●スコットランドが舞台の映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

スコットランドを舞台にした映画 ベスト10

 

1 サンシャイン 歌声が響く街 

ハートウォーミングなミュージカルで、特にラストにスコットランドの田舎町のみんなで歌い踊るシーンは素敵でした。ストーリーとしては、映画の中ではよく使われるような過去の浮気発覚騒動や結婚か夢かの選択、或いは自分の家族かパートナーの家族かという、夫婦やカップルにありがちな問題を扱い、目新しいものではありません。しかし登場人物のそれぞれみんなが自分の事、相手の事、家族の事を考え、悩み、思いやったうえでそれぞれの結論を出していく様子はとても共感できますし、それぞれが幸せになってほしいと願わずにはいられないのです。歌や踊りもそれぞれとてもキュートに演出されていて親しみの持てるもので、温かみのある作品だったと思います。

 

 

2 天使の分け前

不況にあえぐスコットランド。ケン・ローチとしては珍しい軽妙でユーモアにあふれた作品です。コメディといってもいいでしょう。決して恵まれた環境ではないし、状況としても危うい中ですが、一線を越えることなく、恋人や仲間に支えられて、いい方向に進んでいくところで、いつもよりも安心して観ることが出来ました。行ったこと自体は褒められることでないとしても、知恵と機転の利いた計画は見事であったし、なんといっても関わった全員が満足して終わるというのが素敵です。誰も損をしていないですし、傷ついていないのですよね。

天使の分け前

 

3 ブレイブ・ハート

13世紀のスコットランドを舞台にしたアクション時代劇。監督、主演を務めたメル・ギブソンの意気込みが十分に伝わってきます。スケールも大きく見応えも申し分ないのですが、悲劇的な結末がなんともいえない後味を残します。そこにわざとらしさを感じてしまうこともないではないですが、そうはいっても力作には違いありません。

 

 

4 奇跡の海

スコットランドの片田舎で暮らす夫婦のドラマ。濃い、実に濃いです。なんといってもエミリー・ワトソンの狂気と紙一重の演技は注目に値するでしょう。どこまでが愛で善意であり、どこまでが常軌を逸した行動なのか、その判断は実は観るものに委ねられていて、映画の中ではそれぞれの解釈があるだけで、明快な答はありません。宗教的な側面も色濃く出しながら、あまりに強い愛ゆえに招いてしまった悲劇の痛さを感じさせる作品。とにかくドキュメンタリーとも間違うようなリアルな生々しさで、痛烈な世界へ惹き込まれていきます。

奇跡の海 

 

5 GO NOW

スコットランドに住み、サッカーや夜遊びに呆けていた主人公が難病にかかることから始まる人間ドラマ。友人や恋人たちとの関りが心に迫るものがあります。最後は幸せな形で追われてよかったと思わせてくれるような作品。とにかく仲間たちが素敵。

GO NOW 

 

6 アンダー・ザ・スキン 種の捕食

スコットランドの街中で次々に姿を消す男たち。その裏にいるのはひとりの美女。男を襲っているシーンは抽象的観念的に描き、内容は観ている者に想像させる構成。男に声をかけては、その抽象的な描写という交互の構成はある意味単調ではあるのですが、それが恐怖と不気味さを煽っているようでもあり、独特の雰囲気を醸し出しています。そしてやがて人間的な感情を持つようになってきた途端、逆に人間の男に襲われてしまう悲劇。最後は哀切さえ感じさせられました。

 

 

7 やさしくキスをして

恋愛映画には何かしらの障害がついてくるのが普通で、この映画では宗教の違いが障害になってきます。イスラム教のパキスタン人の一家の1人息子とカトリックの女教師。相容れない2人が愛し合うようになり、家族や職場を巻き込んでの大問題にまで発展していくのです。ケン・ローチ監督としては珍しい感じの王道を行く展開ストレートな恋愛映画で、古典的だとすらいえるかもしれません。親の決めた婚約者と結婚することで愛する女性を捨てるか、愛する女性を選ぶことで家族を捨てるか、主人公の1人息子は行ったり来たりを繰り返し、観ている方は正直イライラが募ってきます。それが現実の抱える宗教の違いにおける問題なのでしょうが、映画としてはパリッとしない感じで集中力を削がれてしまいました。

やさしくキスをして 

 

8 ロブ・ロイ ロマンに生きた男 

18世紀のスコットランド。いかにも伝説の人物を描くのにぴったりな物語が繰広げられます。裏切り、駆け引き、名誉、夫婦愛、家族愛…この中で濃厚な人間ドラマ。主役のニーソンよりも、彼を支える気丈な妻のラングや卑劣な悪役に徹したロスの存在感が目立つ印象ではありました。

 ロブロイ夢に生きた男

 

9 ウォーター・ホース

子供たちが夢を持てるように、本当にネッシーに代表される伝説の怪獣が存在しますように、そんな思いが込められているようにも感じられます。少年とクルーソーと名づけられた伝説の生き物ウォーター・ホースとの交流も実にやさしく描かれ、戦争を続ける大人たちと対比させることで、それが純粋で美しいものとして分かりやすく強調され、もし自分が子供であったら、瞳をキラキラさせて夢中にスクリーンを観ていたかもしれません。

 

 

10 フィルス

スコットランド警察の刑事を演じるジェームズ・マカヴォイの熱演は目立ちますが、観ている方まで錯乱してしまいそうな目まぐるしい映像は、観ていて疲れます。到底共感できる主人公でもなく、変な人物ばかりが登場し、嫌悪感しか持てない内容では、限界があります。