●吉高由里子 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

吉高由里子 出演映画 ベスト10

 

1 きみの友だち

原作は重松清ということで、人間の交わりの中での優しさがにじみ出てくるような素敵なお話でして、それを瑞々しい映像で見事に表現し、最初から最後までスクリーンに惹きつけられてしまいました。女の子同士、男の子同士の話が中心なのに、キュンとなったりもしてしまいました。核となるのは、交通事故で足を悪くした、性格のはっきりした感じの女の子(主人公)と、腎臓に病気を抱えたおっとり系の女の子の、10歳から15歳までの友情の物語。そこに、親友に彼氏ができて寂しい思いをしている主人公のクラスメートの女子との交流、さらに主人公の弟と幼馴染のクラスメートとの関係、或いは同じく主人公の弟とサッカー部の先輩とのある事件、そして20歳になった現在の主人公のエピソードを、時間軸をずらしながら挿入していきます。思春期特有の人間関係を感覚的にも本作はうまく伝えてくれていたと思います。キャストの中では当時一番知名度のあった吉高由里子は、出番はさほど多くはないものの、さすがの演技と存在感。

きみの友だち

 

2 横道世之介

懐かしくて、微笑ましくて、そしてせつない、まさに「CHA-CHA-CHA」や「MONOTONE BOY」がヒットしていた時代に、地方から上京して大学生活を送っていた身にとっては、たまらない青春映画です。2階建ての木造アパート、シャツインのファッション、連絡は固定電話、ねるとん、車…まるでタイムスリップをしたように、心はあの頃に連れて行かれました。バブル景気で世の中全体が浮かれている時代、そんな雰囲気もあちらこちらに出ていましたね。そんな背景の中での二人(ヒロインが吉高由里子)の恋愛模様も、進んだり止まったりで、どこかもどかしい感じが微笑ましかったです。そんな青春時代に差し込むように、10数年後に思い出として世之助が語られ、そして消息が明らかになる構成も、懐かしさを誘いました。短期留学に立つ祥子に「帰国後真っ先に見せる」と約束した写真が、10数年経って初めて祥子の目に触れた事実。そのことを思うと、映画のラストシーンのあと世之助と祥子に何が起きたのか、想像すればするほどさらにせつなくなるのです。

横道世之助

 

3 検察側の罪人

確かにラストにはもやもや感は残るものの、作品全体としては見ごたえがあり、ぐいぐいと最初から最後まで引き付けられっぱなしでした。理想や正義も長く同じ組織にいるうちに、自分の中で形を変えてしまうということが、警察・検察の犯罪に繋がっているということを、若手や潜入記者の目を通して、いったい何が正義なのか、改めて問うています。法の下において犯罪を罰すという正義が、いつの間にか別の事件で罰しきれなかった犯人への無念さを晴らすための手段にすり替えられていくことに、長く組織に属してきた本人にはもう気づかなくなっている怖さ。木村拓哉と二宮和也との会話のやりとりには緊張感があり、その正義とは何かという応酬も、作品を大いに盛り立てていました。松倉を演じた酒向芳がまた本当に気味悪い容貌・言動で存在感が抜群。面白かったです。ただ最後だけは、やはり犯した罪の償いも何も明確にならずじまいということで、敢えての後味の悪さがなんともいえなかったです。吉高由里子はヒロイン役で出演。

 

4 ロボジー

楽しかったし、面白かったし、久しぶりに満足できるコメディでした。矢口作品としてはここ数作物足りなさを感じていたのですが、久しぶりに「やっぱりうまいなぁ」と思わせるものになっています。物語はきちんと計算づくに組み立てられ、多少編集の妙で誤魔化しているところもありましたが、その先がどうなっているのか、ばれるのかばれないのか、観ている側でも結末までの組み立てをいろいろ想像しながらの鑑賞を楽しめました。こういう方向にいて欲しくないな、と思う方向にはいかず、かといって全く予想通りの展開というわけでもなく、そのあたりの加減が私としては好きでした。また主要なキャラクターも絞り、余計なエピソードなどサイドストーリーも極力避け、軸となるストーリーに集中して構成したことで、集中力を切らすことなく観られる脚本にもなっていたと思います。笑いました。吉高由里子はロボットオタクの女子学生役。

ロボジー

 

5 婚前特急

予定調和の結末とはいえ、なかなか楽しいラブ・コメディになっていたと思います。意外にこの手の匂いのラブコって邦画には少なくて、そういった意味でも素直に楽しめました。ラブコメの成功の可否はなんといっても主役の男女に因るところが大きいのは今更いうまでもないのですが、この作品についてはやはり吉高由里子。彼女あってのこの映画ということで、その魅力を大きく引き出すことができたのではないでしょうか。ま、でも田無(浜野謙太)くん、ちょっとモテ過ぎかな。

婚前特急

 

6 僕の彼女はサイボーグ

この映画は綾瀬はるかにつきるでしょう。今回の「作られた美女」みたいな役はピッタリとはまりますね。感情の表れない表情、機械のような動き、そして抜群のスタイルを包む宇宙服のような未来、とにかくスクリーンいっぱいに映し出される彼女を観ているだけでも満たされてしまうぐらい。それこそ「お人形さん」のようでした。話自体は、未来と今を行き来するサイボーグとの恋を描く「ありえない」ラブ・コメディなのですが、彼女がそれを演じることで、不思議と「ありえる」ように思えてしまうのです。。突っ込めばいろいろと出てきそうではありますが、もともとが奇想天外な設定だけに、細かいところを気にせずに、時代を超えたスケール感のある愛を感じられる、ロマンティックな作品でした。22世紀のシーンでの学生役で吉高由里子が登場。

 

7 重力ピエロ

手際よく、そつなくまとめたという印象で、最初から最後まできちんと惹きつけてくれました。正義について、家族について、少年犯罪について、そんな複数のテーマを上手に入れ込んだ脚本は練られた物になっていましたし、回想部分を巧みに散りばめた構成もきちんと整理されていました。俳優陣の演技も皆良かったですし、それを引き出した演出も冴えていたと思います。ちょっと綺麗にまとめ過ぎた分、さらりと流れてしまった感はあるのですが、その中でもいろんなことを考えさせる時間はありましたので、役割もしっかり果たしたといっていいでしょう。それにしても吉高さん、作品によって見事に見た目の印象を変えてきますね。ただししゃべり始めるとバレバレなのですが。

 

8 真夏の方程式

一言でいうと「手堅い」といったところでしょう。派手なアクションがあるわけでもなく、狂気的な連続殺人があるわけでもなく、奇想天外なトリックを駆使するわけでもなく、科学的に組立を使いながらの癖のない正統派のミステリーに仕上がっていたと思います。キャラクターに頼り過ぎず、ドラマ性もきちんと折り込まれていますので、ドラマを観ていなくてもそれなりに楽しむことができるでしょう。とっかかりの環境破壊問題の動向についても、もう少し突っ込んだ後追いの描写があれば、さらに深みのある作品にはなったかもしれませんが、2時間強の中では合格点でしょう。刑事役で吉高由里子は出演しています。

 

9 ヒミズ

園子温のエネルギッシュでクレイジーなセリフ回しもだいぶ慣れてきて、新鮮さに欠けてきた部分はあります。しかも過去に園作品に登場したキャストたちが、脇役・チョイ役にずらりと顔を並べているため、どこか既視感を覚えてしまいます。しかしながら、特に若手俳優の潜在能力を引き出す園子温の力というものは相変わらずで、今作についても、実際に海外の映画賞で評価されたように、彼らの魅力を存分に引き出し、魅力的にスクリーンに映すことに成功したのではないでしょうか。この作品の魅力=染谷翔太の存在感と二階堂ふみの鮮度の高い演技、といってもいいように思います。おなじみの園節、そして見慣れた曲者キャストの中で、二人が圧倒的に輝いているようでした。ストーリー的にはかなり無茶で荒唐無稽ではありますが、その中でも最後に良心を見せてくれるのが救いに感じました。茶沢と母親との関係の結末も見たかったです。吉高さんはメインキャストではないですが、監督との別の作品の縁で登場しています。

 

10 僕等がいた 後篇

吉高由里子がヒロインを務めた恋愛作品。回想形式で懐かしさを誘う構成や映像は、大いなる前振りである前篇を生かしたものになっていて、自然にドラマに引き込まれていきました。一途に思い続けながら平静を装う女の強がりが痛いほど伝わってくるだけに、自分の意図に反して思わぬ運命に巻き込まれていく男を観ていると、観ている方までも切なさでいっぱいになりそうでした。ただ一点残念なのは、3人の心のうちの描き方のバランスの悪さ。高橋、竹内の思いと言うものは、それぞれ丁寧に描かれていて、二人がどう思って過ごし、決断してきたかということは手に取るように分かるのですが、矢野の本心というものの描き方がいまひとつ見えてきません。おそらく敢えて表現していない部分だとは思いますが、序盤には矢野主観の描き方になっている部分もあるわけなので、彼の高橋に対する本心や、ままならない苦悩も伝わるように描いてもよかったのではないでしょうか。ラストがやや唐突で、そこに至る変化の過程がもう少し見えていたら、もっとグッとくるラブストーリーになったと思うと、少し残念でした。

 

11 僕等がいた 前篇

12 ユリゴコロ

13 カイジ2 人生奪回ゲーム

14 転々

15 渋谷区円山町

16 探偵はBARにいる

17 紀子の食卓

18 すべては海になる

19 きみの瞳(め)が問いかけている

20  GANTZ