娼婦映画 外国映画編 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

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まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

娼婦映画 外国映画編 ベスト10

 

1 オール・アバウト・マイ・マザー

登場するキャラクターはいずれも実に濃いです。そしてその中で起こっている事件もまた濃いのです。その濃密な人間関係の中での濃密な出来事を越えていく母親の愛情と強さを描いたのがこの作品。エネルギーがびしびしと伝わってくる力強い映画です。明るいことばかりでなくても、前向きに生きていこうという姿に、感動を覚えました。

オールアバウトマイマザー

 

2 誘惑のアフロディーテ

ウディ・アレンらしく複数の男女が複雑に絡み合っての会話劇が繰り広げられますが、最後にはみんな収まるところに収まってめでたしめでたしという、ハッピーエンドで終わるというのが今作の特徴です。しかしながら、二組の夫婦の子供に関する事実に関しては、なんとも皮肉な結果が最後に明かされ、そのあたりのニヤリとさせられるところなんかは、やっぱりアレンらしいなと思わされます。相変わらず情けなくて頼りない小男を演じるウディ・アレンですが、オスカーを獲得したミラ・ソルヴィーノ演じる娼婦兼ポルノ女優との凸凹具合もまた「絵」的に面白いところでした。

 

3 娼婦ベロニカ

娼婦になるきっかけから宗教裁判までの行き方を、まじめな愛をテーマに描いている作品です。いかにも出来すぎていてうそっぽく感じないでもないですが、なんと実話ということで、思ったよりひきこまれました。

娼婦ベロニカ

 

4 フロム・ヘル

作品を包むような敗退的な雰囲気がなんともいいですね。特にジョニー・デップにははまります。配役から、犯人は誰か、生き残るのは誰かなどの展開は読めるものの、それでもミステリーものとして興味を最後まで失わせないで観させてくれるところはよくできていました。ちょっと複雑で展開を整理しないとついていけなくなる部分もあるのですが、全体としては合格点でしょう。娼婦役のヘザー・グラハムがまたエロ可愛くていいです。

フロムヘル

 

5 ビアンカ

ジャン・ポール・ベルモンドの純愛ぶりもなかなかデスが、中でも娼婦役のクラウディア・カルディナーレの美しさが際立ちます。気が強く素直でない娼婦と貧しい青年との噛み合わない悲恋が、財産相続でもめる親族という暗い背景の上に重なって、より悲しく過酷な印象を強くしていました。

 

 

6 鵞鳥湖の夜

登場人物の素性がなかなか分からず、その背景を少しずつ明かしながら、謎めいた人間関係をあかしていくというような流れのミステリー調の犯罪ドラマです。作品の雰囲気としては『薄氷の殺人』と似たところがあり、この監督の作風がこうなのでしょうか。水浴嬢という特異な仕事につくヒロインは、仕事の内容のわりに中性的な雰囲気で、それだけで謎めいた印象を与えるのですが、殺人犯と同行し、危険な目にも合い、いったい犯人の味方なのか敵なのか、最後まで謎めいた感じを拭うことがありませんでした。そして極めつけのラストシーン。完全にこのヒロインに観ている方も翻弄された感じでした。

 

7 華麗なる週末

全体的なのどかな雰囲気が漂う古き良き時代背景のもと、少年のある夏の経験を通して回想する成長物語として、良い映画に仕上がっています。ドラマティックな盛り上げ方は特にしていなくても、少年と周りの人々との交流、家族との愛を通して、暖かさが充分伝わってきました。少年は両親も祖父も、遊びに連れまわすブーンも黒人のネッドも、そしてコーリーも皆好きで仕方ないというのが溢れ出ています。そしてそんな彼を大人達もそれぞれの形で迎え入れ、そして成長のために力を貸しているのです。ヒロインも売春婦としてはあまりに純潔な雰囲気して、やや実感を欠きますが、そのため客をとるシーンは一切いれていません。好感の持てる人物として描く演出のなせる技ですね。

華麗なる週末

 

8 リービング・ラスベガス

退廃的なムードの中、全編ほとんど主人公の男女二人だけでストーリーが展開して行きます。ニコラス・ケイジがオスカー獲得の熱演を見せていますが、ちょっとくどい印象もないではないですが、それこそがニコラス・ケイジですから仕方ないですね。娼婦を演じたエリザベス・シューとの救われない結末が悲しい。

 

9 スワンの恋

社交界の恋愛といえば上品で美しいイメージを持ちますが、この主人公ははっきりいって恋ボケです。終始好きになった高級娼婦のことで頭がいっぱい。自由な彼女に翻弄されている姿がどこが憐れみさえ感じてしまうのですが、それでもその執念は大したものです。最後は見事に収まるところに収めてしまうのですから。そんな可笑しみを感じさせる主人公が不思議とはまってしまうジェレミー・アイアンズ、やはり演技力のなせる業なのでしょうか。

 

10 ガルヴェストン

やるせなさが充満しているような映画です。人生に希望を失った同士が偶然出会ったことからの逃避行。二人は何をお互いに求めるのでもなく、なんとなく寄り添って、傷ついたもの同士、その傷を埋めるためだけに一緒にいるような関係性は、破滅的でもあり、刹那的でもあり、結局は幸せな結末は待っていないかのように思えたのですが、いきなり時間が20年飛んでのラストシーンに、少しだけ救われたような気持ちになりました。