●ラブ・サスペンス ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

ラブ・サスペンス ベスト10

 

情愛ごとの中でのスリリングな展開

好きなジャンルの一つです。

 

 

1 ラスト、コーション

激しいベッドシーンの話題ばかりが先行し、ムード重視の単なる官能ロマンス思いきや、二人の愛の物語と同時に、サスペンスとしての展開にも目を離せず、緊張感漲る秀作に仕上がっていました。トニー・レオン演じる男を暗殺する機会を狙い、彼に近づいて誘惑するタン・ウェイ演じる女、主にその女側の視点から二人の関係は描かれています。正体がばれるともちろん命がない中、男は果たして自分のことをどの程度疑っているのか、あるいは本当に愛してしまっているのか、その揺れ動く心理状態が実にスリルを伴って伝わってくるので、観ている方もピリピリと張り詰めた中でスクリーンに釘付け。

ラストコーション 

 

2 危険がいっぱい

命を狙われて追われているアラン・ドロン演じる青年をかくまってもらった未亡人。しかし彼女にはとんでもない秘密があったという設定なのですが、主な登場人物は4人なのですが、4人の関係や思惑が複雑に入り乱れて、その展開の行方に知らず知らず引き込まれていきます。やがて主人公は命を狙われていることを知り、それを逆手にとって未亡人に逆提案をするのですが、そこに彼女に嫉妬しているもう1人の女が絡んできて、最後の最後まで結末を読ませません。そして最後に、主人公が命を元々狙われているというところが鍵になって、一気に展開が動くのです。とにかく、4人それぞれの思惑が叶うことはあり得ず、誰が最後に思惑を実現にこぎつけるのか、愛憎入り乱れ、最後まで目が離せませんでした。

危険がいっぱい 

 

3 パッション

デ・パルマの悪女ものって、彼特有の遊び心がラブ・サスペンスにうまくはまり、観ている方も一緒に巻き込まれていくような感覚なのです。主として3人の女性が登場してきますが、被害者と加害者という単純構図でなく、3人が3人とも悪女であり、また被害者でもあるわけで、そのあたりの押したり引いたりの駆け引きがまたスリリング。先が読めたかなーと思っていたら、またちょっと捻られたりと、最後まで予断を許しません。スマートではないけれど、独特の魅力のあるラブ・サスペンスに仕上がっていました。

パッション 

 

4 愛の棘

面白いといっては不遜なのかもしれませんが、高校生の狂気の愛に惑わされ手に終えなくなってしまった教師とその妊娠中の妻の困惑から恐怖が描かれ、女生徒の気持ちがエスカレートするにしたがって、夫婦の恐怖が高まっていく様子がスリリングで目が離せない作品でした。構図としては目新しいものではないのでしょうが、思いが強くなればなるほど思い込みが狂気へと進んでいく女生徒の若さ、そしてその可愛くあどけない外見とのギャップに、観ている方も怖さを覚えるほど。この作品にも韓国映画の力強さを感じずにはいられませんでした。

 

 

5 パタフライ・エフェクト

斬新な脚本と演出と興味深い展開に結末の予想がつかず、最後までワクワクさせてくれる作品。いわゆるタイムトラベルものの一種とも言えますが、それが精神的な世界であり、一筋縄ではいかないのです。序盤の子供の頃の不思議なエピソードが、中盤以降重要な要素になって繰り返し使われる伏線となるところの持っていき方が実に上手。、過去に戻ってやり直してもそのたびに不幸な人生がやってくる皮肉がブラック的でもあり面白いです。

バタフライエフェクト 

 

6 鍵

邦画からも。限られた登場人物の中での微妙な駆け引きが実にスリリングに展開されています。漂う陰気な空気の中で、それぞれが自分勝手な思惑で自分の思うままにことを運ぼうと画策する様子が、ひとつの家族なのに相容れない緊張感があります。衰えを感じながらもお気に入りの妻に興奮し性的欲求を満たそうとする夫、そんな夫の欲求を知りながら娘の婚約者にと考えている男に溺れる妻、そんな両親をと心の中では毛嫌いし木村の下心にも気づきながらも木村と関係を続ける娘、そして財産があると踏んでうまく取り入ろうとする男。そこにお手伝いのおばあさんが重要なファクターとなって絡んできたときに、意外な結末を迎えるのです。市川監督の演出が冴えた作品でした。

 

 

7 g@me.

二転三転繰り返す展開は見事で、なかなか見応えのある作品。特に仲間がいい。気の強くなかなか自分に素直になれないお嬢様を熱演していて、ある部分現実離れした設定にリアリティを与えています。しかしそれ以上に原作の力強さに何よりも因るところが大きいでしょう。

 g@me.

 

8 めまい

ヒッチコックのなかでも「ラブ」の要素が強く出てきているサスペンス。とはいっても、最後のオチはヒッチコックらしい皮肉のこもったものになっており、ただのラブ・ミステリーでは終わらない。他の作品同様ヒロインの美女の持つ役割は大きく、本作でもキム・ノヴァクの肉感的な色気が展開を引っ張っています。愛が罪を隠そうとする気持ちに勝ってしまったことから、結局は破滅の道へと自らを落としていくことになってしまった女の哀しさが、なんともせつないのでした。

めまい 

 

9 暗くなるまでこの恋を

 身元を隠した謎の女にどんどんと惹きこまれていく男の一途さ、命を投げ出してもいいというまでの思いが、最後には女の心をも変えていくという、ある意味で究極の愛ともいえるものを描いていますが、作品としてはミステリアスでサスペンスフル。フランス映画の独特な雰囲気もあって、なかなか魅力的な作品でした。

 暗くなるまでこの恋を

 

10 陽のあたる場所

二股愛の悲劇を描く典型的なパターンで、邪魔になった女性への殺意を巡る意識がテーマとなっています。どこまでが殺意かというのは難しいですが、それに気付いて罪を償う気持ちになるまでの心の移り変わりと、それでも主人公を愛し続けるけなげな恋人に、やるせない気持ちになりました。学も富もない田舎の若者が大きなチャンスを得るが、それとともに捨てないといけないもの、それを捨てきれない胸のうち。どこか影を持った青年の役をクリフトが繊細に演じています。

 

 

11 けものみち

12 恋愛小説

13 シー・オブ・ラブ

14 ポワゾン

15 愛の渇き

16 デイジー

17 フィーリング・ミネソタ

18 そして、デブノーの森へ

19 郵便配達は二度ベルを鳴らす

20 真夜中の向う側