●バイオリニスト、チェリストの映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

チェリスト、バイオリニストの映画 ベスト10

 

1 四月は君の嘘

広瀬すずが若きバイオリニストを演じて青春映画。昔からあるゴールデンパターンの難病者。若い男女の一方が重い病気になり、残りわずかの日々を一緒に過ごすという展開は、まさにアイドル映画のど真ん中。広瀬すずの演技もまさにそのアイドル映画としての存在をクローズアップするかのような可愛い可愛い演技で、広瀬自身の魅力をとにかく前面に押し出したものになっています。その意味では成功していたと言えるでしょう。ラストにかかるいきものがかりのナンバーが涙を誘ってエンディング。直接的に死を表現せずに、状況描写でそれを告げる間接的な表現も、どぎつくならないようにというアイドル映画としての配慮でしょうか。周りの友達もみんないい奴ばかり。教師は一切といっていいほど登場せず、同級生も存在感があるのは4人のほかには1人だけ。そういった意味では特定の限定した関係の中で感情を盛り上げるだけ盛り上げて、サイドストーリーも極力排除し、主軸の話に集中させる作りかたで、みごとに最後は感情移入してしまいました。

 

 

2 命をつなぐバイオリン

第二次世界大戦中のドイツ軍によるユダヤ迫害を扱った映画は、次から次へと止むことなく世に送り出されていますが、今作もそんな中の1作。チェリストとピアニストとバイオリニスト3人の子供の演奏家の物語です。子供ユダヤ子人粛清の動きは、子供たちの世界にも容赦なく踏み込んできて、友情の絆で結ばれた3人をも敵味方に分けていく非情さ。そしてそんな子供に家族や自分たちの命を賭けさせた演奏を強いるドイツ軍大佐。数多くの映画の中で知識としては充分に得ているシチュエーションであっても、その酷さに慣れることはありません。結果的に運命を分けることになった演奏のシーンは、観ているだけでも辛くて、凝視できないほどでした。子供たちの表情がなんともやるせなく、改めて二度と繰り返してはいけないものであるという認識を強くさせられた次第です。

命をつなぐバイオリン 

 

3 ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ

実在のチェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレの起伏の激しい人生を描いた伝記映画です。音楽の道を諦め、平凡な主婦に落ち着いた姉と対比しながら、才能がありながらも、不安定な精神、そして病気に悩まされ、若くして亡くなった彼女の生き様は、精神的に辛い状態で、しかも夜のすいている劇場でみると、けっこう答えるものがあります。暗い映画ですが、同じ期間を姉妹の両側からおっていく時間構成は面白いと思いました。

 

4 パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト

パガニーニという人物を知らなくても、それなりに楽しめる音楽とストーリー展開になっていました。原題が強烈で、その意味を探るための本編という感じで、確かにその演奏は何かが憑依したような、それが悪魔であるならそうかもしれないと思わすようなものでした。女たらしとして批判を浴びる中、シャーロットと本当の恋に落ち、策略により苦しむ様子は切なかったです。

 

 

5 北京ヴァイオリン

チェン・カイコー監督が原点に戻って作ったような温かみのある人間ドラマです。「始皇帝暗殺」のような大作から、何を血迷ったのか「キリング・ミー・ソフトリー」のエロサスと迷走を続けているようでしたが、それぞれがそれぞれの事情を背負った人間たちが交錯するドラマを描くこの作品にに戻り着いた印象です。特に親子関係を優しい視点で描いていて、好感がもてました。

 

 

6 薄暮

なんでもない高校一年生のピュアな恋愛の始まりを描いた作品ですが、震災後のいわきを舞台にしていて、そのことで何気ない田舎の田園風景が特別な意味を持ってきます。絵がきれいで、まだ恋愛に奥手な男の子と女の子の成り行きを見守るにはぴったりの背景となっています。1時間に満たない作品ですし、大事件や特殊な展開があるわけではないのですが、好感の持てる可愛らしいアニメ映画に仕上げていました。

 

 

7 ラヴェンダーの咲く庭で  

年甲斐もなく若いバイオリニストの青年に恋なんかして…といえばそれまでですが、それだけに終わらないなんともいえない優しさを感じさせる素敵なドラマになっています。なんといってもジュディ・デンチの可愛らしさ。いくつになっても女性は女性、理屈では馬鹿らしいとわかっていても、気持ちはどうしようもない。そんな切なさが伝わってきました。

 

 

8 25年目の弦楽四重奏 

4人という少人数で長年メンバーも変えずに続けてきた組織に、一気に訪れた危機。家族も含めてそれぞれがあまり近いため、ひとつ崩れるとバタバタと壊れてしまいやすいのでしょうね。それでもなんとか持ちこたえることができるのは、音楽の仕事に対する志の部分で共有できているというものがあるということにはなるのでしょうけれど。この映画の中で起きていることは、自分がその中に置かれているとしたら、結構きついものがあります。果たしてこの状況でカルテットを続けることができるかどうか、自信はないですね。作品的には並ですかね。この手のクラシック音楽に造詣があれば別の楽しみ方もできるのかもしれませんが、残念ながらそうではないので…。

 

 

9 屋根の上のバイオリン弾き

三人の娘がしきたりから離れ、各々愛する人と結婚して行くことに、葛藤を感じながらも受け入れざるを得ない父親、そして終いには立ち退きを迫られるユダヤ一家。それでも楽観的に感じるのは音楽のおかげ?有名なミュージカル作品ですね。

 

 

10 路上のソリスト

壊れかけのバイオリンを路上で奏でる男をジェイミー・フォックスが演じています。チェリストとしての才能を持ちながら、精神を病んでホームレスになってしまった男の風変わりな作品ですが、リアリティが薄いのが難点。