●飢饉・干ばつ・不作映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

飢饉・干ばつ・不作映画 ベスト10

 

1 風をつかまえた少年

事実をもとに作られたということで、こういった頭脳やバイタリティある若い力が、貧しさゆえに潰されてしまうのは実にもったいないこと、地域や国家の損失だと改めて感じさせられました。さらにはちょっとした協力で、干ばつ続きの貧しい村が自立できる力を持てるということも、まだまだ世界にはあるのかもしれないということも気づかされました。食料さえ手に入れるのが難しい状況、家族や仲間も次々に去り、学校の運営も立ち行かなくなるという悪循環。ここでは一人の少年の行動と熱意が救うことになるのですが、彼にヒントを挙げたのは図書館の本。その前に、物資というよりも技術や知恵の支援ができていれば、もっと前の段階で飢饉はとめられたのかもしれません。作品はそんな裏の思いも含めて、いろんなことを訴えかけてくれました。

 

 

2 白い馬の季節

環境の変化、社会の変化についていけない不器用な男とその家族の悲哀を描きながらも、一方で変わっていく国の様子を嘆いている監督の視線が伝わってきます。

 

 

3 雨を降らす男

なんともスカッとした気分になる作品。嘘だと分かっていても,その自信満々の語り口に、一家が幸せになっていく様子がファンタジックでもあり、楽しい気分にもなるのです。また、次男の明るさ、父親の優しさも充分映画全体の味付けに役立っていました。夢や愛に満ちた派手ではないけれど、元気付けられる佳作です。

 

 

4 マッド・ガンズ

干ばつ続きで荒涼とした砂漠のような未来に、時々現れる近代的な機械。想像を掻き立てるような近未来の背景がまずは雰囲気づくりに成功。水や酒を求めて殺伐とした人間関係の中、突然父親に死が訪れた息子とその姉。あとには姉の男がやってきて、豊かな土地へ。しかしその裏に隠された父親殺しが明るみになったときに訪れる悲劇。殺伐とした背景と殺伐とした人間関係。けっした派手にお金を使っている作品ではありませんが、静かな怖さを感じる作品になっていました。

 

 

5 赤い闇 スターリンの冷たい大地で

戦争の気配がちらほら見え隠れするような時期、ソ連の潤沢な資金の謎を解くために、無謀にも単身ソ連に乗り込み、殺された記者仲間がいるにも関わらず、驚くべきバイタリティによって現地に乗り込み、その秘密を知ることが叶った主人公。この時代の暗さ、ソ連という国の重苦しさというものが作品全体を支配し、最初から最後まですっきりしない思いでラストまで行った後、後日譚として字だけで紹介された、主人公が満州でソ連に通じたガイドを介して暗殺された事実が知らされると、国家の執念と怖さを思い知らされ、どっと疲れが吹きでました。スリリングな展開ではありますが、演出的にはいまひとつ高揚感が得られず、さらに主人公のソ連の財政の謎への執着の謎の理由がいまひとつ分からず、面白さという点ではうまく料理しきれなかった気はしました。

 

 

6 大地

中国の農地での一家族の運命を描いている作品です。飢饉、戦乱、自然災害と困難に次ぐ困難の中で、波乱万丈の人生を送る農夫を描いています。ただ内容はいいのですが、いかんせん英語というのが致命的。最後のいなご来襲での急展開は不可思議な気もしました。

大地 

 

7 マイルズ・フロム・ホーム

感情のコントロールが効かず暴走して自らを窮地に追い込んでしまう兄と、そんな兄を制止しようと思いながらも兄について行かざるを得ない弟、不作続きで借金のかさんだ農場を舞台に、非情な運命に翻弄される兄弟がなんとも切ないです。

 

 

8 おしん

また才能のある子役が出てきましたね。方言も独特ですし、時代も違うので知らないことばかりだったでしょうに、健気に働く女の子を実に可愛らしく、そしてリアルに演じていました。何か命じられるたびに「へい」と答える返事がたまりません。作品を一人で引っ張った感がありました。作品自体は、2時間足らずの限られた枠ということもあり、おしんの子供時代の顛末を淡々と追ったような組立で、重厚な感動を呼ぶというよりは、未来も明るそうだし後味の爽やかな「頑張る子供」映画といった趣き。そのおかげで、そして覚悟していた反動もあり、わりと気楽に観ることが出来ました。

 

 

9 ピータールー マンチェスターの悲劇 

作品としては無駄に長いですし、特に集会が始まるまでの下りは退屈です。でもこの集会が何であったかということを説明するためには、これだけの人々の思いや狙いが込められていたことを知らせるためには、必要なくだりではあったのでしょう。映像的にも大規模集会に集まる一人一人の様子をきちんと描き出し、さらに裏で待機する面々、演説したくてしかたない者、記者たち等々、あらゆる関係者たちを手を抜かずに、盛大なシーンとして作り上げたことには感服します。そして最後の凄惨な虐殺と言っても過言でない、軍による武器を持たない民衆への殺戮シーン。こういったことの上に今の英国の民主主義が成り立っているということを忘れさせないためには意義のある作品ではなかったでしょうか。

 

 

10 ウィッカーマン(2006)

出だしは絶好調!元婚約者に未練のある主人公のニコラス・ケイジ演じる警官は、のこのこと怪しい島へ出向いていくのですが、まあ着いた瞬間ぷんぷんと胡散臭さの匂ってくること。先が楽しみな気持ちになるのですが、一番面白かったのはここまで。そこからは頼まれた娘探しに奔走するなかで、危ないめにあったり、お決まりの展開。ところが最後にあっというどんどん返しの結末がまっているのです。これにはびっくり、、、なのですが、よくよく考えてみると、????の嵐。なぜそんな手の込んだことをしたのか、まったく理由がわかりません。