●高倉健 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

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まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

高倉健 出演映画 ベスト10

 

亡くなってからもうじき2年。

ようやく取り上げることにしました。

 

1 駅 STATION

舞台となる北海道が作り出すもの淋しい空気感が、高倉健演じる警察官と女性たちとのドラマをより盛り上げます。特に年の末の増毛駅の近くにある赤ちょうちんで、倍賞千恵子演じるおかみの店でで淋しく酒を飲むシーンは、テレビから流れる八代亜紀の演歌が心にじんわりと染み入ってきて、この上なく情感を誘います。それでいい出演する俳優陣も豪華なので華もあり、特に印象に残る高倉映画でした。

駅STATION 

 

2 八甲田山

まさに力作という言葉が相応しいスケール感のある映画。大半が冬山でのシーンで、死と背中合わせの中必死に任務を遂行しようとする男たちの必死の様子が臨場感をもって伝わってくる。映像的に迫力のあるものになっていて、観ていて惹きつけられていった。物語は史実に基づいているため、わりと有名な話ではあるが、説得力がある。今とは時代も違い、どうしてここまでしないといけなかったのか、というのは感覚的に理解するのは難しいかもしれないが、使命を追って男たちが自然の難関を克服し、無事目的を達成しようとする男意気というものは充分に響いてきた。

 

 

3 南極物語

有名になった実話をベースに、生命について重く深く踏み込んで描かれた作品となっていました。もちろん高倉健の存在も大きく、自責の念に悩まされて行脚する姿は、他の映画でも見られる高倉健そのもの。生命に対する責任感がひしひしと伝わってきます。もちろん犬たちの演技も驚き。どうやって撮影したのだろうとびっくりさせられることばかり。のちにリメイクされるハリウッド版がスカッと明るい感じでよりドラマティックに描かれていたのに対し、こちらでは生への執着と厳しさがよりいっそう如実に表されているように思いました。さらに映像の美しさは圧倒的。南極での様子はもちろん、日本でのシーンにおいても美しい自然を背景にした場面が印象的に映し出されていました。

 

 

4 新幹線大爆破

大作感があふれた邦画。力の入り具合がひしひしと伝わってくる作品です。そして犯人、運転指令長、現場の運転士、それぞれの苦悩のドラマもきちんと描かれていて、実に見応えのある作品になっています。犯人の動機がもう少し感情的に伝わってくれば、一層よかったかもしれませんが、当時の娯楽作としては頑張っていたのではないでしょうか。

 

5 飢餓海峡

3時間もの見応えある作品。一人の男が大金を手にし名前を変えて暮らしている中で、10年前に関わった一人の人間が登場することで、それを守るために犯してしまった犯罪。貧しいこの時代ならではの人生ドラマが語られています。10年前の真実は結局のところ明確になりませんでしたが、何に絶望して、或いは罪の意識か、最後の自殺のシーンはまたいろいろと想像させるラストでした。高倉健は東舞鶴警察の刑事役。

 

 

6 君よ憤怒の河を渉れ

日本版『逃亡者』的な展開。娯楽映画として徹した作品で、高倉健としては本格的なサスペンス作品です。北海道に飛んだり、東京に戻って精神病院に進んで入ったりと、とにかく舞台も目まぐるしく変わり、スピード感と緊張感に溢れた作品です。しかしコミカルな音楽をそこに乗せることで、どこか人を食ったようなユーモアも込められ、そのあたりは独特の雰囲気を醸し出しています。次第に真相に気づき出し、対立していた原田芳雄演じる刑事が、高倉健演じる逃亡中の検事に協力していく様子に、刑事としての一本芯の通ったところが見えて、かっこよかったです。

君よ憤怒の河を垂れ 

 

7 あ・うん

高倉健としてはかなり艶っぽい役で、妻がいながらも他に女性と関係を作り泣かせる役。対して板東英二が親友役ということで、その対照の妙で見せる作品でもあります。本格的に戦争に突入する直前で、まだまだ庶民の生活もそれなりに楽しめる時代の雰囲気がよく表現されていて、作品の味わいとなっています。大きな事件が起こるわけではないですが、この時代の人々の生活とか人生とか恋愛観とか、そういったものが巧みに描かれているように感じました。そして作品の最期のジャワ配転、そして召集令状が、この物語と同時に平和な時代の終焉を告げ、来たる戦争時代への突入を示しており、とても印象的でした。

 

 

8 遥かなる山の呼び声

いかにも山田洋次・高倉健・倍賞千恵子という組み合わせから想像できるような人間ドラマです。したがって、基本的に性善説に基づいて作られています。なにかわけありではあってもそれは仕方ない原因によってやむを得ず導かれた結果だったり、ちょっとした出来心かであり戒められれば人の良い本来の善の人間に戻ったり。その中で物語は凡そ予定調和的に進んでいきます。無口な男と身を削って亡き夫の残した物を守ろうとする女、ここにいるのは典型的な古い日本人ですので、繰り広げられるドラマもよくあるものでしょう。それでも次第に心を通わせていく男女の様子がごく自然に描かれていて、観ている側にも自然に思いが伝わってきます。北海道の厳しくも美しい自然を背景にした素朴な人間関係に、昔ながらの情と助け合い精神を見出せ、心が表れるような気持ちにさえなりました。

 

 

9 居酒屋兆治

高倉映画には北海道を舞台にした作品がかなり多いのですが、これも函館の居酒屋が舞台。居酒屋を営む高倉健演じる主人公と、大原麗子演じるかつての恋人との関係を中心に、不器用な男女の悲しい恋の行方をしみじみと描いています。とにかく北の街の空気が似合う健さんでした。

居酒屋兆治 

 

10 網走番外地

『手錠のまゝの脱獄』の日本版という終盤の展開。孤高の人高倉健のイメージはすでにこのときから確立されていたという感じの作品です。どこか筋の一本通った犯罪者ということで、そのあたりは今観ても若くても高倉健そのものですね。

 

11 夜叉

12 野性の証明

13 あなたへ

14 冬の華

15 単騎、千里を走る 

16 海峡

17 日本侠客伝 花と龍

18 無宿

19 地獄の掟に明日はない

20 幸福の黄色いハンカチ