●戦時下の恋を描いた映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

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まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

戦時下の恋を描いた映画 ベスト10

 

戦時中であっても、恋する気持ちは止められないもの。

障害があるときほど燃え上がるということもあるもので、

そんな戦争中の恋を描いた作品の特集です。

作品数も多いですが佳作も多いので、30本をピックアップ。

 

1 芳華

戦争という時代の中で、戦地に慰問などを行う文芸工作団に所属する若い男女の青春模様は、その戦争というものがよりドラマティックに演出しているようです。それぞれ抱えている背景も違う団員達、家庭内でいじめられ、逃げるようにやってきたものもいれば、裕福な家庭の出の者も、権力者の子供もいる中、いじめや秘めた恋愛、友情、嫉妬…当然こういったものが繰り広げられます。そして戦争の激化が彼ら彼女らを前線に送り込み、あるものは右腕を失くし、ある者は精神を病んでしまい、そして終戦とともに工作団は解散し、団員たちは散り散りに次の道へ進んでいくのです。純粋に人を好きになることも制限される中で、それを理解できないゆえの行動がまた人を傷つけることになったりと、観ていてせつなくやるせない気持ちにさせられることもしばしば。終盤にはその後の彼らを人生をも映し出し、もし戦争のない時代に彼らが出会っていたらと想像させるような形で、落ち着くところに落ち着いたという印象でした。戦争という束縛された時代背景が狂わせた青春模様、その中でも苦しみ悩みそして生きた若者たちの姿を映し出す、ノスタルジックな感傷を与える作品でした。

 

 

2 地上より永遠に

真珠湾攻撃直前のハワイを舞台にした社会派ドラマでもあり、恋愛映画でもある戦争映画です。軍隊の非人間性に友情・愛情を折りこんで、互いの人間関係や性格づけも明確にし、物語そのものもたのしめる硬派で骨格のしっかりした映画になっています。バート・ランカスター、モンゴルリー・クリフト、フランク・シナトラ、アーネスト・ボーグナイン、そしてデボラ・カー…競演するスターたちもみな好演。

地上より永遠に 

 

3 つばさ

記念すべき第1回アカデミー作品賞受賞作品。1927年なのでまだサイレントですが、これがなかなかダイナミックでドラマティックな作品でびっくりしました。戦争ドラマと簡単に書いてしまいましたが、ロマンス映画であり、青春友情映画であり、航空アクション映画でありと色んな要素が入り混じった壮大な娯楽作品になっているのです。迫力のある空中戦はこの時代にどうやって撮影したかと思われるシーンもあり、また泡をアニメーションを使って幻想的に表現、クララ・ボウの色っぽいシーンまでサービスし、まさにあらゆる要素を詰め込んでいます。ヒロインが片想いの彼を追いかけるシーンではコミカルタッチで描き、しかし要所要所ではドラマを盛り立てる演出と、なかなか凝っています。ある意味荒削りでまとまりがないということも言えるのですが、それを帳消しにする力強さがあり、80年前の作品ながら新鮮な気持ちで楽しむことが出来ました。

 つばさ

 

4 紙屋悦子の青春

不器用な2人が微笑ましくも、密かに思いを寄せる男の出撃に涙するけなげなヒロインを、原田が実年齢との差を感じさせない好感の持てる演技をしています。卓を囲んでの会話のシーンを長くつないで、ゆったりと落ち着いた雰囲気の、悲しくも爽やかな、戦時中ならではの恋物語を作り上げました。登場人物は少ない中、決して派手でない映画ですが、不思議にひきつける魅力のある作品でした。

 

 

5 ライフ・イズ・ミラクル

戦争をテーマにしながらも、映画全編を通して響いてくるものは人間賛歌。戦争だから人が殺されたり、銃撃に怯えたりというシーンは当然あるのですが、その中でも実に人間臭いドラマが日々展開され、自分のために皆生きています。人の強さすら感じるのである。演技・演出・音楽など作品を包むムードはコミカルタッチ。子供のためを思う親の愛が、ひょんなことから芽生えた恋心から本物の愛に発展し、子供への愛を超えるものになっていくのですが、男と逃げた妻への対応など、どこか可笑しさを誘うと同時に、愛らしささえ覚えました。主人公の二人が魅力的で、特にムスリム人女性役のナターシャ・ソラックが美しさに愛嬌と可憐さを兼ね備え、実に魅力的。前半は動きがなくやや退屈だが、中盤以降はファンタジックなシーンなどもあって、ぐいぐいと引き込まれていって、2時間30分の長さを感じさせられなかったです。

 

 

6 トリコロールに燃えて

戦時中のある種歪んだ愛情の行く末をドラマティックに描く悲劇として興味深く観られました。シャーリズ・セロンがシーンによって全く違った顔を見せ、どんなシーンであるのか、それだけで状況が分かるようなほどの熱演を見せてくれます。一方ペネロペ・クルスは途中であっけなく死んでしまったりして、前半の3人シーンが後半になってあまり意味を成さなくなってしまうのが、存在感としてはもったいない。タウンゼントは色男だが、この役としては線が細く感じました。だが時代に翻弄され、本当の気持ちを現すことができない女性の生き方が悲しい。

トリコロールに燃えて 

 

7 きみに読む物語

なんの衒いもない純愛ストーリー。ずばりテーマは永遠の愛。作品の中で展開されている10代から死ぬ瞬間まで続いていく愛情は、ある意味理想であります。死ぬ瞬間まで寄り添って死んでいくという教科書のようなラストなのですが、幸せな気持ちにさせてくれる映画でもありました。

きみに読む物語 

 

8 スカートの翼ひろげて

戦争という時代背景もあって、3人の女性の青春がノスタルジックに描かれている作品です。恋愛と結婚の話がすべてになったところが残念ですが、でもそれがどの時代であっても同じである若い女性のリアルなのです。 戦時であるという背景と、田園地帯ののどかな風景の対比で、雰囲気も素敵。邦題もしゃれています。

 

 

9 モロッコ

なにはともあれ、今から80年近くも前にこの映画が作られているということが驚きです。この映画に映っている俳優・エキストラ、そのほぼすべてに近い人数が、既にこの世にいないと思うと、映画というものが、娯楽や教養としての意味以上のものを持ち始めているということを感じます。さて、それはさておきこの作品、好きな相手との結婚をあきらめやさしい金持ちとの結婚を受け入れるものの、やはりあきらめきれない…古今様々な映画で描かれてきた悲恋の形態でありますが、その形の恋愛映画のまさに古典といって良いでしょう。アンニュイで蓮っ葉な雰囲気を漂わすディートリヒが最後に見せる、先を考えないただただ情熱から湧き上がるがままにとった行動は衝撃的であり、強い余韻を残します。もちろん映像的には、今には比べることができないほど技術は未発達なのですが、そのぼやけた雰囲気ががかえって、異国での戦時下の恋愛模様をムードあるものに仕立てているから不思議です。たまにはこうしたトーキー映画が作られ始めた頃の作品を鑑賞してみるのも、新しい発見があっていいものです。今の時代にセットやCGで作る昔の映像よりも、リアルタイムで撮られたものとしての時代の映像にも興味を惹かれます。

 

 

10 愛する時と死する時

戦時下を舞台にしたドラマチックなメロドラマです。出会い、恋愛、結婚、別れ、死といった一連の男女の流れに、戦争の悲劇、肉親との死別、正義といった要素が盛り込まれ、かなり盛りだくさんの内容です。戦争における正義や良心は身を滅ぼすという皮肉な結末が空しく余韻を残します。

 

 

11 最愛の大地

12 小さいおうち

13 また逢う日まで

14 風立ちぬ

15 銀幕のメモワール

16 名誉と栄光のためでなく

17 友情の翼

18 ハノーバー・ストリート 哀愁の街かど

19 この国の空

20 ラブ アンド ウォー

 

21 フランス組曲

22 若き獅子たち

23 ルシアンの青春

24 ドレスデン、運命の日

25 田園の守り人たち

26 ラインの仮橋

27 フライボーイズ

28 さらばラバウル 最後の戦斗機

29 離愁

30 エーゲ海の天使