●戸次重幸 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

戸次重幸 出演映画 ベスト10

 

1 恋は雨上がりのように

さわやかで素敵な作品です。高校生の恋の相手が40代半ばのバツイチおじさんということで、おじさん目線でも共感できる点で、近年多い高校生の恋愛映画群とは一線を画した味わいが良いです。アキレスけん断裂というけがをきっかけに、陸上部から離れ、アルバイトに励む中で、そこの28歳も上の店長に恋をしてしまう主人公。17歳と45歳という差が現実的かどうかはさておいて、いろいろなことを諦めかけていた45歳にも勇気と希望を与えたことには違いなく、そういった意味でも若さはやはり強いと思わざるをえないのです。45歳の店長が戸惑いながらも、理性をなくすことなく、大人らしい方法で女子高生によい道へ進めるよう促す姿には好感も持てました。ただ陸上部の女子生徒があまりにも可愛い子が揃いすぎていて、その点はやはり映画だなとは思いました。大泉洋演じる主人公の同級生の小説家を戸次重幸が演じます。

 

 

2 ぼくのおじさん

だめでぐうたらだけど憎めないおじさんと甥っ子との掛け合いがとにかく可笑しくて、笑いどころ満載。こういう映画も作れるという引き出しの広さをまたもや知らしめた山下敦弘監督。居候の身でありながら、マドンナに勝手に恋して、旅に出て、そこで本命の相手に反発しながらも、結局は人の恋の成就の手助けをしてしまう…なんか寅さんみたいなこのおじさんですが、甥っ子姪っ子もなんだかんだと言いながらも、好きなんですね、おじさんのことが。子供みたいにムカデのおもちゃで驚かせたり、屁理屈を言って嫌なことを逃れようとしたり、とにかくまったく大人らしくないおじさんですが、妙に気が合って仲良かったりもするわけで、こんな生き方ができるなんと、ある意味で羨ましかったりもするわけです。まあ、恋の行方は答えが最初から見えているような流れではありますが、味わいのある会話劇は充分に楽しめました。エンドロール後の最後のシーンで、戸田恵梨香先生が放つ一言、やはりこう来たかと、これまた予想どおりの流れではありましたが、それでもやっぱり可笑しかったです。戸次重幸は和菓子屋の御曹司役。

 

 

3 人生、いろどり

いくつになっても何かの役に立ちたい、そんなおばあちゃんたちの意欲が前面に表現されて、素敵な作品になっていたと思います。子供たちからは世話をかけないで欲しいと厄介者扱い、ブライドばかり高い夫からは自分の目障りにならないで欲しいと邪魔者にされ、親に対してはいつまでも期待に応えようと虚構で塗り固め…、そんな中で見つけた楽しみであり生きがいとなりうるニュービジネス。それまでの鬱屈した思いを吐き出すように、生き生きと動き回るおばあちゃんたちがかっこいい!そして何より、失敗しても、予期せぬ災難にあっても、やめないで立ち向かっていく姿は、人としての生き方のお手本にさえなりうるもので、若い人達にも通じる人生の指針といっても大げさではないように思います。一方で、起業映画としても、ヒントになる要素がたくさんありましたね。アイディアを実際にお金にするために必要な行動、姿勢、そんなこともこの作品が教えてくれるのではないでしょうか。吉行和子演じる主人公のおばあちゃんの息子が戸次重幸。

 

 

4 永い言い訳

主人公の人間としての成長を丁寧に追った繊細な作品で、その繊細さは西川監督ならではという感じです。妻と二人の生活の中ですっかり冷え切りながらも、表面的には取り繕い、その裏で愛人を自宅に呼び情事を重ねる日々。妻が死んだその時にも愛人と寝ていたという事実が心の引け目となって、妻の死後もねじれていくのです。妻の「愛してない」というメールを見たときのショック。そこに彼の頑なな心を解きほぐしていったのが二人の子どもと、一途にまっすぐに死んだ妻を愛し続ける無粋なトラック運転手。酔っぱらって心にたまっていたものをぶちまけた夜もあったものの、敢え無くなると心にぽっかり穴があいたように喪失感。そんな中で心に穏やかさを取り戻していく様子に、観ていてほっとしていくのです。唯一彼だけが写っていなかった写真に、彼が加わったような思いをさせるラストは、彼の今後にも光が見えたようで、後味よく作品は終わっていきました。戸次重幸は撮影関係者の役。

 

5 カラスの親指

詐欺師を主人公にした映画では、よく観ている者をも最後に騙して「あっ」と言わせるということがありますが、この映画も確かにそのひとつといえるでしょう。劇中に出てきたまさに「コンゲーム」映画ではあります。ただし、ただ騙されてスカッと「やられたなぁ」で終わるだけでなく、その背景にある状況や動機というものに、しんみりとさせられるというのがこの作品ならでは。原作を読んではいませんが、道尾修介ということであるなら、原作がまずは面白いものであったというのが、映画としての面白さにつながった一番の要因なのでしょうね。戸次重幸は豚々亭のマスター役。

 

6 同窓会

最後のオチが強烈なオチでした。高校時代のフィルムと今とを交錯させることで、過ぎ去りし青春時代の懐かしさがこみ上げてくるような作品に成っています。特に高校時代の雪を演じた尾高の笑顔がなんとも愛らしく、恋心がよく伝わってきました。兵藤ゆきのコーナーがあるなど、ギャグに近いユーモアもところどころ取り入れられ、重くなりすぎないのも良かったです。ちらっとゲスト的に戸次重幸は顔を出しています。

 

7 一週間フレンズ。

序盤、中盤と軽薄そうな主人公が、学校という場所をわきまえず、打たれても打たれても立ち上がるボクサーのごとく、先の見えない関係を必死で続けようとしている感じに、なかなか入り込めずにいました。しかも途中からやってくる転校生のキャラクターがいかにもという印象で、無理やり感はどうしても否めませんでした。しかし二人の交流が途絶えてから後のくだりは、それまで親密にしていた出来事がすべて嘘であったかのように、忘れてしまったヒロインを観ていると、こちらの方も悲しくなっていくようになってしまったのです。無理やりノートの日記を見て保とうとしている関係も、蘇った本当の記憶の前では、やはり作り物にしかならないのでしょうか。切なかったですね、そのあたりの主人公の気持ちを考えると。あとその幼なじみの同級生がぽろりと告げた告白めいた言葉もまた切なくて、やはり青春映画の恋愛ものはこれでしょうといった気持ちにもなりました。担任の教師を戸次重由真が演じています。

 

 

8 猫侍

何も斬り合い殺し合いばかりが時代劇だというわけでなく、こんなほのぼのとした時代劇があってもいいのかなとは思います。確かに武士としてはちょっと情けない主人公かもしれませんが、命を粗末にすることができず、かといってきっぱり断ることもできず、その気弱っぽい感じに、ちょっと応援したくなったりします。ただテルマエロマエと続けて見たので、北村一輝の豹変ぶりにはちょっと戸惑いましたけれども…。一家の若者頭役を戸次重幸が務めます。

 

9 ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE2 サイキック・ラブ

企画ものですから、こんな感じでいいのでしょう。突然劇団ひとりが近藤芳正にキスしたシーンはびっくり。研究所の研究員に扮していたのが戸次氏。

 

10 エイプリルフールズ

すべてではないものの、それぞれのエピソードがどこかで繋がり合っていて、その意味では工夫は見られるのですが、全体の展開としてはいまひとつ盛り上がらず、淡々と過ぎていった印象です。コメディなのでぶっとんだ馬鹿らしい設定はいいと思うのですが、クライマックスで泣かせに入ることが多く、設定の現実味のなさと無理やりの泣かせはどうも調和せず、結果として笑わせたいのか泣かせたいのか、整理がうまくついていなかったように思います。メインの人質事件の現場がとくにその泣かせとウソっぽさの融合に無理があったようです。巻き込まれた夫の約で戸次重幸は登場。