●袴田吉彦 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

袴田吉彦 出演映画 ベスト10

 

先日取り上げた鈴木砂羽さんと同じく、

我が地元出身の俳優氏です。

 

1 渚のシンドバッド

同性の同級生を好きな主人公の男子高校生、その気持ちを知っていながらその男の子が気になるトラウマを抱えた女子高生、そして主人公の恋愛の対象でしかもその女の子を好きになってしまった同級生男子、微妙なバランスで関係を保つ三角関係が繊細に描かれた作品です。部活動、夏休み、高校生の日常的な背景の中でそれぞれの揺れる思いが痛いように伝わり、魅力ある作品に仕上がっています。メインキャストを務める浜崎あゆみも、もしこっちの方向に進んでいたらどうなっただろうと、想像を膨らませるような好演でした。袴田吉彦は体育教師役。

 

2 明日の記憶

若年アルツハイマーという深刻なテーマであり、いつ自分や周りにふりかかってくるかもわからない問題でもあります。ただしその描き方に、あまり強烈な刺激を与えるでもなく、無理に泣かせようとするでもなく、病気は病気として事実を受け止めながらも、どこかに生きがいを見出せるような暖かさが感じられるのです。現実はもっともっと汚い、厳しいものかもしれませんが、そういったものは別の作品にまかせましょう。現実的に起こりうることだからこそ、病気をことさら暗く捉えすぎないように、それでも生きていることが大事なんだよということが、あらためて伝わってくるのでした。主人公の部下の役で袴田吉彦は出演。

 

3 聯合艦隊司令官 山本五十六

名前こそ聞いたことはある者の、実際にどういう人物なのか知らなかった私のような観客にとっては、親切丁寧で分かりやすい戦争映画になっていたと思います。山本五十六の見識、人となりにスポットを当てながらも、当時戦争に突入していった背景や、その作戦の意味、戦争に対する当時の世論など、戦争そのものについても解説されていて、一見無駄に思えるシーンも、実はその解説的な意味合いが込められたりしている好感が持てる作品です。幾分生真面目すぎるきらいはありますが、多くの人に太平洋戦争のさわりだけでも知ってもらうという部分で意義深いと思いますし、十分に見応えあるものでした。袴田吉彦は新聞記者役。

 

4 大失恋。

久しぶりに観ると、まずは錚々たるキャストの今を考えて、引退した者、第一線で活躍している者、転身した者などいろいろで、時の経過を感じました。キラキラした感じが当時の世相を表しているのと同時に、accessのテーマソングなど、流行りや当時最先端のものが小道具としてもちょこちょこ取り入れられ、別の部分でも楽しめました。とにかく多くの人物の関係が入り組んで、楽しい映画です。袴田吉彦は似顔絵描きの役。

 

5 ときめきメモリアル

映画の質どうこうよりも、高校最後の夏休みにいい思い出を作りたいというベタなシチュエーションの青春映画に弱い私。自分の高校最後の夏休みは受験勉強100%で、こんな青春を送ることが出来たらどんなに楽しかっただろうと、それだけでこのシチュエーションに酔ってしまうのであります。友情あり、淡い恋心あり、ちょっとしたすけべ心ありと、こういったアイドル青春映画には欠かせない要素もふんだんに詰め込み、てらいのないストーリーが展開されれば、アイドルの演技なんて二の次三の次。可愛ければいいのです。アイドル映画なんて、アイドルが可愛く生き生き取れていればOK牧場なのだ。袴田吉彦はホテルマンを演じています。

 

6 二十才の微熱

橋口監督らしいテーマと長回しをたびたび使った会話シーンの組み合わせで、なんでもない会話のやりとりの塊の中にここぞというセリフを紛らせて繋いでいくスタイルを創り上げています。男とか女とかそういう区別を越えた次元での不思議な感覚での好きな気持ちが交錯し、実に繊細で気持ちの汲みとりの難しい関係性が築かれていました。男性と寝ながら先輩の女性にもどこかで惹かれていく大学生の主人公、その彼に憧れる気持ちがありながらも自ら踏み込むことにためらう高校生の少年、そんな彼の思いを知りながらも好きで居続ける幼なじみの女子高生、そして主人公を訪ねたり招き入れたりと気になりながらも恋愛とは違う感情であることを自覚している先輩女子。結局は何一つすっきりとした形で決着することはないのですが、それがまたこの作品足らしめているようでもあり、とにかくこんな感情もあるのだということを思い知らされる作品でした。袴田吉彦主演作。

 

 

7 書道ガールズ 青い青い空

不幸にも先行した同様企画の成海璃子版とタイトルがかぶり、タイトルの修正を余儀なくされたこの作品ですが、ストーリーの内容まで大きく重なっており、地方発で公開も遅れたこちらの作品の不利は如何ともし難いものがありましょう。高校生の音楽に合わせた書道パフォーマンス、ヒロインの親との確執、人数集めに苦労する部員、いじめられっ娘、パフォーマンス書道を受け入れられない書道の才能ある同級生、そして代理でやってきた異色教師と、同じ原作があったのではないかと思わせられるほどの酷似。ただ2つを比べて観ますと、やはりこちらの作品にも特徴といいますか、優れているところはちゃんとあります。この浜松映画版、華やかさとかエンタテイメント性のこなれ方という点では、先行版に一歩譲ります。メインとなる女子高生のキャストの実績や知名度、或いは当初から全国公開を前提とした規模感などを考えれば、それはやむを得ないでしょう。ただ一方で、書道の世界への誘い方、つまり素人に対する書道の楽しみ方の親切な説明という部分ではこちらの方が勝っており、先行版で感じなかった書道への興味もこの映画を観ているとふつふつとわいてきて、なんとなく筆を持ちたくなる気分にさえなりました。また、いくつかのシーンにおいてはじわーっと感動させる力というものも感じ取ることができるなど、こちらも負けていなかったと思います。地元の縁で袴田吉彦も出演しています。

 

8 蒼き狼 地果て海尽きるまで

モンゴルの話を日本人が日本語で演じるという不利な条件もあり、出来映えを危惧しながらの鑑賞でしたが、それほどひどくはなく、ある程度観られるものにはなっていたように思います。特に反町隆史の頑張りが目立ちました。強奪、復讐、裏切り、謀略といった戦争時代劇には欠かせない要素に、数奇な運命の元に生まれた3代に渡る親子のドラマが盛り込まれ、ドラマとしても見応えのあるものにはなっています。角川さんがやりたかったことはこういうことなんだろうなと、妙に納得させられました。CGに頼らない壮大で本格的な時代劇、しかし日本のものではもう大概使い古されていますし、それ以上に狭い国土の物語ではスケール感には限度があります。そこで目をつけたのがモンゴルを舞台にしたチンギス・ハーンの伝記ということなのでしょう。

 

9 Life 天国で君に逢えたら

死を前にしたプロサーファーと家族や友人の厚い絆を、奇を衒わずにストレートに描いたものになっています。夫婦愛、親子愛を軸に、彼を支える友人、先輩も皆いい人ばかり。このあたりは「実話」ということからすると、酷い描写はなかなか出来ないでしょう。ですから、最初から最後まで美談的な雰囲気の中で物語が語られ、また一方では極端に感動を誘発するような演出もなく、いい人たちの、いい人たちによる、いい人のための映画として無難にまとまった作品になっていました。その「無難」というあたりで、やや食い足りなさは感じますが、この題材では仕方ないでしょう。ただし展開的には、余命わずかとなってからの動きが急に遅くなり、ラストに来てしまらなかった印象はありました。サーフィン仲間の一人として袴田吉彦は出演。

 

10 ミッドナイトイーグル

決してつまらない映画ではないのですが、事柄のわりに緊迫感がたまり伝わらない、淡々と経過していく普通のサスペンスで終わってしまったのは残念です。それにはいくつかの理由があると思いますが、まず基本的にはやや現実感に欠ける設定で、大げさな演出が不可欠な類の作品のはずなのに、それがあまり出来ていないことは言えるでしょう。いかにも大ごとだという差し迫った感じがどうも伝わらなかったのは、演出が大人しすぎたように思います。どうせリアリティの薄い話なのだから、もっと派手に見せた方がスケール感も出せたように思いました。それから、描き方が守る側の視点だけで描かれているのも、映画を小さくしてしまっているように思います。袴田氏は内閣危機管理監役。