●山本美月 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

山本美月 出演映画 ベスト10

 

独特の鼻にかかったような声が結構好きです。

 

1 桐島、部活やめるってよ

男女とも多くの生徒が登場しながらも、それぞれのキャラクターや個性がしっかり確立されているので、どの生徒と生徒が絡んでも、それぞれのシーンを面白く観ることができました。原作以上に、「桐島」の存在にこだわり、実験的でありながらも、さわやかな青春群像劇として成立させた吉田監督の手腕を改めて認識させられた思いでもあります。キャスティングも興味深く、名前よりも、キャラクターのイメージを重視していて、この手の青春映画にありがちな、今をときめく売出し過程の人気俳優が勢ぞろいというアイドル映画とも一線を画し、リアリティのある感じが良かったと思います。個人的にはバレー部の控え選手に憧れるバドミントン部の女性にちょっと肩入れして観てしまいました。原作の縛りがある中では、一本の映画としても手堅くさわやかにまとめられて好感が持てました。現在一線で活躍している俳優たちが、当時売り出し中の俳優として多数出演。山本美月も生徒の一人として出演しています。

 

2 糸

瀬々監督らしく壮大でボリューム感たっぷりのドラマで、見応え十分でした。どんな場所であっても、どんな境遇であっても、うまくいっていてもいってなくても、登場する人たちがみんな一生懸命生きている感じがして、不思議な快さを覚えたのです。頑張ってみんな必死に日々をもがきながら生きている様子に、心が洗われるような思いでした。一方で中学生の時に出会った二人が、何回かの再会と紆余曲折を経て最後に結ばれるまでがドラマティックで、舞台も北海度から東京、沖縄、シンガポールと長い距離が、そこまでの道のりの長さ、困難さを表しているようで、それがこの作品の壮大さにも繋がっていたのではないでしょうか。豪華キャストの中では、がんに侵された役を、おそらく体重まで落として臨んだであろう榮倉奈々のリアルな演技が目をひきました。小松菜奈演じるヒロインを裏切る友人役で山本美月は出演。

 

 

3 去年の冬、きみと別れ

前半は岩田剛典演じるルポライターが新聞記者の協力を得て謎を解いていく中、第二の事件に遭遇するのが前半、その裏の真相を明かしながら、それが実は彼の復讐劇だったことを説明していくのが後半と、前後半で明確に軸をずらすことで、ミステリー映画として巧みに成立させています。主人公だけでなく、記者、カメラマン、その姉、婚約者(山本美月)と、それぞれの隠された裏側が後半に明かされることで、それこそ180度ひっくり返ったような展開になっているのが面白いです。表面と裏側の差、ことに女性の裏側には驚かされる作品、興味深く楽しむことができました。

 

 

4 小野寺の弟 小野寺の姉

姉弟で遊園地で遊んだり、休みの日に出かけたり、変なところで見得を張って墓穴を掘ったりと、見た目は「痛い」二人なのですが、それでもお互いを思いやる気持ちにはぐっとくるところもありました。そんな「いたさ」をユーモアとペーソスをもって描き進める本作は笑いどころもいっぱいで、ついつい微笑ましくなったり、こっばずかしくなったり、あるときは応援したくなったりと、楽しく観ることができました。それでいて終盤にはほろりとさせる展開で、一緒になってがっかり。ほんと、二人に幸せになってほしいと心から思ってしまいました。あとこの作品の山本美月が抜群に可愛かったです。こんな可愛くていい子と近づけたら、すぐにものにしなきゃ。

 

 

5 友罪

過去に起こした自分の罪とどう向き合って、その後の人生を生きていくのか。あるいは身内が起こした罪をどこまで背負っていくべきなのか。そんなテーマのもと、かつて児童殺人を犯したあと名前を変えて更生の道を探る元殺人犯、いじめにあう友人を見捨てて自殺させてしまった元記者、東京に出てきたものの思うようにいかず流されるままにAV出演をしてしまった少女、息子が交通事故で幼い命を奪ったことで一家離散してしまったタクシー運転手。それぞれが罪を抱え、そしてこれからどう生きていくかを探りながらの群像劇は、非常に重たくのしかかってくるものがあります。そしてそれぞれが自分なりの答えを見つけ、あるいは見つけられず、この作品は多くの問いかけを残したまま、終わっていくのでした。生田斗真演じる主人公の元恋人役で山本美月は出演。

 

 

6 東京難民

佐々部監督らしく丁寧に仕上げられていました。現代社会の問題を提起しつつも、観客のいる映画としても魅力あるものにきちんとまとめあげています。作品ごとに個性的なキャスティングをしてくるこの監督ですが、今回もまた新鮮なキャストの組み合わせ。金子ノブアキなどはいかにもというような風貌で、ちょっとやり過ぎ感はあるものの、大塚千弘や青柳翔が次第に見かけも変化していく様子が興味深かったです。 知らないところで一気に金も家も身分も失った主人公に降りかかった出来事ももしかしたら明日は我が身、一度落ちたらなかなか這い上がることが難しい現代日本…。底辺にいる人々、或いは底辺に落ちていく人々にスポットを当てながらも、それでも生きているだけいいじゃないかと、後ろ向きでないメッセージを残してくれたことで、最後は少しだけ安心しました。山本美月は主人公を道で声をかけて騙す女を演じています。

 

 

7 少女

思ったより難しい映画でした。死に対する二人のいびつなまでの興味が、この物語を動かしていきます。家族からの虐待や同級生からのいじめ、盗作、犯罪紛いの痴漢騒ぎによる脅迫…危ない橋を渡るかのような彼女たちの日常が、とにかく痛々しいほどに響いてきます。それほどまでに死に対し興味津々だったはずの彼女たちが、実際に死の場面に直面しそうになると、それまでの威勢の良さがどこかに行ってしまったかのように狂乱する様子を見て、彼女たちも普通の女の子だったのだと、むしろ安心しました。かなり抽象的な描写も多く、場面を繋いだり、映されていない場面を想像したりがなかなか頭と感覚を使わされましたが、その重さはある意味湊かなえさんらしさだったのかもしれません。いつも明るい役の多い本田翼が影を背負った役というのは、狙いとしては面白いとは思いましたが、山本美月含めて、女子高生には見えないというのは辛いところではありました。誰かほかに居なかったのかな。

 

 

8 女子―ズ

こんなゆる~い映画もたまには観てみたいもので、次から次へと出てくる怪人たちのしょーもないネーミング、そしてその怪人たちのアホさ加減、そんなものに不思議と癒されてしまうわけなのです。声も全部同じですしね。一方の女子たちもまた実はゆるゆる。常に大きなおもちゃのような腕時計もどきを腕にして、突然なり出す呼び出し音にいちいち回答。これだけでもバカです。とにかく頭をからっぽにして何も考えずに小一時間だらりと楽しむには最適の作品ではあります。ただ5人の女子、こういう映画だからこそ逆に、ある程度演技のできるコと、そうでないコがはっきりしてしまったのは辛いところ。今にして思うと桐谷美玲、有村架純、高畑充希、山本美月という豪華キャストなのですね。

 

 

9 近キョリ恋愛

まずこんな教師はいない!そんなの分かり切ったことで、それを前提に観ることが条件。それからやはり原作はコミックだということ。小松菜奈演じる動作での感情表現も、微妙なニュアンスなど一切なく、数が気の公式に当てはめるような明快さ。それが分かったうえで観れば、悪くない出来だったと思います。この作られた世界を受け入れ、その世界の中で仮想恋愛を楽しむのが目的の映画だとすると、非常に分かりやすく、また感情移入も比較的しやすかったと思います。脇役のキャラクターの立場もそれぞれ明確で、新井浩文、水川あさみ、山本美月の行動の意味も役割もまさに観客が思っているそのもの。この映画を観て「教師が学校で生徒にキスするなんて…」「茶髪の教師はもってのほか」などと目くじら立てるのはお門違い。これはこういう映画なのだから、ということで、山下君、悪くなかったですよ。英会話番組の成果が出たかな。

 

 

10 絶叫学級

オカルトホラーの形態をとってはいるものの、基本的には女子高での耐えることのないいじめの連鎖を描いた映画です。いじめの対象がいなくなると、それは別の対象に向けられるだけ。そのいじめの程度はかなり悪質かつ強烈で、犯罪そのもの。そこにいかにも頼りない教師が1人2人出てくるだけ。まさにいじめ天国、なんでもござれ。そういった意味では、変に説教臭くなったり、教訓めいた展開にしないで、徹底していたと思います。ラストのシーンが特に象徴的で、最後ぐらいはこうくるかと思いきや、まったく冷ややかなしめくくり。ピンチの時だけは必死になっても、平穏になるとこんなものなのでしょうかね。カラオケボックスでの異様なシーンが全体的に浮いていたのですが、それがまた妙味にもなっているようで…。12年前に亡くなった生徒の亡霊というか、黄泉がえりというか、山本美月はそんな役どころです。