●タイトルに“明日”がつく映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

タイトルに“明日がつく映画 ベスト10

 

1 明日、君がいない 

この結末をみると、とても悲しくやるせない気持ちになってしまいました。なんとか助けてあげることができなかったのか。この映画は、冒頭でまず誰かが血を流して死んだらしいシーンから始まります。ドアを内側からかけて死んでいる様子であることから、自殺であろうことは想像できますが、しかしそれが誰なのか、何故なのかは一切見せずに、その日の朝の出来事に戻って、主要人物6人に起きている出来事が進行していきます。多くの人は自分の抱える問題だけで精一杯で他人の憂いに気づいてあげることもできず、また気づいたとしてもそれを受け止めてあげる余裕もないでしょう。しかし他人も自分と同じ人間であるなら、悩みを抱えて生きているということも想像できるはず。もし誰かがその悩みに気づいて一言でも声をかける事ができたら、あるいは悩み苦しむ感情を他人に気づいてもらえるよう表に現すことができたなら、悲劇は救えたのかもしれません。そういった意味で、最後の結末を観るのが非常に辛い映画になってしまいました。

 明日君がいない

 

2 明日の記憶

若年アルツハイマーという深刻なテーマであり、いつ自分や周りにふりかかってくるかもわからない問題でもあります。ただしその描き方に、あまり強烈な刺激を与えるでもなく、無理に泣かせようとするでもなく、病気は病気として事実を受け止めながらも、どこかに生きがいを見出せるような暖かさが感じられるのです。現実はもっともっと汚い、厳しいものかもしれませんが、そういった今までにも「恍惚の人」「アカシアの道」「折り梅」などでも描かれているもので、敢えてここで強調すべき必要性もないでしょう。映像的にも堤監督らしい技巧がところどころに見られ、また遊び心も随所に感じられます。松村邦洋が登場する1シーンは特に可笑しかったです。

 明日の記憶

 

3 ぼくは明日、昨日のきみとデートする

原作を読んでいるにも関わらず、或いは非現実的な設定にもかかわらず、初めての日が相手の最後になってしまうという切ない状況にはぐっとくるものはありました。時間の逆行する者同士が抱えるであろう悩みや感情を丹念に描き、感情にうまく訴えられる作品になっていたのではないでしょうか。普通の世界で暮らす男性側を主軸で描いているので、交際が始まるまでの過程からすると、こういう形になるのでしょうが、また女性側から描いていると、交際の始まりが突然で、しかも相手の気持ちも最高潮の時点から始まることになるわけで、そちらを主軸にした展開も観てみたい気持ちにもなりました。

 

 

4 明日を夢見て 

映画のオーディション料と銘打って田舎の住民から金をとる詐欺師。ちょっと頭の弱い女との、ちょっと切ない結末は、ほろりとさせられる。田舎の景色と住民の無邪気さが、どこか懐かしい感じもして、やるせない一本でした。

 

 

5 アゲイン 明日への誓い

 それにしてもチョウ・ユンファは劇団ひとりにそっくり。若き日を描くことで、どこかノスタルジックなムードのある叙情的な作品、それでもドンパチが激しく描かれ、基本はやはりバイオレンス。いかにも、です。

 

 

6 僕らのごはんは明日で待ってる

2017年当時、妙に増えてきていた1020代の恋愛ものも、主演俳優の組み合わせに新鮮味が薄れてきたところで、新鮮な二人の主演でフレッシュ感にあふれた一作となっています。どこかおっとりしていてそれでいて真面目な男子と、自分から意志をはっきり伝えるさっぱりはきはきの女子。それぞれのキャラクターが明確に出せていたので、まずはその点で魅力的に撮れていたように思います。突如別れを告げる場面で隠された理由は、過去何度も使い古されてきた「秘密」でしたし、そうなれば当然ラストも想像がつくわけですが、それでも二人の思いがまっすぐで好感がそこに持てるものとなっていました。

 

 

7  TOMORROW 明日

すぐ先の未来の惨劇を何も知らない人々の1日をたんたんと描いているだけに、このあとの悲劇を思うと心が苦しくなります。あかちゃんを生んで、未来に大いに夢を描いている母親を思うと、すべてを奪う原爆に対して、感じざるを得ません。こうした描き方の戦争映画もあるのですね。

 TOMORROW明日

 

8 俺たちに明日はない 

軽快な音楽にのって犯罪が次々に行われて行く、俗にアメリカン・ニューシネマといわれる一連の作品の代表的存在。とにかくあっけらかんと強盗殺人を行うボニ-とクライドですが、こんな恐ろしい若者を、音楽だけでもまったく違う印象に変えてしまうのですよね。そしてそのあと、なんといっても突如訪れる悲劇のラスト。それまでの展開との落差がなんともいえません。これが実話ベースというから、とにかくとせういう気持ちで観たらいいのか、困ってしまうような作品でした。

 俺たちに明日はない

 

9 グローリー/明日への行進 

あのキング牧師の功績を正攻法に描いた伝記映画です。人種差別の歴史の中でいかに黒人たちが平等の権利を手にしていったのか、もちろんこの映画で描かれているのはそのほんの一部なのでしょうが、それでも米国の暗黒の歴史の一部を学ぶことができ、それだけでも意義ある作品ではあると思います。キング牧師の強い医意志が終始彼の生き方の芯となっており、その点でマルコムXとは対照的なぶれない力というものを強く感じました。

 

 

10 明日に向って撃て!

ニューマンとレッドフォード、主役二人の関係がきちんと立っていて、安心して観られます。それまでの西部劇とはまったく違う独特の雰囲気も魅力で、おしゃれ感さえ漂っています。正直なところ、ストーリーは取りたててどうというものはないと思っているのですが、それでも不思議な魅力を放ってくる、そんな映画です。名作の一つして今でも数えられる作品を10位に滑り込ませてみました。