●ダニエル・ブリュール 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

ダニエル・ブリュール 出演映画 ベスト10

 

スペイン生まれのドイツの俳優さんです。

 

1 グッバイ、レーニン!

ところどころユーモアを交えながら、旧体制に心を残す主人公の青年が、現実の変化を受け入れていく心の葛藤を描き出しています。母親のため、ということがいつのまにか自分のために変わっていく様子が、なんとも悲しくも可笑しかったです。コカコーラ、マクドナルドなど、西洋文化が突然入り込んできた、その新鮮な東側の人々の驚きというものもにじみ出ていて、どこか微笑ましくも愛らしい作品でした。主人公の青年をダニエル・ブリュールが演じています。

 

 

2 コッホ先生と僕らの革命 

保守的な社会に、若者や子供たちを熱狂させる新しいものを持ち込むと、大抵の場合大きな抵抗にあうものなのですね。世界の文化の歴史と言うものは、おそらくそんな繰り返しなのでしょう。そんなドイツにおけるサッカー事始め物語に、新しい教育手法を持ち込もうと努める若い教師と生徒たちの交流話を掛け合わせた、さわやかな作品に仕上がっています。コッホ先生の味方側と、彼を排除しようとする敵側の対立構図の中で、生徒たちの心をつかみ、押さえつけるだけの教育から、楽しみのある教育へ変えていこうという姿勢は、観ていて当然応援したくなるもの。感情移入しやすい脚本で、その意味では観やすく分かりやすい映画だったと思います。主人公の英語教師をダニエル・ブリュールが演じています。

 

 

3 ボーン・アルティメイタム

一応ボーンの秘密が明かされるということで完結編的な作品になった3作目、今までのモヤモヤ感も晴れ(完全にすっきりというわけではないのですが…)、キレのあるサスペンス・アクション映画に仕上がっていたと思います。追いつ追われつの展開が息つく暇もなく繰り広げられ、とくにモロッコでの追走劇はかなり見ごたえのあるものになっていました。主人公ボーン、ジュリア・スタイルズのニッキー、殺し屋、そして警官たちと、44様の追走・逃走劇はスリル満点。誰が誰を追い詰めるのか、短いカットが激しく変わりしかも画面が揺れるので、観ていて疲れを感じる部分はあったのですが、一緒になって逃げているような感覚にもなり、なかなか面白かったです。そのあとは舞台を移してのまたも逃走劇。肉体戦だけでなく頭脳戦も盛り込んで、結末に相応しい山場を演出していました。ボーンの恋人の兄の役でダニエル・ブリュールは出演。

 

4 ユダヤ人が救った動物園 アントニーナが愛した命

ナチスからユダヤ人をかくまった、助けたという美談は各地であるようで、映画でもたびたび取り上げられる中、このエピソードは初めて知りました。ドイツ兵の影におびえながらも、たくさんの人を助けようとする勇気、正義、優しさはどこから来るものなのでしょうか。動物園という特殊な環境を利用して、長い間隠し続け、ばれて犠牲となったのも二人だけ。こういった事実を知るだけでもこの手の作品には意義があるといえ、今作も例外でなく、このふうふうの行動には賞賛をただただ送るのみという気持ちでした。ドイツ兵役でダニエル・ブリュールは出演。

 

 

5 ラッシュ/プライドと友情

F1にあまり知識がない人、興味がない人にも分かるように、専門的な技術や駆け引きよりも、二人のレーサーの関係性をメインにドラマを描いている点では、比較的万人向けに作られていたと思います。ただその分最初から最後までを時間を追いながら、こんなことがあった、あんなことがあったと、平均的に淡々とエピソードを連らねたという印象は残ります。二人の関係にしろ、それ以外のエピソードにしろ、それぞれをあまり深く突っ込まないでいるので、出来事の繋がりとしては非常に理解しやすいのですが、そこにある心情の描き方がやや弱い! ので、観ていて心を揺さぶられたりとか、強く感情移入させられるとか、そういう部分がないのは、ドラマとしては物足りなさを残しました。ライバル関係にあるレーサー2人のうちの1人、ニキ・ラウダ役でダニエル・ブリュールは出演。

 

 

6 サルバドールの朝

25歳という若さで死刑に処された実在の青年の、処刑直前までを描いた人間ドラマは、主人公サルバドール(ダニエル・ブリュール)の強さに驚かされるばかりでした。死刑囚を描いた映画は今までにもいろいろ作られてきましたが、その中でも特にこの主人公の芯の強さには感服しました。無実ではないのは明白にしろ、当時の社会情勢を背景に、公正な裁判も受けられず、反対勢力の弾圧のための見せしめとして、死刑判決を受けてしまったサルバドール。そんな彼を信じ、支え続ける家族や仲間たち。そしてその支援者は次第に数を増していき、敵対関係にあるべき看守さえも、彼の人柄に惹かれていくのです。その様子を見ているだけでも、彼の人望の厚さというものが強く伝わってくるのです。そしてわずかな希望を胸に、一刻一刻と迫る最後のときを迎えるサルバドールは、けっして感情的に取り乱すことなく、常に平静で居続けようとするわけです。絶望と希望の間で揺れる思いを時折僅かに見せるその表情には、観ていて実にやるせない気持ちになるのです。

サルバドールの朝 

 

7 誰よりも狙われた男

フィリップ・シーモア・ホフマンの遺作となった当作、やはりホフマンは抜群の演技と存在感を示してくれています。テロリストに対する姿勢として、あくまでも捉えて罰を下そうとするCIAらに対し、見返りを与えることで協力させ、とにかく平和へと繋がればいいというホフマンらの諜報機関。うまくいくかと思った瞬間に力で逆転、ねじ伏せられてしまうのですが、それが実にやるせなく響いてきます。結局この力には力で対抗するの繰り返しが復讐の連鎖を産み、いつまでたっても終わりの見えない戦争へと繋がっていくのでしょう。サスペンスとしてちょっと物足りないのは、テロリスト側に立った描写が弱いこと。追う側の焦燥感やスリルは描かれていても、追われる側の緊張感をもう少し描けていれば、もっと面白い作品になったのではないかとは思いました。テロ対策チームの一員としてダニエル・ブリュールは登場。

 

 

8 イングロリアス・バスターズ

面白かったと言っても嘘ではないです。ただし一方でテンポが悪く、タランティーノとしては、スピード感や緊張感に欠けてしまったのもまた正直な感想で、冗長な印象は拭えません。題材からしても、もっとワクワクドキドキ感があっと然るべきなのですが、どこかゆっくりのんびりペース。もう少し上映時間も短くして、テンポよく見せることも可能だったでしょうが、あれこれ詰め込み過ぎてしまったかもしれませんね。かなりの毒の強さはタランティーノ健在という感じで、思わずニヤリとしてしまうところも多かっただけに、映画に対する思いが大きすぎて、スッキリまとめ切れなかったのが惜しい作品でした。ダニエル・ブリュールはブラッド・ピット演じる主人公らの敵にあたるナチスドイツのフレデリック・ツォラー国防軍一等兵を演じています。

 

 

9 ラヴェンダーの咲く庭で 

年甲斐もなく若い青年(ダニエル・ブリュール)に恋なんかして…といえばそれまでですが、それだけに終わらないなんともいえない優しさを感じさせる素敵なドラマになっています。なんといってもジュディ・デンチの可愛らしさ。いくつになっても女性は女性、理屈では馬鹿らしいとわかっていても、気持ちはどうしようもない。そんな切なさが伝わってきました。

 

 

10 二ツ星の料理人

過去の傷をどこかで引きずりながらも、生まれ変わって一念発起、三ツ星レストランのシェフを目指す主人公。最初はあまりにも三ツ星にこだわり、野心が満々でギラギラしている印象だったのが、最後にはすっかり力が抜けて、彼本来の人間性がようやく表れたような形でめでたしめでたし。かつていろいろな人に迷惑をかけた中で、その彼を受け入れる者、密かに復讐を誓う者、あからさまにライバル心を燃やす者と色々でしたが、腕は確か。最後は落ち着くところに落ち着いたという展開で、全体的にはまずは観ている側の想像するとおりに進んでいった印象です。ダニエル・ブリュールはレストランのオーナー役。