夏木マリ 出演映画 ベスト10
強烈な存在感で独自の地位を築いている夏木マリさんをとりあげます。
映画の中では、母親役だったり、おばあさん役だったりが多いです。
1 陽だまりの彼女
とにかく二人がきれいに撮れているというのが一番。こうしたラブストーリーでは、恋する二人を奇麗に撮るということは重要なことだと思いますし、その部分でまずは成功といえるでしょう。特に上野樹里は、これまでのどの作品よりも奇麗に撮れていたと思います。映像だけでなく音楽のセンスもよく、うまくスクリーンに惹きつけながら、ファンタジーの世界に入り込ませてくれました。夏木さんは猫屋敷のおはばの役。
2 シュガー&スパイス 風味絶佳
でも分かります。柳楽優弥と沢尻エリカのキャラクターが生かされていて、等身大のラブストーリーが展開されています。下手にハッピーエンドでまとめた映画なんかよりも、こちらの結末のほうがよっぽどリアリティもあるし、共感もできます。男の子側からの気持ちは痛いほど伝わりますし、女の子側の行動も理解ができるのです。最後にグッときてしまいました。柳楽優弥演じる主人公のかっこいいおばあさんを夏木マリが演じています。
3 ピンポン
キャラクターは漫画チックで、高校生にしてはごついライバルなど、漫画の中にしか存在し得ないであろうキャラクターをそれぞれの俳優がなりきって演じています。卓球という映画ではまともに扱われることの少ないスポーツにスポットを当てている点では当時新鮮でした。卓球場のオババ役で夏木マリは登場。
4 男はつらいよ 寅次郎紅の花
男はつらいよシリーズでは、吉岡秀隆のガールフレンド役の後藤久美子の母親役で、何作か続けて出演しています。48作目の最終作に当たる本作は、やはり終わりを意識したようなラストになっていて、浅丘ルリ子のリリーさんに加えて、何作かぶりに後藤久美子も登場。寅さんと満男の恋の行方にもキリをつけようというところでの大団円的なしめくくりは、なんか嬉しいような寂しいようなそんな気持ちになりました。
5 男はつらいよ 寅次郎の告白
3作続けての満男と泉の応援物語となり、寅さんの恋話はほどほど。爽やかな二人の魅力を前面に押し出して、マンネリを打破していこうという意図があったのかもしれないですね。夏木マリ演じる母親との喧嘩も収まる形で収まってめでたしめでたし。二人が手をつなぐラストシーンが印象的。シリーズ44作目。
6 鬼龍院花子の生涯
まだ新人の頃の夏目雅子の大胆な演技が話題になった作品ですが、夏木さんも負けていません。鬼龍院家の養女となったヒロインの波乱万丈の人生を描いています。いかにも夏木さんらしい気性の荒い役どころ。
7 男はつらいよ ぼくの伯父さん
今回は完全に吉岡秀隆が主役の回といった感じで、寅さんもすっかり甥っ子のサポートに回るという役どころ。後藤久美子の初々しさが印象的。そのまま芸能界に居続けたらと思わずにはいられませんでした。42作目、夏木さんがシリーズ初登場。
8 男はつらいよ 寅次郎の青春
数作続く後藤久美子と吉岡秀隆との恋物語も今作で一旦落ち着くというような結末の一方、寅さんの恋物語はさほど大きな騒動にはならずに、サイドストーリー程度の展開。大怪我騒動はあったものの、暖かく甥っ子を見つめるという視点での作品で、寅さんもそろそろ自分の恋にうつつを抜かしているような年ではなくなっているということなのでしょうね。
9 男はつらいよ 寅次郎の休日
前作に続いて、いやそれ以上に満男をフューチャーした回になっており、寅さんはもう脇役で若い二人を応援する側に回っています。これもやはり年齢的なことがあるのでしょう。後藤久美子演じる満男のガールフレンドの両親との関係が軸となったストーリー展開で、シリーズの変化を感じる部分も大きかったです。
10 パーマネント野ばら
主人公を取り巻く人々の優しさが素敵な作品です。田舎町の風景と菅野美穂演じる主人公のどこかおっとりした雰囲気がマッチして、不思議な心地よさを感じました。そのお母さんを演じたのが夏木マリ。
半数が寅さんシリーズとなって、バラエティ豊かではなくなってしまったので、10位を同点で争った作品として『北の螢』『チルソクの夏』『SF・サムライ・フィクション』の3作を挙げておきます。