●フランソワ・トリュフォー 出演映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

フランソワ・トリュフォー 監督映画 ベスト10

 

ついにというかフランス映画の代表的名匠をとりあげてみました。

あまり一般的な順ではないと思うので、

参考にはならないかも。

 

 

1 恋のエチュード

2人の姉妹との間に揺れながら、一方では別の男と遊びまわる主人公。本当に大事なものに気づいたときには時既に遅く、相手に強く求められているときには自分が逃げ、自分が求めると逃げられ…。気持ちがすれ違ったまま結局結ばれることがなかった恋愛模様を、皮肉とおかし味を持って描いています。主演のジャン・ピエール・レオーの終始一貫とした無表情に、男の悲哀と男の浅はかさの双方を感じ、自分勝手で遊び人の主人公であっても、どこか愛おしくなってしまう不思議に魅力的なキャラクターは、トリュフォー監督のさすがの味付け。

 恋のエチュード

 

2 暗くなるまでこの恋を

身元を隠した謎の女にどんどんと惹きこまれていく男の一途さ、命を投げ出してもいいというまでの思いが、最後には女の心をも変えていくという、ある意味で究極の愛ともいえるものを描いていますが、作品としてはミステリアスでサスペンスフル。フランス映画の独特な雰囲気もあって、なかなか魅力的な作品でした。

暗くなるまでこの恋を 

 

3 日曜日が待ち遠しい! 

本格的なサスペンス・ミステリー作品となっていますが、これがトリュフォーの遺作でもあるのです。モノクロの映像でフィルム・ノワールの雰囲気を前面に押し出して、60年代風のタッチを表現。ファニー・アルダンが活動的な女性秘書を好演しています。

 日曜日は待ち遠しい

 

4 突然炎のごとく

男側からみると、ジャンヌ・モロー演じるカトリーヌに対して怒りを覚える以上に、二人の男の軟弱さが見るに耐えないといった気持ちを持ってしまうのですが…。今見ても古さを感じないことからも、この男女関係の描かれ方は斬新だったであろうことは想像できるのですが、それにしても勝手な女に振り回されすぎで自分というものがなく、しかもその女を賞賛しているとは‥。でもそれがまた面白いのです。

突然炎のごとく 

 

5 ピアニストを撃て

展開が速く、しかも登場人物たちがそれぞれの役割を果たしていて、緊張感のあるサスペンス・ラブストーリーになっています。華やかかつ悲しい過去を背負って廃退的に生きている主人公をアズナブールが好演し、彼を取り囲む女優たちが色を添えていました。

ピアニストを撃て

 

6 隣の女

重い恋愛劇。偶然が運命を狂わしたのか、運命が偶然を装ったのか、そんな悲劇の結末の過程を追っています。特に最後の夫人のセリフ「あなたが居ると苦しすぎる。いないと生きていけない」という語りが印象に残りました。

隣の女

 しあわせの雨傘

 

7 私のように美しい娘

社会学者が、刑務所で研究の為に出会った女の男遍歴と生い立ちを聞いていく中で、のめりこみ逆に利用され、最後は無実の罪で収監される過程をブラック調に描いた作品。なかなか凝っていて面白かったです。

私のように美しい女 

 

8 夜霧の恋人たち

トリュフォーの自叙伝的な作品ということで、どこかとぼけた味わいのある暖かい作品。色んな女性に手を出しながら、しかも調査の依頼主の夫人にまで手をつけるという、とんでもないことをしながらもどこか憎めない雰囲気が主人公にはあります。

夜霧の恋人たち

 

9 あこがれ

恋に目覚め年上の綺麗な女性にあこがれる気持ちを持ち始めた悪ガキ少年たち、しかしそれを恋とも気づかずに、その女性と恋人にいたずらを繰り返す様子がノスタルジックに映し出されています。そして悲劇的な結末が、彼ら自身の責任でなくても、それが少年期の傷となって残っていることが感傷的に語られるのです。モノクロながら、日差しの中を女性が自転車を楽しそうに漕いでいくシーンがなんともいえず眩しさを放ち、強く印象に残る映像に仕上げています。

あこがれ

 

10 黒衣の花嫁

 ミステリーものとしては明かされてしまえばどうということもない謎で、最後のオチも読めてしまうところもあり、完成度としては決して高くはないとは思うが、それでも相対的にはそこそこ楽しめる作品にはなっています。ジャンヌ・モロー演じる後悔もためらいもない女殺人犯の存在がすべて。

黒衣の花嫁

 

次点 アントワーヌとコレット 〈二十歳の恋〉より