらも、かなり凝った構造で見せることで、既存の作品のそれとはまた一味違ったオリジナリティが感じられ、多少あざとさが気になることはあったにせよ、大作に相応しい充実感を得ることができました。

インターステラー

 

2 ダークナイト

上映時間の長さは気になりましたが、全体としては大人向けのバットマン映画として、なかなかよくできていたと思います。ラストシーンが終わって、タイトルが出た瞬間、なるほどと妙に納得してしまいました。闇の騎士、或いは汚れた騎士。タイトルから「バットマン」をはずしたこのタイトル、なかなか上手いところをついてきましたね。さらに「闇」を抱えているのは、何もバットマンや登場人物ばかりでなく、演じている俳優の方も「闇」を抱えているから面白い。いやいや、「闇」が明るみになったのは映画の撮影が終わってからということなので、それは偶然に過ぎないのでしょうけれど、それぞれバットマンとジョーカーの抱えるものと重なってきて、思わぬ効果を引き起こしていたように思いました。

ダークナイト

 

3 プレステージ

なかなか良くできたトリック映画です。考えてみれば、マジックを扱った映画そのものが珍しく、特に名作といわれるものはほとんどありません。したがって、マジックをこれだけ前面に押し出してきた作品というだけで目新しさを感じます。マジックを映画で見せるというと、どうしても大掛かりなトリックの仕掛けを嫌でも観る側は期待してしまいますので、それだけハードルも高くなってしまうのですが、この作品はそのあたりのトリックに、ライバル同士の駆け引きを盛り込んで、充分期待に応えられるものに仕上げてきました。あとになってなるほどと思わせる伏線があちらこちらに張られ、見せ方が巧妙です。また、時に命がけで新しい仕掛けのマジックに挑み続ける魔術師の性のようなものが緊張感を持って伝わってきて、その駆け引きによるサスペンスも満載。特にクリスチャン・ベールが見せるあるマジックのトリックについては、最後の最後までその種を明かさず引っ張り続け、その謎ゆえに生まれる嫉妬や愛憎などさまざまな人間ドラマもうごめき、その部分でも見応えはありました。

プレステージ

 

4 インソムニア

意外性はないオーソドックスな結末ではあっても、組みたてはしっかりしているので、最後まできちんと観ることが出来きました。不眠症を百夜と良心の呵責と二つの要素を掛け合わせ、主人公の思考を常に狂わせていく道具に使い、それをアル・パチーノがお得意の目をぱちくりさせて演じています。途中から登場するロビン・ウィリアムズはもちろんそれまでの善人のイメージとは正反対の役柄ではあるのですが、この作品に関してはその意外性というものはそれほど必要ではなく、その点ではキャスティングとしては一考の余地があったように思うところはありました。よくある都会から来た刑事と田舎の警察の意地のぶつかりあいというのは意外になく、その点をうまく盛り込んで行ったら、より主人公の葛藤が引き立ちました。

インソムニア

 

5 インセプション

昔から映画が作り続けられ、なかなか新しいアイディアをひねり出すというのも難しいもの。しかしこの作品で、そのあたりに果敢に挑戦する意気というものを十分に感じることができた力作ですね。ただかなり理屈っぽくなってしまったので、スピード感を持って展開していく中では、なかなかついていくのが大変です。置いてきぼりを食らわないようについていくのに必死でした。ただそれでもぐいぐいと引き込んでくる力はさすがのもので、終盤に行くに従って観ている側の集中度もどんどんと高められていきました。作品的には万人が賞賛するようなタイプのものではなく、ちょっと微妙。おそらく好きな人はものすごく好きなタイプの映画だとは思うのですが、私にとっては手放しで「面白かった」「良かった」といえるところまでには至らなかったです。

インセプション

 

6  TENET テネット

逆行する時間にいる者と、正しく時間が進んでいる中にいる者が同時に存在するとこんなふうになるのかというアイディアは面白かったです。ただいろいろと状況が複雑で、スピード感のある展開の中で、ついていくのにも難しく、正しく理解するには、もう一度見直さないと駄目でしょうね。もしかするとそれが作り手の作戦なのかもしれませんが、冷静に理解できるようになると、また矛盾点などが見つかるのかもしれません。難しかったです。

 

7 メメント

 正直1回観ただけでは理解しくれないところが多々ありました。ただ記憶障害と時間に逆行するストーリー展開を上手に利用して、観ているものを気持ち良く騙してくれるのは、さすが話題になっただけのことはありますね。頭を整理してもう一回観てみたいものです。…ということで2回目も観たのですが、やはり難しい…

メメント

 

8 ダンケルク

戦争映画というと映像的にはどうしても似た感じで単調なものになってしまうところで、すぐに飽きてしまいました。3つの場面の時間の長さがそれぞれ違っていて、それを無理に構成しているので、時間軸の感覚も掴みにくく、しっくりきませんでした。

 

9 バットマン ビギンズ

まあまあだいたいこんなものかという感じ。ややダークな感じのヒーロー映画で、影を秘めたヒーローをクリスチャン・ベールが演じているが、資産家の息子、殺された父親、井戸への転落、刑務所時代と重いバックグラウンドがドラマ性を盛り立ててはいます。ただしアクションに関しては取り立てて目を見張るものはなく、凄さは感じず、全体としても人間性を前面に押し出したストーリーと演出になっています。キャストも豪華で、そこのあたりはお金がかかっていると感じますし、こうもりのCGもそれなりに不気味さがあるのですが、ヒーロー映画に不可欠なワクワク感は乏しかったです。

バットマンビギンズ

 

10 ダークナイト ライジング 

長くてだれてしまい、正直なところ面白いとは全く思えなかったです。評価の高さに驚いています。