●原田泰造 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

原田泰造 出演映画 ベスト10

 

お笑いタレントの中で俳優としても活躍する人は多く、

その中の一人、原田泰造氏をとりあげます。

 

1 アントキノイノチ

決して派手な作品ではないけれど、生きること、命のあることについて深く考えさせてくれる素敵な作品。主演の二人、特に榮倉が、心に傷を負った繊細な役を好演し、同じような経験をしていない者でも、その痛みがきちんと伝わってくるような演技でした。設定の割にドラマティックな展開があるわけではなく、映画自体は淡々と進みますが、その静けさゆえに、心を揺さぶるということもあるのでしょう。ただラストのありがちな処理は好みではありません。もう少し必然性と説得力ある結末でしたら、もっといい余韻を持って観終えることができただろうにと思うと、その点が惜しい気はしました。岡田将生演じる主人公の職場の先輩を演じるのが原田泰造。

 

 

2 少年H

本格的な戦争突入前の比較的穏やかな時代から始まり、本格的な戦争模様に突入、命からがらの空襲、そして敗戦、復興と、第二次世界大戦前後の時代の空気感の変遷と、それに伴う庶民の生活の変化を描き出したという意味で、意義深い作品であったと思います。この一家は、当時としては少なくとも貧しい方ではなかったでしょう。家も定職もあって、とりあえず食事もなんとかなっていたようです。その中で伸び伸び育ってきたはずの少年でしたが、厳しさが増す世相の中で、物事を正しく見る目と、一方で自分の身を守っていく術を父親から学ぶ中で、さまざまな葛藤を抱えて生きていく様子に惹きつけられる部分が多かったです。上映時間の割にボリューム感のある作品で、特に当時の町の様子、家の様子、そして空襲の後の焼野原と、それらを再現した映像が見事でした。戦後、ちゃっかり新しい生き方を見つけて態度もころりと変えていく教官たちの姿に、かえって逞しさを感じたりもしました。原田泰造は軍事教官の役。

 

 

3 ジャンプ

忽然と消えた恋人を探す主人公が原田泰造。ミステリー調の前半からラブ・ストーリーがかりながら、最後は人間の生き方まで問うような展開の中、特に運命というものを強く感じさせられる物語でありました。偶然が重なったことで、帰宅しないまま出掛けることになった恋人、その重なり方は来るべき結末のための運命だったのか、最後に達観したようにそのことを悟る主人公に、5年半の間の成長をうかがえます。よくよく考えると、連絡ひとつできなかったのかとも思える部分はあるのですが、謎解きをするように観る者をひきつけていく構成は、行き着くところがやや意外なところであったにしろ、なかなか上手でした。

 

 

4 アウトレイジ 最終章

メンバーは入れ替わっても、やっていることは期待通りの敵味方入り乱れて、殺し殺されの大抗争。時々挟む1つのカットにユーモアを取り入れるセンスは北野武ならではですが、誰が味方で誰が敵で、最終的にどう収まるのか、今回も目が離せない展開で楽しかったです。3作目で、俳優もかなりそれまでに死んでしまっているので、その点で迫力的にやや欠けたというものはありますが、それでもこの先の読めない展開が最後まで続き、面白く観られました。そして今度こそは明確に大友が死んでしまうことで、本当にこれが最終章になるという意思も強く感じました。チンピラの一人を原田泰造が演じています。

 

 

5 四十九日のレシピ

亡くなった乙美さんは素敵な生き方をしてきたのだということがしみじみと伝わってくるような心温まる映画でした。お腹をいためた子供を産むことがなくても、世の中に名前を残すような功績を残したわけでもなくても、彼女が周りの人々に残し伝えてきた思いの数々だけで、十分に生きた証を刻むことができたということです。回想シーンでの家族との出会いを除くと、彼女が何をしてきたかと言うことは映像でまったく見せていないにも関わらず、生前の彼女が周りの人々に対してしてきたことが目に見えるように感じられ、そのあたりの見せ方というのは巧みだったと思います。夫婦関係にしても、義母さんとの関係にしても、血の繋がり以上に、時間をかけて築いてきた人と人との繋がりの強さを感じさせる作品でした。永作博美演じる主人公の不倫中の夫が原田泰造。

 

 

6 アイネクライネナハトムジーク

人の縁とか繋がりとか、そんなことら思いを馳せらすような作品です。作品の中でもあるように、あの時出会っていたのが別の人だったらどうなったのか、いい出会いだったと思えるのか、それをいつの時点で判断するのか…結局答えなんてないのですが、それもこれも人の縁、そんな気がします。そしてこの作品では、本人が知らないところで、不思議と繋がりがあったりと、案外狭い世界の中で繋がっているんだなということも感じさせるのです。10年前と10年後、その時間の経過の中で変化するものと変わらずありつづけるものがある中で、それでも人と人とは繋がっていて、それが人の人生にも少なからず影響し合っているのです。登場人物も多いのですが、どの人物もどこか憎めない愛らしさを持っていて、ついついみんな頑張れと応援したくなるような気持ちにさせられました。三浦春馬演じる主人公の上司を原田泰造が演じています。

 

 

7 ピーナッツ

男って何歳になっても子供なんだなと、なんとなく自分自身がくすぐったくなるような、恥ずかしくなるような映画でした。映画としてはやはり素人っぽさは否めず、脚本も演出もコントの延長線上のもののようなところはあるのですが、そもそも内村監督とこのキャストに質などははなから求めません。これでいいのです。生活でも仕事でも、それぞれ思うようにいかなくて、どこか元気がなくなっていた頃、野球を通じてもう一度元気を取り戻そうと、夢中になって野球に興じている面々の姿を観て、共感を覚えてしまうのでした。原田泰造は警官役で登場。

 

 

8 神様のカルテ2

前作では、あまりに浮世離れした栗原夫妻の会話や生活についていけない部分があったのですが、今作についてはその描写も過度にならずに、またテーマに沿った形で3組の医師夫婦の中の1組という形で一般化されて描かれることで、すんなり受け取ることは出来ました。作品の中ではそのテーマ「医療現場で働く医師にとっての家族」を分かりやすく提示したうえで、強引に答えを示すはありません。現場の医師の多くが同じような悩みや葛藤を抱えて日々使命感の中で格闘しているということを、観ている人たちにそのまま伝えることで、素直にその厳しさを感じ取るができます。患者を支える医師、その医師を支える家族。今回の映画を観てから、患者として病院に行くと、また医師を見る目も違ってくるかもしれません。温かさを感じる作品でした。アパートの住人の一人として原田泰造は出演。

 

 

9 スマホを落としただけなのに

原作を生かしながら、中田秀夫監督のホラー映画で築いてきた手法を入れ込んで、無難にまとめ上げたといった印象です。ただ2時間以内で収めるために、やや急ぎすぎたところはあるかもしれません。得体のしれない相手による恐怖はありましたが、原作を読んだ時ほどではなかったのは、あらすじを省きにくい事情はあったかもしれません。それでも後半にいくにしたがい、より狂気性が増していき、ごくごく普通の生活の中の出来事が、異常犯罪に繋がっていく過程を、あなたにもいつこうなるかわからないよと注意喚起するような、現代のスマホ頼り、SNS頼りの生活に警鐘を鳴らすような一面もあったのではないでしょうか。原田泰造は刑事役。

 

 

10 シャカリキ!

ストーリーとしては王道をいく無難な青春スポーツ映画になっています。少々荒っぽさは目立ちますが、さわやかで気持ちのよい作品ではあります。コミックの方は他の作品同様に、まったく読んでいない者としては、それなりに楽しむことはできましたよ。この手の作品に不可欠な、無鉄砲な主人公、それを諭すコーチ、強力なライバル、女子マネ、勉強を優先させようとして辞めさせる親、嫌味な教師と、材料は揃っていますので、それらをつなぎ合わせると、こんなところになってくるのでしょう。ただ、構成がやや荒い。特に山場となる自転車レースシーンでの展開がそうとう強引でして、ややリアリティにかける内容になっているのは、どうしたものか。あっという間に追い抜かれていき、あっという間に助けが来て、あっという間に追いついていく、まるで超能力かどこでもドアでも使っているのかと思ってしまうほど。一番スリリングな場面であるはずなのに、手抜きをしたかの印象を与えかねない構成は疑問を持ちました。監督役で原田泰造は出演。