●田中美里 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

田中美里 出演映画 ベスト10

 

派手ではないけれども堅実なイメージの中堅の女優さん。

 

1 世界の中心で、愛をさけぶ

これでもかというくらい泣かせにかかる、正攻法の純愛映画。1986年という時代背景が、世代の重なる自分にとってはノスタルジーも合わさり、余計に切ない気持ちにさせられました。佐野元春や渡辺美里、ウォークマン、ザ・ベストテンなど、音楽や小道具もそのあたりをくすぐり、その世代である行定ならではの演出も心憎い。さらに森山が大沢に似ていて、こうした時間軸の違う同一人物を演じるときの難題である、誰と誰が演じるかという点もクリアしているのも良いです。そして平井堅のエンディングテーマ。いかにも作りすぎ、出来すぎのストーリーにも関わらず、べたべたのラブ・ストーリーをべたべたに徹して完成させた好作品でした。主人公の現在の恋人(柴咲コウ)の少女時代の母親役で田中美里は出演。

 

 

2 向日葵の丘 1983年・夏

映画撮影に夢中になりながらも大人に邪魔をされて挫折した高校時代と、その傷を引きずりながら大人になってそれぞれの人生を送りながらの再会を描いた現在と、きっちりパートを分けての奇をてらわない構成は、非常に好感の持てるものになっていました。友人の病気という、いかにもという「手」はずるいとは思いますが、再会のきっかけとしては自然な設定だったかもしれません。完成させながら上映できなかったかつての作品を初めて観るシーン、劇中作品はサイレント時代の雰囲気で作られた可愛らしい作品となっていて、余計にノスタルジーを誘われます。なくなってしまった店舗や映画館、いなくなってしまった人の描写に時間の経過とともに寂しさを感じさせますが、映画愛が全編に溢れ、映画好きに盗ってはたまらない作品になっていたのではないでしょうか。常盤貴子演じる主人公の同級生を田中美里は演じています。

 

 

3 カルテット!

音楽を通してばらばらになりかけた家族が一つになっていく様子は、観ていて悪いものではありません。ふたつの舞台のどちらを選ぶか、結末は分かっていても、最後に家族を選んだことで、観ている方も嬉しくなるから不思議です。清々しい気持ちになれる映画でした。音楽教室の先生役で田中美里は出演。

 

 

4 黒い家

森田芳光の挑戦したホラー映画ですが、大竹しのぶや西村雅彦の怪演がとにかく印象的で、不気味さが終始作品を支配、そり上でストーリーは分かりやすく、山場へ持って行く過程、対決シーンと、比較的オーソドックスな構成だったと思います。その一方で目をそむけたくなるようなシーンも多く、ホラーとして十分に楽しめました。田中美里は内野聖陽演じる主人公の保険会社社員の恋人役。

 

 

5 帰郷

仲代達矢が貫禄の存在感を示しています。故郷に戻ると、娘の存在に驚き、その娘が思う相手との恋路を邪魔されていると聞くや、かつての兄貴分でも構わず、実力行使で二人をくっつけようと挑むわけで、初めてお互いを知り合った父娘であっても、親子は親子。可愛い娘のためならなんでもできるし、かつての自分への反省も込めて、なんとかしてあげようというもの。そんな親が子を思う気持ちは子にもきちんと伝わるもの。年老いて残り人生もわずかになった時に何を思い何をするか、そんな老人の思いがじわじわと染みてくるような作品でした。主人公がかつて道ならぬ関係になった相手の女が田中美里です。

 

 

6 明日にかける橋 1989年の想い出

現代からバブル時代に戻り、弟の交通事故死をきっかけに崩壊した家族を救いたいと奔走する主人公。映画ならではの定番の反則技タイムスリップを使って、過去を変えることができるかということに挑むストーリーです。物語は想定できるものではありますが、「何が何でもいい大学、いい会社に入って、幸せな生活を送るのが一番」というバブル時代の風潮を振り返りながら、現代と比較しているところが、テーマとして織り込まれているところが一味工夫しているところ。当時のアイドルだったり、ヒット商品や時事ネタを結構あれもこれもと入れ込んできたところなんかも、こだわりがあって面白かったです。そして肝は、SFチックな設定を利用しながらも、子供を思う親の気持ちというところにスポットを当てているところで、そのおかげで温かい作品となっています。田中美里は主人公の母親役。

 

 

7 山中静夫氏の尊厳死

死を間近に控えた患者に対してどう寄り添うのか、主に医者の目線から描いた作品です。したがってテーマとしては重いですし、明確な答えが導き出されるわけでもなく、描き方としても難しかったかもしれません。日々死を看取ることの多い医師という職業柄、それが原因で自らがうつ病にかかってしまうなど、厳しい環境であることは間違いないですが、その中で患者さん自身が何を望んでいるのか、最大限くみ取ってそこに対処していくということは、なかなか大変なことなんだと、改めてこの映画で認識させられました。と同時に医師の苦労というものに対しても、もっと理解してあげる必要があるのかもしれないなんてことも考えたりしました。津田寛治演じる主人公の医師の妻を田中美里が演じています。

 

 

8 電車男

いかにも作りものっぽさが伝わってくるのが大きくマイナス。原作を変えてクライマックスをよりドラマティックに変えた意図は分かりますが、かえって不自然になってしまったし、山田演じる主人公の描き方が極端。これがコメディ色の強いものであれば問題はないのですが、わりと純愛路線でひっぱっているところで違和感を持ってしまいました。さらに中谷美紀のキャスティングは当初から疑問ではありましたが、常に冷静でやや上から見ているような話し方はどうも鼻につくのですよね。ヒロインに魅力を感じなければ、この手の恋愛物で男側に感情移入することができない。決して面白くない作品ではないのですが、演出過剰なところが引っ掛かりました。

 

 

9 みすゞ

田中美里主演作。26歳の人生としてはかなり波乱万丈なはずなのに、映画自体はたんたんとゆっくりのんびりとメリハリなく進むのが惜しい。時代的な雰囲気とか空気感は伝わるのですが、なにせ展開が緩く、画面に惹きつけられません。地味な作品になってしまいました。

 

 

10 貞子vs伽椰子

所詮似た者同士。ただ他の対決ものよりも華やかさに欠けるのは仕方ないところかもしれません。このVSタイプの作品、時々企画としては出てくるものの、あまり成功作を観ていません。女子高生の母親役の田中美里ですが、役どころは気の毒な存在。