夢オチ・妄想オチ映画 ベスト10
今回のテーマはタイトルだけでネタバレにもなってしまいますので、
気になる方はこのまま逃げてくださいね。
映画における夢オチはある意味“反則”ともいえるでしょうが、
そこに敢えて堂々と挑むということは、
それだけ自信があるということにもなる気がします。
1 ファム・ファタール
良くも悪くもデ・パルマらしい悪ノリが見られる作品です。一番濃いシーンが冒頭にあって、以下は騙し騙されの世界が続く。と思って見ていると最後に最大のトリックが残されているわけで、なるほど時計の指す時間がずっと同じだったわけも、ここで解明されるわけです。そしてありがちに思えた夢オチもそれで終わらないで、それはあくまでも壮大なる伏線なのです。必ずしもすべてを理解できるわけでもなく、とにかくトリックを知った上でもう一度観たいと思わせるような作品でした。
2 うつつ
物語はクライマックスを見せるための盛大なる前振り。ほっとした瞬間に訪れる現実の世界。その対照として描かれるうつつの世界。そのうつつの世界の中で疑心暗鬼になっていく主人公。何かある、こいつが怪しい、最初からそう思わせて引きつける力がある作品になっています。清楚な妻を演じる大塚寧々だけに、そのまま他人の言うことを信じているわけではなかったのですが、まさかそれ以上の現実が待っていようとは…。
3 ボクシング・ヘレナ
恋愛において、所有欲が行くところまで行ってしまうとこんな形になってくるのでしょう、ある意味究極のラブ・ストーリーといえるかもしれないですが、一方でその異常性は恐ろしいものがあり、サイコ・スリラー的な要素も含んだ作品にもなっています。情けないダメ男と、気が強く男を手玉に取り続ける悪魔のような女、自らの所有物にすべく、ある常軌を逸した行動に出るダメ男は、いくら罵られても献身的な愛情をしめし、やがては情が移り、女も男に愛情を抱くようになるのですが…。愛するという感情も、度が過ぎると犯罪になってくるのは、ストーカーに代表されるように珍しいことではないが、受け入れられるか受け入れられないかによって、それが究極の愛になるか犯罪になるのか、実に紙一重。なかなか考えさせられる作品でした。
4 恐怖分子
エドワード・ヤン監督の才気あふれる作品です。1990年という時代特有の熱気のようなものが作品全体を支配しつつ、スタイリッシュな犯罪群像ドラマが巧みな繋がりと構成によって繰り広げられます。ほんのちょっとしたうっぷん晴らしのいたずらから人生を狂わせていく夫婦。一度悪い方へ回転しはじめた歯車は拍車をかけ、そして悲劇的な結末へ。映画館の看板の「里見八犬伝」の文字に台湾でも日本の映画がこの時代にも掛けられていたと思うと、にんまり。
5 オズの魔法使い
とにかく1939年にこんな美しいカラー映像を作ったというところが素晴らしい!現実をモノクロ、魔法の世界をカラーという二色わけで表現、愛らしいキャラクターにも共感できます。もっとも原作は夢オチではないようですね。
6 シャッター・アイランド
謎だ謎だと、宣伝や映画本編の冒頭などで煽りすぎているような気はします。そこまでいわれると、最初からすべてを疑って観るしかできず、素直に作品に入り込めなくなります。最後に「やられた」と思うのも悪くないものなのですが、到底そういうわけにもいかず、なんとなくもやもやと中途半端な気持ちで観ていたような感じでした。
7 インセプション
これを夢オチといっていいのか微妙ではありますが、ラストの形からいって、その一種といってもいいでしょう。昔から映画が作り続けられ、なかなか新しいアイディアをひねり出すというのも難しいもの。しかしこの作品で、そのあたりに果敢に挑戦する意気というものを十分に感じることができた力作ですね。ただかなり理屈っぽくなってしまったので、スピード感を持って展開していく中では、なかなかついていくのが大変です。置いてきぼりを食らわないようについていくのに必死でした。ただそれでもぐいぐいと引き込んでくる力はさすがのもので、終盤に行くに従って観ている側の集中度もどんどんと高められていきました。
8 レポゼッション・メン
奇抜なアイディアはなかなか面白く、良心との間で葛藤する主人公の苦悩がみてとれる。サスペンスとしてはノーマルな展開ですが、最後に正義が勝つがごとく、収まるところに収まって一安心。でも怖い社会です。
9 バニラ・スカイ
なんとも入り組んだストーリーで、途中で何が何だか分からなくなってしまうのですが、結局は夢オチというのはちっょと肩透かしを食らった感じ。スペイン映画のリメイク作品ということで、オリジナリティという面でも弱いのですが、それでも、不思議な世界はどこか魅力的でもありました。
10 3-4x10月
前半後半と分かれたような構成になっていますが、流れとしていまひとつ乗り切りないところがあります。全体としてはシュールなギャグをふんだんに盛り込んで、北野らしさを発揮しているものの、一方でどこか情に訴えるような要素もあって、どこか掴みどころのない作品です。そして賛否ありそうな結末。
11 青鬼
12 ブレアウィッチ2
13 Playback
14 NEXT ネクスト
15 愛人ジュリエット
16 マイラ
17 TAKESHI’S
18 69 sixty nine
19 オープン・ユア・アイズ
20 ノース ちいさな旅人