●サスペンス映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

サスペンス映画 ベスト10

 

今回はかなり範囲を大きくとらえてのジャンル縛り。

好きなサスペンス映画を10本に限定して選んでみました。

 

1 インファナル・アフェア

これは3部作すべてが面白いのですが、特に1作目、時間系列では2番目にあたるこの作品は、一時も目が離せないスリリングで緊張感あふれる最高のサスペンス映画になっています。とにかく先を全く予想させない息詰まる心理戦に、スクリーンに見入られてしまいました。それぞれの立場が常に動いている練られたストーリー、役にぴったりはまるキャスティング、2度もびっくりするクライマックスのエレベーターのシーン、そのどれもが優れています。確かに現実離れしているのかもしれないですが、ストーリー自体に強引なところはなく、くたびれたようなトニー・レオン演じる潜入警官と、清潔感のあるアンディ・ラウ演じる実はマフィアのスパイという二人の対比が、時々交わりながらも刻々と状況の変わる中で緊張感ある攻防を見せてくれます。これだけの力を持ったサスペンス映画はそうそう見られないでしょう。

インファナル・アフェア 

 

2 スピード

こちらもサスペンス・アクションの傑作です。オープニングでの掴み、そしてメインとなるバスのシーン、さらにそれが落着してやれやれと思ったところでの、もう一押しの電車でのシーンと、息もつかせない展開にハラハラし通し。とにかく観ている方も、実際に一緒にバスに乗って移動しているかのようなスリルを味わせてくれました。キアヌ・リーヴス、サンドラ・ブロックという二人のスターを生み出したという意味でも、大きな作品でした。

 スピード

 

3 ゴーン・ガール

とんでもないこの上ない悪女の悪行をヒリヒリとするような緊張感の中で描き切ったデヴィッド・フィンチャーの巧みな演出と構成。得意の分野になるとは思いますが、最後まで目が離せずとにかくスクリーンに釘付けでした。面白かったです。マスコミに囲まれた中で上げられたり下げられたりする主人公、さらには警察にも被害者扱いから加害者扱い、そしてまた被害者になったりと、周りに翻弄つれ続けるのですが、それでも精神バランスを崩して狂気に走ったりしない、いい意味での鈍さはベン・アフレックがぴったりとはまります。そしてすべての元凶である妻を演じるロザムンド・パイクもまたはまり役。夫をはめるつもりの予定が思わぬ横槍に会い方向転換、さらにそこで頼った男がとても自分の支配下に置けるような人間でないと判断すると、さらに計画の練り直し。まだましな夫を使って身の安全を確保。そんな妻をとんでもない悪女と認識しながらも、これまた逃げられないように仕向けられる夫。さんざん振り回された挙句に、結局は妻の思うままに転がされ続けなければならない人生。最後はゾクッとしました。

 ゴーンガール

 

4 バルカン超特急

ヒッチコックの力を見せつけられるような面白いサスペンス映画。一見コメディ風ののんびりしたホテルのシーンと、謎が発生する汽車の中でのシーンとメリハリをつけながら、次から次へと謎が、そしてサスペンスが展開する構成は見事。隠された老女を見つけるミステリーから命を狙われてからの銃撃戦を含むアクションと、サスペンス映画を盛り上げる要素が満載。しかもロマンスも盛り込みながらのハッピーエンドと、超一級の作品です。

 バルカン超特急

 

5 ラスト、コーション

激しいベッドシーンの話題ばかりが先行し、ムード重視の単なる官能ロマンス思いきや、二人の愛の物語と同時に、サスペンスとしての展開にも目を離せず、緊張感漲る秀作に仕上がっていました。トニー・レオン演じる男を暗殺する機会を狙い、彼に近づいて誘惑するタン・ウェイ演じる女、主にその女側の視点から二人の関係は描かれています。正体がばれるともちろん命がない中、男は果たして自分のことをどの程度疑っているのか、あるいは本当に愛してしまっているのか、その揺れ動く心理状態が実にスリルを伴って伝わってくるので、観ている方もピリピリと張り詰めた中でスクリーンに釘付けにされます。男の一挙一動にどんな意味が隠されているのか、女と一緒になってその言動を深読みしながら観ていると、こちらの方まで緊張感で張り裂けそうになるほどでした。

ラストコーション 

 

6 恐怖の報酬

ニトログリセンを悪路で運ぶという映画なのですが、当然ながら様々な障害が待っています。ペアを組んで2組の男たちが命がけで、喧嘩したり、協力したりしながら、誰が最後まで生き残って運びきるかというサバイバル映画でもあります。そしてこれが傑作の名に違わないサスペンスとドラマに満ちた見応えのある作品なのです。主要4人のキャラクターもきちんと描き分けられ、次々に襲ってくる困難ごとに、ハラハラドキドキ。最後にはとんでもないオチのついた結末が待ちうけており、殺人者のいないサスペンス映画としては異色かもしれませんが、最後の最後まで充分に楽しめました。

 

 

7 マルホランド・ドライブ

解説なしには理解するのが困難。それにしても強く惹かれる不思議な感覚。みごとしてやられたという気持ちが強く残る異色作品でした。物語の大部分が妄想で、現実はクライマックスの部分だけ。それでもボリューム感を感じるのは魔術としかいいようがない。とにかく難しくても面白いという異色ながら力を感じる作品でした。

 マルホランドドライブ

 

8 深夜の告白

面白い!正統派の衒いのないサスペンスながら、じりじりとするような緊張感が終始作品を支配し、未亡人の本意がどこにあるのかが最後まで掴み切れず、目が離せない展開でした。本当に愛してしまったのか、ただただ利用しているだけなのか…悪女に翻弄される保険外交員の心の揺れも繊細に表現されていて、さすがビリー・ワイルダーといったところでしょう。古い映像ということが余計にどこか不気味なムードを醸し出し、現代ではなかなか表現できない作品かもしれません。

 深夜の告白

 

9 オールド・ボーイ

強烈な展開です。重い、ある意味考えられないストーリーではあっても、そこに韓国映画の2000年代前半の勢いを感じさせられるほどの力強さを感じます。いい映画というよりも凄い映画といったほうが言葉としてはぴったりきます。最後にタネが分かると、所々伏線が張られていることに気づきます。紛失したアルバム、プレゼントに買った天使の羽‥。現実的に考えればこれだけ人が殺されたり失踪したりしながら警察が全く出てこないのは不思議なのですが、そんなことはどうでもよくなるくらいのインパクトがあることは確かでした。

 オールドボーイ

 

10 ワイルドシングス

作品としては優れた作品ではないのですが、これでもかこれでもかというほどのえげつないどんでん返しの連続。登場人物がみんな悪者で、互いに裏切り裏切られの繰り返し。さらにはセクシーシーンもきちんと織り込んでいるので、この手の品のない映画を好きな者にとっては、実はこの上ない作品になっているのがこれです。この悪趣味さは徹底していて、私は好きです。

 ワイルドシングス