ナンセンスコメディ 邦画編 ベスト10
現実にはありえないシュールな世界を表現した日本映画の特集。
1 SURVIVE STYLE5+
出てくる登場人物がとんでもなく変な奴ばかり。岸部一徳演じる鳥男、森下能幸演じるホモ男、、三浦友和演じる人を食ったようなおとぼけ医師、観客に催眠術をたけた状態で殺される阿部寛、そしてわざわざ主演したヴイニー・ジョーンズ。とにかく著名俳優たちがまじめに馬鹿馬鹿しいことに取組んでいるのがとにかく可笑しいのです。
2 イン・ザ・プール
病院の神経科に勤務する松尾スズキ演じる医師がとにかくめちゃくちゃ。そこにやってくる患者もまたへんてこりんな奴ばかり。扱っている病気そのものは、真剣に悩んでいるものにとっては決して笑える病気ではないのだが、それを病気そのものとは別の部分で茶化してしまう器量がなかなかたいしたもの。馬鹿馬鹿しい。
3 東京ゾンビ
ナンセンスでシュール、それでいて愛のいっぱいつまった面白い映画です。一旦だれる箇所もあるのですが、きちんとしたオチもついて、ゆるいだけでなくしまりのある作品になっています。力の抜けた浅野忠信がなかなか良く、哀川とのコンビネーションも絶妙。東京がゾンビだらけになって、一部の金持ちだけが塀の中で暮らし、ゾンビと人間との対決を見て楽しんでいる未来図は、下手なゾンビ映画よりよっぽど面白いです。
4 スマグラー お前の未来を運べ
100%石井克人というところ。執拗な拷問シーンなど、面白さと嫌悪感が紙一重のところでしたが、配役の妙と各俳優の熱演で、私の場合は「面白い」の方に今回は振れたみたいです。メインのキャストについては、やはり役柄のイメージに合った俳優を堅実に配していますし、それぞれがきちんと役目を果たしていました。高嶋政宏の怪演が強烈。
5 ウィークエンド・シャッフル
のどかな週末、幸せなそうな一家に起きた狂言誘拐。それをきっかけに男も女も家族も泥棒も入り混じっての、狂気、エロ、風刺、等々なんでもありのドタバタ劇の開始。秋吉久美子、池波志乃、秋川リサといった有名女優がこんな作品(失礼ながら)に体張っていて、とにかく圧倒されます。
6 ララピポ
現代の東京に住むどこか病んだ人々の群像劇。風俗のスカウトマン、売れないライター、自分のセックスをデブ専DVDとして売りさばく女、風俗で働きだしたデパガ、カラオケボックで働くオタク青年などなど…。一見関係のない6人がひとつの運命に向かって突っ走っていきます。品がなく好き嫌いは分かれるでしょうが、ナンセンスのオンパレード。
7 鈍獣
この手のナンセンス・コメディはある一線を越えると、異様に腹立たしいだけの作品になる危険性を秘めているのですが、そのあたりはクドカンの技術なのか、あるいは監督の演出のセンスか、ギリギリの線で許せて笑えるところに落ち着かせている印象を受けました。不死身の「凸やん」を演じる浅野忠信のひょうひょうとした演技が絶妙
8 図鑑に載ってない虫
ナンセンスではありますが、中身はギャグの小技のオンパレード。仮死体験をするのに必要な幻の虫を捜し求めて奔走するという、馬鹿げたありえないストーリーなので、一度振り落とされるとついていくのは大変かもしれません。とにかくキャストがバラエティに富んでいまして、普段はシリアスものしかほとんど出てこない伊勢谷友介から、当時アカデミー賞で話題になったばかりの菊池凛子、そして個性派松尾スズキに、水野美紀のイメージを崩したお下劣シーン、バイプレイヤーの諸氏の面々と、多士済々。
9 大日本人
お笑い芸人が作ったナンセンスなコメディと単純に見れば、個性がきちんと現れていて、これはこれでよろしいのではないでしょうか。松本人志が自分の得意分野で勝負したコントの延長として観れば、これはこれで世白いのではないかと。
10 コアラ課長
真面目にこの馬鹿馬鹿しい芝居をやり切ることがこの映画のミソ。普通の会社を舞台にした話がとんでもない方向へ飛んで飛んで飛びまくって、ストーリーはめちゃくちゃ、でも野村宏伸をはじめとする出演者の演技は大真面目。その大真面目さを笑ってほしいという狙いなのでしょう。しょーもない映画ですが、発想だけは買えます。