人違い映画 ベスト10
1 チェンジリング
子供が誘拐され嘆き悲しむ母親のもとに帰ってきた少年は全くの別人。人違いで全くの別人の少年を、自分の本当の息子だと警察にいわれる理不尽さ。さすがイーストウッド、きちんとした良作を作ってきます、実話だけに説得力がありますし、腐敗しきった警察の体制を露にし、時代は変えても、もしかして今の時代にも通じているものがあるのかもしれません。実際にこのようなことが当時行われていたとすると、それは実に恐ろしいことです。アンジェリーナ・ジョリーがやせこけて疲弊したヒロインを熱演。面白かったです。
2 好きと言えなくて
ラジオ・パーソナリティの優しい応対とその声に魅せられた男は彼女をデータとに誘いますが、彼女の隣人の美人モデルと人違いをしたまま恋が進んでいくというラブ・コメディです。ヒロインの気持ちを推し量るととっても切なくもなりましたが、最後はハッピーエンド。拾い物のキュートな作品でした。
3 靴をなくした天使
テレビ局を通じて探し出した命の恩人が実は別人で人違い。風刺と皮肉がきいていながら、ハ－トにも訴え掛けてくるよく出来たストーリーになっていました。なんといっても冴えないこそ泥を演じるダスティン・ホフマンがさすがの演技。観ている側は真実を知っているだけに、彼と偽もの以外の全員が真実を知らずに騙されている様子にはやきもきさせられますが、その当あたりの脚本が巧みでした。
4 北北西に進路を取れ
人違いによる巻き込まれサスペンスの代表的な作品と言えばこれ。間違えからどんどん深みに追いこまれて行く男の、ロマンスあり、ユーモアあり、アクションありのヒッチコック本領発揮のエンタテイメントスリラー。なんといってもエヴァ･マリー･セイントのゴージャスぶりは目を見張るものがありますね。
5 マジェスティック
記憶喪失になりたどり着いた見知らぬ町で、いわれるがままに別人に成りすました男。作品には善意を感じますし、流れも悪くない。ジム･キャリーもいつものあくの強さが抜け、比較的自然に演技をしています。特別に観る側を揺さぶるような強い力は持ち合わせてはいないものの、ところどころ良かったなと思わせるような展開が用意されてました。やはり最後のローソンの駅に戻ってきて歓迎を受けるシーンは、やや大袈裟で現実離れした表現ではありますが、後味のよい終わり方です。
6 マドンナのスーザンを探して
マドンナ演じるスーザンを探す中で、見張りを頼まれながらも服装しか知らない男が人違いをしてしまうドタバタぶり。ちょっとした行き違いから大騒動に発展するという、騒がしいコメディでした。複雑なストーリーが肝の映画、まだ若くてビッチ度100％のマドンナの個性も充分に発揮されていました。
7 アドリブ・ナイト
人間違いされた若い女性が身代わりとなって、父親の臨終に立ち会うという、それだけの話です。そして午後から翌朝にかけてのごく短い時間の出来事です。主人公の女性がいったい何者なのか、ほとんど明かされないままドラマは進行していき、見知らぬ家族の中に居場所なさげに過ごすのを追うだけの映画ですので、ちょっと風変わりな印象は受けます。ただ、その時間の中で、彼女が何か自分を変えるきっかけのようなものを掴んでいく様子は、じわじわと心に染み入るようでもあり、独特な余韻を残してくれました。最後の方で、彼女が何者であるか、部分的には明かされることとなり、見知らぬところに彼女が「のこのこと」やってきた気持ちの内側もそこで理解できるのであります。ただそれでも彼女の日ごろの暮らしや人間関係というものがはっきり見えるわけでもなく、そういう意味では謎を残したままでのエンド。人間の営みが生々しく伝わるようでもあり、一瞬の夢の時間のようでもある、なんか不思議な映画でした。
8 ミステリー・ナイト
一目ぼれした近所の美しい娘とデートできたものの、相手の娘は自分と兄とを間違えているらしいことが分かり…という展開のサスペンス・コメディです。兄貴にデートを仕組まれ、人間違いから警察や中国マフィアやら逆恨みの花屋までに追い掛けられる初デ－トのカップルの騒動といったところですね。
9 愛・アマチュア
記憶をなくした男と彼を取り巻く人々の愛憎をからめながらの、サスペンスタッチのドラマはなかなか興味をそそられる展開。最後に人違いでコロされる皮肉な結末も意外性があり可。
10 マキシマム・リスク
顔のそっくりな死んだ弟と間違えられて追われている前半はサスペンス感もあってワクワクしましたが、後半はただのおっかけっこになってしまって興味も激減。
