●滝藤賢一 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

滝藤賢一 出演映画 ベスト10

 

エキセントリックな役柄がはまる曲者俳優をとりあげます。

 

1 64 ロクヨン 前編/後編

見応えのある犯罪ドラマでした。犯人、被害者の家族、捜査に当たった者…それぞれが抱えた14年の重さが一気になだれとなってのしかかるような、そんな重みを感じさせられます。一方でメンツを守ろうとする警察組織、そんな警察に不信感を募らせる記者たち、間に入り振り回される広報、それぞれの立場がぶつかり合った感情的なやりとりも緊張感に溢れていました。子供の命を他人に奪われそこで時間が止まったままの父親の無念、同じように娘の行方が分からなくなっている主人公の広報官にとっては、まさに他人事ではなかったのでしょう。自分の思いと被害者の父親の思いが重なり、最後の強行に走ってしまったのも充分に理解が出来ます。豪華キャストが揃い、前編後編合わせて、ひと時も興味がそれることなく、集中して鑑賞することが出来ました。県警の刑務部の部長役で滝藤賢一は出演。

 

 

2 クライマーズ・ハイ

熱くそして重厚な社会派ドラマとして、非常に見応えのある作品になっていました。大事故を題材にして、新聞社という特殊な中で戦っている記者たちのドラマを熱気ムンムンに描き出す、そんな映画でした。新聞社の中でもそれぞれの立場や考え方によって、意地とプライドとメンツがぶつかり合う凄まじさが如実に表され、その熱さに圧倒される思いでした。キャスティングについても、知名度や華やかさよりも、演技力やその役に合うかどうかということに重きを置いてなされているようで、とてもよかったように思います。記者の一人として滝藤賢一も出演。

 

 

3 孤狼の血

警察やくざの間の微妙なバランスの中での綱渡りの攻防。命を削り、法的に一線を超えながらも、堅気の人間が巻き込まれないようにということを第一に、無用な抗争を阻止しようとするベテラン刑事。その刑事の常軌を逸した行動に、スパイとして送り込まれた大卒の若手刑事の正義感との間での葛藤。やくざ同士の抗争だけでなく、警察内部での護身のための駆け引きや、警察とやくざの間でのギリギリの交渉。緊張感のある中でさまざまなドラマが織り込まれ、見どころの多い作品となっています。そこに作品の中で一つのオアシス的な役割を果たした果たす阿部純子の存在に、安らぎを覚えるのですが、これもラストシーンで裏切られるわけで、そういう意味では仕掛けにも凝った作品になっています。滝藤賢一は県警の監察官を演じています。

 

 

4 虹色デイズ

ザ・青春映画です。4人の男子高生の友情と恋愛にまつわる話を主軸に、高校2年から3年生の間の期間をキラキラ眩しく切り取っています。もてもてだったり、安定したステディがいたり、片想い中だったり、本物の恋を探し中だったりと、それぞれキャラクターは違えど、まさに青春しているなあと、ついつい懐かしく振り返ってみたり、うらやましく思ったり、そんな気持ちにさせてくれる映画でした。ある意味特別な出来事があるわけではなく、文化祭だったり、球技大会だったり、どの高校にもあるような行事を背景に、進路や勉強の悩みも盛り込んで、等身大の高校生を身近に感じられるような内容だったと思います。滝藤賢一は先生役。

 

 

5 悪の教典

1本の独立した娯楽映画として観れば、十分に楽しめるものだったと思います。ただ予告編などの事前の情報をやや出し過ぎという感はあり、ストーリー展開自体がほぼ想像通り進んでいったため、このタイプの映画でありながら意外性に欠けたのが残念です。原作を読んでいる場合は仕方ないですが、そうでない人も大勢いるわけで、もう少し展開に触れないような宣伝の仕方ができれば、本編を観たときの驚きというものが格段に増したのではないでしょうか。映画の方は、監督が三池さんということで、やり過ぎでしまうのではないかという危惧もあったのですが、意外にも適度に抑えた印象。もっとも伊藤英明を主演に持ってきた時点で、観客へのアピールはある程度成功しており、さらに某作品の二人(染谷くんと二階堂さん)セットに林遣都くんたちをサイコ映画に押し込めたことで、キャスティングは万々歳でしょ。滝藤氏は生徒の父親役。

 

 

6 バイロケーション 表

前半は自分や仲間の分身に襲われ続ける恐怖を中心に描き、観ている方も結構ドキドキ。後半からは謎に迫る中で次々に複雑な構図の真相を明かしていき、映画の展開と頭の中との追いかけっこ。一筋縄ではいかないストーリー立ては、期待以上に面白く観られました。種明かしされて、あれはどうだったの?と見返したくなることもしばしば。多少の強引さは気にはなるものの、所詮は娯楽映画なので大目に見たいと思います。滝藤賢一は刑事役、

 

 

7 許されざる者

日本の時代劇が西部劇にアレンジされたように、西部劇を時代劇に「置換」されても、違和感はありませんでした。しかし、プラスアルファを生み出すことにはならず、結果として秀作をただ日本風に置き換えただけで終わってしまったのは、監督、キャストのメンツを考えると残念です。オリジナルのストーリー自体は大きく変えていませんので、それなりの物語としては観ることはできます。けっしてつまらないということもないですし、演技も安定感があります。ただ逆に言うと、オリジナルに縛られてしまうということもあったのでしょう、冒険心とか思い切りとか大胆さに欠けてしまい、無難、手堅いといった域を出ることができなかった印象なのです。偉大なるクリント・イーストウッドに対しての遠慮のようなものが、どうも邪魔してしまったのではないでしょうか。滝藤賢一は小説家役。

 

 

8 はなちゃんのみそ汁

死を覚悟して、自分がいなくなっても最低限の料理ができるようにと教え込む母親を広末涼子が好演しています。当然お涙ちょうだい的なしめった話にはなりがちなのですが、本作は覚悟を決めた母の娘への思いや強さというものが十分に伝わってきましたし、夫を演じる滝藤賢一のキャラクターもあって、しんみりしすぎないほどよい程度に抑えられていたのが良かったと思います。脇役にもユーモア担当を配して、とにかく「私の人生はついていた」という言葉を表すために、暗くならないように、温かく家族との時間を過ごして旅立つことができたという彼女の思いを第一に伝えたいという作り手の意思が感じられました。

 

 

9 愛の渦

初対面の相手、慣れない異様なシチュエーション、後ろめたさと恥ずかしさなどから、最初は恐る恐る会話をしていた男女が、それぞれが体をさらけ出し、親にも見せない行為を見せ合うことで、次第に隠していた心の中までが露になっていく、その変化が面白かったです。恐らく初めてこんな場所に放り込まれたら、何からとりかかっていいのか、おそらく差し障りのないような会話から始めちゃうんだろうなと思いながら、彼らのぎこちなさが妙に落ち着かなかった序盤。普段なら絶対言葉に出さずに思うだけにしておくような、お互いへの本音が露骨に現れてくることに、彼らに共感と反感を抱きながらの中盤。そして少しずつ感情的なことが芽生え始め、好意だったり謝意だったり、彼らにも愛着を持ち始めた終盤。そして強烈でせつないオチまでついたラスト。この映画はかなり特異な設定ではありますが、そうでない日常の中でもこういう推移は見られるような気もして、改めて人間というものを浮き彫りにしたような作品としても捉えることができるような気がしました。参加した男女の一人であるサラリーマンが滝藤賢一。

 

 

10  SCOOP!

もっと業界の暗部に突っ込んだ内容を期待していると、意外に人間臭いドラマと、簡単にくっついてしまう歳の差男女に拍子抜けということになるかもしれませんが、敢えて汚れ役に挑んだ福山雅治の意欲は伝わります。芸能スクープばかりを追いかけていたカメラマンが、新人記者との出会いで少しずつ変わっていく…。一方の新人記者もそれ以上のスピードで成長していくという、互いに影響を与えながらいつの間にか惹かれていく二人。福山演じる主人公の年齢設定がいまひとつ分かりづらいのですが、その部分ではちょっと簡単すぎる気はします。さらに副編集長(滝藤賢一)ともかつて恋人同士で仕事でもパートナーだったというのに、あとくされなく仕事の関係を続けながらも、野火とのことを知ってもあっさり。そうして迎えた最後の衝撃的なシーン。結局かっこいいところは福山がもっていってしまうのかという気もしましたが、すべてに決着をつけるには、これだったのかなとは思いました。