●片岡礼子 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

片岡礼子 出演映画 ベスト10

 

大病を克服して、その後もコンスタントに活躍している

実力派の女優さんです。

 

1 愛がなんだ

本当にダメダメな男女ばかりなのですが、そのダメさがほっとけなくて、なんとか応援したくなっちゃいました。特に岸井ゆきの演じる主人公は、男にとっては都合のいい女で、それに気づきながらも、好きさのあまりに自分の中で納得させてずるずると振り回され続けるのですが、それがいじらしいのです。そのいじらしさは、岸井ゆきのの演技によるところが大きいのでしょうが、だめだめであるほど彼女が可愛らしく見えてしまうのです。その好きな相手に振り回される構図が、この作品では他にもあって、計3組の男女が似たような状況にあるから、まあ結局人のことは客観的に見えても、自分のこととなると、みんなダメになってしまうのでしょうね。江口のりこ演じるたばこプカプカの、観ていていかにも痛そうな女性に振り回されるマモルくんを観ていると、特にそう思いました。そんなだめだめ恋愛にはまってしまう彼女たちですが、そこが人間らしくて、この映画を好きになりました。岸井ゆきの演じる上司を片岡礼子が演じています。

 

 

2 楽園

とにかく終始息苦しさを感じる作品で、このあたりはいかにも瀬々監督。解明されない少女失踪事件に関わる人々のその後の人生、だれをも幸せにすることのない事件はそれだけにとどまらず、関わった人々の生活にも影を落とし、時間がいくら経過してもそれは消えることなく、それぞれの人にのしかかってくるのです。一方で異質なものを排除しようとする昔ながらの凝り固まったコミュニティでは、個人での行動や新しく変えようとする意見は徹底的に叩き潰しにくるため、ちょっとしたことで独り孤立してしまいます。周囲の目が常に光る小さい限定されたコミュニティに戻ってきた男が、その孤立から起こした惨劇。冒頭の事件も明確な真実が明かされるわけでもなく、終盤の連続殺傷もその描写を最低限に抑え、犯行がどのような経緯で行われたかを明確には見せません。ただただ重く人々の心にのしかかり、なかなか人生を前へ進めることができない人々の胸の中の葛藤だけが伝わってくるのです。周りの人々の誰もが自分を知っているような濃密で狭い社会では、よいこともちろん沢山あるのでしょうが、この映画ではその生きにくさのようなものがよりクローズアップされ、重たい気持ちになるばかりでした。そんな地元を抜け出したくて東京へ出ていく若い女性を演じた杉咲花が好演。出戻りの子持ち女性の役で片岡礼子は出演。

 

 

3 ぐるりのこと。

木村多江の表情が素晴らしいこの作品、1組の夫婦の10年を描いた家族ドラマです。子供ができて結婚を決め、その子供を失ったことから徐々に妻の心理状態が崩れ始め、そしてまた希望が差し込むまでの夫婦の物語。その時々で木村演じる妻の心理状態の浮き沈みが大きいわけですが、その場面場面でまったく別人のような表情を見せる木村の様子だけで、すべてを物語っているようです。とにかく前半、中盤、終盤とまるで別人を演じているような雰囲気なのです。一方彼女を支える夫の役がリリー・フランキーというわけなのですが、これがまた対照的で、いつでもどんな場面でも飄々とした変わらないペースなのです。妻がどんな心理状態でいようと、そのまま受け入れる姿勢は終始一貫して、客観的に見ればすごく懐の深い夫といえるのでしょう。しかしその夫の終始一貫として変わらない態度は、妻の方の心理状態によって、とても頼りなく見えたり、或いは自ら気持ちをぶつけてこないことに対し冷たく感じたり、とっても暖かくて優しい思いやりに感じたり。とにかく変わり続ける妻の心理状態に対し、まったく変わらない夫の対応、それこそがこの映画で描かれている夫婦関係のポイントといえるかもしれません。園児殺人事件の被告として片岡礼子は出演。

 

 

4 友罪

過去に起こした自分の罪とどう向き合って、その後の人生を生きていくのか。あるいは身内が起こした罪をどこまで背負っていくべきなのか。そんなテーマのもと、かつて児童殺人を犯したあと名前を変えて更生の道を探る元殺人犯、いじめにあう友人を見捨てて自殺させてしまった元記者、東京に出てきたものの思うようにいかず流されるままにAV出演をしてしまった少女、息子が交通事故で幼い命を奪ったことで一家離散してしまったタクシー運転手。それぞれが罪を抱え、そしてこれからどう生きていくかを探りながらの群像劇は、非常に重たくのしかかってくるものがあります。そしてそれぞれが自分なりの答えを見つけ、あるいは見つけられず、この作品は多くの問いかけを残したまま、終わっていくのでした。片岡さんは村上淳と夫婦を演じています。

 

 

5 ミスミソウ

単なるいじめの映画かと思いきや、強烈な殺し合いに物事は発展していきます。田舎の中学校が舞台とは思えないほどの強烈な展開に、戦慄が走るといっても言い過ぎではないほど。可愛らしい女子中学生が残酷な殺し方で同級生を殺していく。雪景色の中に飛び散る赤い血。しかも味方だと思っていた男子生徒がとんでもない裏を抱えてたり、逆に最も対立している相手と思った金髪の女子生徒が、実はかつての親友だったということが判明したりと、展開の構図も激しく変化。意外な結末を迎え、とにかく驚きの連続でした。片岡礼子は主人公の中学生の母親役を務めています。

 

 

6 ハッシュ!

 片岡礼子の好演が光ります。また田辺誠一もそれまでとは違う魅力を見せるなど、俳優陣の奮闘で興味ある作品になっていました。しかしながらどことなく完結していないような、すっきりしないような感覚が残るのもまた事実で、人間関係の「なぜ」という部分が、もうひとつピンときません。どうして彼等ではないといけないのか、朝子と若者はどうなったか、勝裕と同僚のナガタさんとはどうなったか、朝子の父親は、などなど結末を見せていないエピソードがいくつかあって、その行方も気になったまま終わってしまっていることが原因なのですが…。でも当時としてはやはり斬新な作品であることには違いないでしょう。

 ハッシュ

 

7 Red

夏帆もお母さんの役を演じるようになったんだねと、どこか感慨深い思いを持ちながら観ていましたが、作品自体はそんなのんびりしたものではなく、かなり濃密な不倫ドラマです。生活には何一つ困らない裕福な家庭に嫁ぎながらも、心が満たされない様子を冒頭で見せておいて、いきなり不倫中のふたりの様子に切り替わっていきます。夫やその親に対しては、心の内を言葉にせずに従う日々に対する限界と、命がそう長くはないであろう愛する思いが、同じペースで高まっていった結果が、強い意志を持って一人娘と別れるこの結末に至ったのでしょう。出張先の大雪の際に無茶を言う夫に対しする彼女の口調の変化が、意志の変化を表しているようでもあります。確かに妻の気持ちを読み取れない夫ではあったのですが、実は妻の異変に気付いていてもそれを口に出せない気の弱さも持ち合わせていたのには驚きましたが、やはりそれ以上に、泣いてすがる娘より、骨になっても愛する相手を選んだことはかなりの衝撃でした。

 

 

8 閉鎖病棟 それぞれの朝

その病院の患者たちはみんな重いものを抱えながら、それでも生きている。そんな傷を抱えたもの同士が、時にいたわり合い、時にぶつかり合い、時に傷をなめあいながらも、寄り添って暮らしているのです。帰る場所がある者、帰りたい場所があっても帰れない者、自らの意思で身を寄せている者、それぞれ背景は違いますし、症状も違いますが、それまでに何があったのか、家族や親せきはどう彼らに接していたのか、そんな隠された部分を想像すると、重い気分にもなります。そしてそこで起きた犯罪…いったい何が正義で何が罪なのか、考えさせられる部分も多い作品になっています。それでも退院して働くようになったり、ひどい目にあっても自立して生活できるよう前に進む姿に、希望のようなものは見える気もします。そしてラストシーン。結局、人間に生きる力を与えるものは、周りの人たちの支えであり、優しさなんだでしょう、そんなことを思いながら作品は終わっていきました。小松菜奈演じる患者の母親を片岡礼子が演じています。

 

 

9 二十才の微熱

橋口監督らしいテーマと長回しをたびたび使った会話シーンの組み合わせで、なんでもない会話のやりとりの塊の中にここぞというセリフを紛らせて繋いでいくスタイルを創り上げています。男とか女とかそういう区別を越えた次元での不思議な感覚での好きな気持ちが交錯し、実に繊細で気持ちの汲みとりの難しい関係性が築かれていました。男性と寝ながら先輩の女性にもどこかで惹かれていく大学生の主人公、その彼に憧れる気持ちがありながらも自ら踏み込むことにためらう高校生の少年、そんな彼の思いを知りながらも好きで居続ける幼なじみの女子高生、そして主人公を訪ねたり招き入れたりと気になりながらも恋愛とは違う感情であることを自覚している先輩女子。結局は何一つすっきりとした形で決着することはないのですが、それがまたこの作品足らしめているようでもあり、とにかくこんな感情もあるのだということを思い知らされる作品でした。片岡礼子は主人公に想いを寄せる大学の先輩役。

 

 

10 帰郷

地味なタイトルで地味な題材ですが、なかなか深く一筋縄ではいかない物語。男の気持ちは単純で分かりやすい。かつて愛し、一度だけ関係した女性(片岡礼子)に再会し思いが戻ります。その娘が自分の子供でないかと思い出し、父親になる決心までするのですが、最後は透かされてしまいます。一方女の気持ちがまったく分かりません。自分が男だからだけでしょうか。思わせぶりに自宅へ呼んだり、娘があたかも男の子供であるかのように話しながら、自分は姿を晦まし、そして男が決心した途端に、何事もなかったような顔で父親であることを否定するのです。ある意味性悪女にも見えるし、別の見方をすれば素直になれず自分だけで問題を抱え込む真面目な女にも見えます。そして映画では結局最後まで答えを明かさないのでした。

 

 

11 犯人に告ぐ

12 KAMIKAZE TAXI

13 函館珈琲

14 続・深夜食堂

15 鬼火

16 ヘヴンズ ストーリー

17 ラーメン食いてぇ!

18 まほろ駅前 多田便利軒

19 愛の新世界

20 武曲 MUKOKU