●内野聖陽 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

内野聖陽 出演映画 ベスト10

 

「まさあき」から「せいよう」へ

途中で名前の読み方を変えたという

珍しいタイプの改名をしていますね。

 

1 (ハル)

パソコン通信でメールを利用する人が出てきた頃の話で、インターネットはまだ一般的でなく、出会い系サイトなどはもちろんそれに絡んだ犯罪などもなく、登場人物は携帯電話をまだ持っていない時期だからこそ成り立つ、この時代ピンポイントで成り立つラブ・ストーリー。性別を偽ったところから始まり、いつしかその嘘も打ち明けられるようになり、互いの生活の悩み相談したり、近況を報告したりするうちに、お互いになくてはならない存在になっていく様子がごく自然に描かれている。最後にはとんでもない偶然により終わりかけたかに見られた関係も修復され、ラストのラストになってようやく対面するという流れの中で、二人が物理的にも心理的にも距離感が縮まっていく様子が伝わってくる。主人公二人(内野聖陽&深津絵里)の瑞々しい演技が、制作の1995年ではかなり実験的な部分もあったと思われるのだが、それを不自然に感じさせない純粋なラブ・ストーリーとして成立させるのに大きな役割を果たしている。

 

 

2 罪の余白

吉本実憂演じる女子高生は本当に嫌な奴で、同級生ばかりか大人までも手玉にとって追い詰めていくとんでも女。それを見ると必然的に主人公である殺された娘の父親(内野聖陽)に肩入れしてしまうのは当然の成り行き。なかなか真実を離さず、大人を馬鹿にし続ける態度には本当にいらいらしてきましたが、それでも最後には計算ずくなのかどうかは分かりませんが、見事はまってしまったとんでも女子高生。もっとも最初からマスコミを利用してやればよかったのにとは思っていたので、そこに行き着くまでに時間がかかってしまっているのには、やや作為的な部分を感じないではありませんでした。でも個人的には面白く観られました。

 

 

3 家路

自分たちの暮らしてきた家、生活の糧としてきた土地を、有無も言わせずに追いだれることになった福島の人々の現状を、彼らの視点から奇を衒うことなく誠実に実直に描いた作品になっています。仮設住宅への不満、経済的な不安、慣れない場所での生活から来る体調の変化、自分の家なのに帰ることができないもどかしさ等々、ここかしこに人々の本音が現れており、報道だけでは気づかないようなことにもはっと気付かされる場面も多くありました。一方で同じ被害にあった人たちでも、何を優先するかはまた人それぞれ、住んでいた場所に帰ること、新しい生活基盤、健康に暮らせる場所…。それだけに簡単には進んでいかないということもあるのでしょう。キャストも演技派を揃え、腰を据えてじっくり撮り上げたという印象。ただひとつ、ところどころ方言がきつくて、何を言っているのか分からない箇所があったところが、心残りではありました。主人公の腹違いの兄を内野聖陽は演じています。

 

 

4 臨場 劇場版

内野聖陽主演。映画になったからといって、必要以上にスケール感を大きしたり、派手な演出で驚かせたりするということもなく、手堅くまとめてきたなという印象です。逆に言えば、特に映画にするほどの意義は感じなかったのではありますが、正統派のサスペンス・ミステリーとして、映画単独でも十分に理解し楽しめるものはありました。キャストを見てもそうですが、とにかく硬派の映画。人気絶頂のアイドルスターもいいですが、落ち着いたメンバーと脚本の力で見せる映画も見応えがあって、やはりたまには欲しいジャンルです。

臨場劇場版 

 

5 黒い家

1に続く森田組の作品ですが、今作はおぞましいホラー映画。山場へ持って行く過程、対決シーンと、比較的オーソドックスな作り方で、見やすく、しかも目をそむけたくなるようなシーンも多く、おどろおどろしさを楽しめました。西村正彦や大竹しのぶの怪演が見もの。保険会社の社員を内野聖陽が演じています。

 黒い家

 

6 十三人の刺客

まさに三池節ですね。この監督がノーマルな時代劇などとるはずもなく、随所に持ち味を見せ付けてきました。ただしそのことは、逆に言えば好き嫌いが分かれそうな要素になるわけで、本格的で伝統的な時代劇を望む観客にとっては、邪道と感じてしまうかもしれません。エロ・グロ・ギャグもきっちり盛り込んで、現代劇のにおいはぷんぷんと漂ってきました。決闘のシーンに時間をかけ、ボリューム感としては十分あったのですが、最後のほうはやや単調になってしまった気はします。13人の刺客にこれだけのキャストを集めながら、それぞれの個性があまり発揮できなかったのもちょっと惜しい気がします。脚本面でも映像面でも美術的な面でも、もう少しキャラクターを生かせるような展開も欲しかったです。内田聖陽は明石藩江戸家老役。

 

 

7 犬とあなたの物語 いぬのえいが

犬が共通しているだけで、長さもジャンルもばらばらという基本的なコンセプトは1作目と同様ですが、よりまとまりは良くなっていたと思います。全部で6話あるわけですが、それぞれに好きな作品が12つあればというところではないでしょうか。私の好みとしては、中尾彬が本人役として登場したショートコント風の話と、高畑淳子の結婚式のこちらもコント風の作品。なかなかオムニバス映画で全部が全部いいということはないわけで、こんなものではないでしょうか。犬を誘拐した犯人を捜す警部の役で内田聖陽は出演。

 

 

8 初恋

組を裏切ってまで立てた薬物の横取り計画が、次々に想定外の出来事に襲われ、深みにはまっていく組の若手と悪徳警官。偶然巻き込まれた堅気のボクサーと、囚われのヤク中少女がそこに絡み、さらには日本のやくざと中国マフィアの抗争にまで発展。杜撰な計画が多くの人間を巻き込む殺し殺されの争いごとに発展するバイオレンスムービーでありながらも、一種のブラックコメディとも捉えることのできる作品は、まさに三池節さく裂といったところです。染谷将太の首を斬り落としたりと、相変わらずやりすぎ感のある演出は健在ですし、ベッキーをこの役で使うかというような、奇を衒った配役も印象的。ここまでやるかと思いながらも、ついつい楽しんでしまう、今作も三池崇史の術中にハマってしまったような、そんな感覚ですね。内野聖陽はマフィア役。

 

 

9 悪夢のエレベーター

前半は息の詰まるような密室劇、ここまでは悪くなかったです。しかし一旦登場人物の関係がわかった後の後半は、かなり脚本的にも破綻が見られるようになってきます。もともと彼らの計画自体が完璧なものでなく、無理のあるものであったことがわかったところで、それまで保っていた緊張感が一気に緩んでしまいました。それでも基本ブラックコメディという作りなので、許容範囲かな。内野聖陽は柄が悪くうさん臭い雰囲気の男。

悪夢のエレベーター 

 

10 海南1890 

歴史における日本とトルコの間にあった助け助けられの出来事。遭難の件はぼんやりとは知っていても、イランイラク戦争時のエピソードは知りませんでしたし、これは知っておくべきことだと思います。その意味だけでもこの作品の意味は大きいものがあるでしょう。自らの犠牲を払ってでも困った人々を助ける…。親日的だというトルコの話は良くきくものの、前述のように実際にはぼんやりとしか知らなかったわけで、そのルーツとなった紀伊の人々の行いには頭が下がるばかりでした。作品的にはその美談の応酬的な部分がクローズアップされるのは仕方ないですし、基本的には生真面目に作られているので、史実を知るという範疇以上の展開は難しかったのかもしれません。主人公の医師役で内野聖陽は出演。