●前野朋哉 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

前野朋哉 出演映画 ベスト10

 

パイプレイヤーとして活躍する俳優さんです。

 

1 大人ドロップ

高校生の男女4(前野朋哉もその一人)の繊細かつ不安定な心情を丁寧に描き、好感度の高い作品に仕上がっています。余分なクラスメイトを登場させることなく、ほぼ4人の関係に絞った分、会話だけでなく表情や態度もじっくり描くことができ、言葉にしない彼ら彼女らの秘めた思いなども如実に伝わり、心が痛くなるほど。特に主人公由の心の言葉として時々ナレーションを差し込むことで、彼の迷いや揺れ、嫉妬心、恋情、状態は同じ男として、若いころを思い出しながらも共感できるところが多かったです。また性格の違う二人の女子もそれぞれ魅力あるキャラクターとして描かれていて、特に春ちゃんの素直な一生懸命さには、年甲斐もなくキユンキュンさせられました。最後に示されるその後の彼らの関係には、それが大人への成長ということなのかもと思いながらも、どこか寂しさを感じたりもしましたが、作品全体に映し出される大人への成長過程にある等身大の高校生の姿に、懐かしくも切ない思いでした。

 

 

2 桐島、部活やめるってよ

男女とも多くの生徒が登場しながらも、それぞれのキャラクターや個性がしっかり確立されているので、どの生徒と生徒が絡んでも、それぞれのシーンを面白く観ることができました。原作以上に、「桐島」の存在にこだわり、実験的でありながらも、さわやかな青春群像劇として成立させた吉田監督の手腕を改めて認識させられた思いでもあります。キャスティングも興味深く、名前よりも、キャラクターのイメージを重視していて、この手の青春映画にありがちな、今をときめく売出し過程の人気俳優が勢ぞろいというアイドル映画とも一線を画し、リアリティのある感じが良かったと思います。個人的にはバレー部の控え選手に憧れるバドミントン部の女性にちょっと肩入れして観てしまいました。原作の縛りがある中では、一本の映画としても手堅くさわやかにまとめられて好感が持てました。前野朋哉は映画部の生徒として出演。

 

 

3 モテキ

素直に楽しかったです。音楽の使い方も、途中で挟まれるミュージカルシーンも、バラエティ豊かなゲスト出演者も、そしてエンドロールのセンスも、すべて賑やかさとごちゃ混ぜ感を演出していて、これはこれで一つの統一性とみてもいいのではとさえ感じさせられました。ストーリーの成り行きだけでなく、次はどういう手法で見せてくれるのか、誰を使ってくるのか、何の音楽をどんな形で使ってくるのか、そういった部分にもワクワクさせてもらい、逆にどうせテレビドラマの映画化作品だからと、肩ひじ張らない姿勢が、いい方に向かったのではないでしょうか。前野朋哉は居酒屋店員役。

 

 

4 銀の匙 Silver Spoon

好感度の高い爽やかな青春コメディでした。ここのところ立て続けに作品が公開されている吉田監督、ちょっとひねった感じの作品群とは違ったストレートな味わいながらも、コメディ映画をきちんとまとめ上げる力量に改めて感心させられました。高校生ながらそれぞれが背負う物を抱えている生徒たちに、ともするとどこか説教臭くなりやすいところを、硬軟緩急を使い分けて、笑えて泣ける作品に仕上げていたと思います。また、作品ごとに個性的なキャスティングを見せる吉田監督ですが、今回もところどころ絶妙な配役を見せています。生徒を演じたキャストたちは、けっして演技が上手いというわけではないのですが、個性的でキャラクターも明確。その分周囲に贅沢なほどに知名度実力充分の名優、人気俳優を配置。かと思うと、映画にはほとんど縁のない上島氏をぽっと使ったり。そのあたりの絶妙な加減もあって、十分に楽しませていただきました。前野朋哉は小野寺君を演じています。

 

 

5 でーれーガールズ

女子高時代の甘くほろ苦い友情物語、わだかまりをどこかに抱えたまま別れてから30年ぶりの再会。青春時代から心に引っかかったままの後悔が、その再会によって溶けていくような穏やかな気持ちになれるとともに、まだ心の大人になり切れなかった少女時代を懐かしくも苦々しい思いで振り返る様子に、青春映画特有の味わいを感じることが出来ました。原作の雰囲気をもそのまま引き継いだ好感の持てる演出で、地方色の強い良い作品に出会えました。

 

 

6 日々ロック

野村周平演じる拓郎の極端でいかにも漫画チックな所作や話し方を見ていると、どうしようもなく軽い映画かと思うのですが、これがなかなか気持ちの入った素敵な作品になっているから意外や意外。冒頭にヒロインが何か病気を抱えていることは観客には伝わっているので、いつ何が起こるのかということを覚悟しながらの鑑賞であったので、終盤の咲が倒れてからの展開もある意味予定調和ではあるのですが、そうでなかったときの唐突感に比べると、むしろこれで良かったと思います。野村周平の歌も、下手だけれど気持ちが入った熱いものを感じましたし、それに合わせた楽曲もなかなか魅力的でした。悲しい話ではあるのですが、でも不思議な爽やかさがあとに残る心地よい作品でした。二階堂ふみは相変わらず、なりきりぶりが凄い。病気で寝ているシーンもそれらしく見えましたし…。前野朋哉はバンドのベース役。

 

7 グラスホッパー

原作を好きな方には不評のようですが、クライム・サスペンスのエンタテイメントムービーとしては面白く観られました。殺し屋たちと裏のチーム、超悪女、そしておどおどしどおしの元教師とまさに群雄割拠(?)。複雑に絡み合った鎖が絡み合いながらも一つの場所に集結し、そこで行われる惨状は、どぎついところもありましたが、先の読めない展開でワクワクもさせられました。そして最後に待っていたあっという意外な真実。かなり乱暴で時に嫌悪感を抱かせるような血まみれの殺し合戦もありましたが、その中で唯一常識人的な感覚を持ち合わせていた生田斗真演じる元教師の存在がクッションになって、安心感を与えてくれました。野次馬の役で前野朋哉は出ています。

 

8 イニシエーション・ラブ

この原作をどう処理するかと思ったら、なるほどそうしましたか。考えましたね。日付に年を入れないで月日のみにしたところがみそですね。80年代の小道具をふんだんに盛り込んだところは、その時代に青春時代を送った者としては、くすぐられるところはあります。使われる音楽が必ずしも86から87年という時代に合致しない者がいくつかあったのは残念で、そこまで徹底してほしかったというのはあります。それにしてもマユという女の怖さ。一方で堕胎までして捨てられた可哀そうな女性を演じながら、並行して恋に奥手な女性を装い男を引き寄せる悪女ぶり。子供かと思わせておいて裏の顔は…。二人に「初めて送るの」と言って同じプレゼントをあげるのは、これ以外にも同じ手を使っているのではと思わせます。言い間違いがないように、無理やり同じ相性で呼び、間違いを起こさないようにする用意周到さ。一方でルビーの指輪を返すところなんかは、金や物が目的でもないらしい。いったい何を考えていたのか。ラストに見せる微笑みの恐ろしさよ。作品のトリックの肝となる梵ちゃん役で前野朋哉は出演。

 

 

9 舟を編む

辞書編集という地味で時間のかかる作業を取り上げてはいますが、それだけに達成感もまた心地よいものでした。15年あればいろいろなことがあるのは当然ですし、人の入れ替わりもあるわけで、その中で最初から最後までぶっ通しで携わった主人公には、不思議な愛着がわいてきました。松田龍平としては珍しい、不器用で朴訥、地味でオタクっぽい役どころでしたけれども、違和感なく演じていましたね。さらには池脇千鶴、黒木華、渡辺美佐子といった脇役の女性陣のキャラクターが経っていて、地味な主人公に対していいアクセントになっていたと思います。宮崎あおい演じる香具矢との関係性がもう少し丁寧に描かれていたらなお良かったですが、全体として好感の持てる作品になっていたと思います。

 

 

10 勝手にふるえてろ

妄想癖が激しく、10年前からの片想いの相手に固執して、新たな恋にはまったく目がいかないイタイ女性。そんな偏屈で変わり者のOL女子を松岡茉優が好演した一作。暗いし変わり者なんだけれども、観ている側からするとなんか助けてあげたくなってしまう不思議な魅力を持った主人公で、松岡茉優によりそれを見事にさらなる魅力づけに成功。同年代の「いけていない」と自覚する女子にとっては、結構共感したり、あるいは自分を映しているような気で嫌悪感を持ったり、そんなこともあるのではないでしょうか。最後の方になると、さらに妄想の激しさが明るみになるのですが、そんなところも含めて不思議な魅力の詰まった作品になっていました。前野朋哉は駅員として登場。