ジェームズ・コバーン 出演映画 ベスト10
故人である野性的な風貌の個性的な名優をとりあげます。
1 シャレード
謎の男に振りまわされる未亡人を観ていると、こっちの方まで振り回されていきます。どんでん返しが最後に二つも用意されていて、徹底的に観客を騙すことに力を注いでいるのが楽しい。またヘプバーンの赤や黄色の衣裳を観ているのも、カラーの利点を最大限に生かし、ストーリーとは別の部分での見所も作ってくれていてサービスいっぱいの映画であるのです。コバーン謎の3人組のひとり。
2 シーラ号の謎
ちょっとしたゲーム感覚で楽しめる工夫を凝らした作品です。なかなか面白かったです。集められた6人の映画関係者の中に犯人がいるとして、主催者が最後に謎解きをまとめて明かすかと思いきや、意外にも途中で死んでしまい、最後まで展開が分からないという先の読めない筋がなかなかのもの。集められた一人である映画監督をコバーンが務めています。
3 大脱走
脱走劇を小気味よいテンポで追っている快作です。史実に基づいているだけに、つくりものっぽさがなくていい。現実的にみえないものも、本当だときくと驚嘆の気持ちを帯びてくるものです。コバーンは囚人の一人を熱演。
4 白い刻印
冬の貧しい町で起こったある事故をきっかけに、破滅へと転落していく男の生き様がなんとも切ない。芸達者が揃い、重みのあるドラマにリアリティを与えているが、中でも当作でオスカー獲得のコバーンの存在感は大きい。だめ夫でだめ父親ぶりのノルティも熱演。
5 弾丸を噛め
700マイルもの距離を、馬を使って走って競争する賞金付マラソンレースの様子を映画にしてしまったという異色の作品。8人の老若男女がそれぞれの思いでそれぞれに抱えるものを賭けて走る中に、人生の酸い・甘いが盛り込まれ、単なるアクションだけに終わらないドラマが盛り込まれています。人生の思い通りにはいかない悲哀と、それでもいいこともある楽しさ、そんなものも感じられてほろっとしたりもします。ジーン・ハックマンとジェームズ・コバーン演じる2人の男の奇妙な友情も見所です。
6 荒野の七人
村を守るために雇われた七人の男が,敵や村人の弱気と戦いながら,友情を深めて行く西部劇の名作。ジェームズ・コバ―ンはナイフ使いの名人で登場。
7 ミッドウェイ
真珠湾攻撃で開戦され、不意打ち莉形で先手を取った日本軍ですが、間もなく劣勢に追いやられていきます。その大きな転機となったミッドウェイ海戦を描いた戦争映画です。コバーンは大佐役。
8 マーヴェリック
コメディタッチの時代劇はこの手の作品には珍しいジョディ・フォスターが軽妙な演技。基本的にはギャンブル映画で、どんなどんでん返しが待っているかがポイントになるわけですが、そこらあたりは可もなく不可もなくというレベル。途中ちょっとした騙しのシーンも混ぜながら、詐欺師だかガンマンだかギャンブラーだか、どれともつかない活躍ぶりを見せました。コバーンはポーカー大会の主催者。
9 戦争のはらわた
第二次世界大戦のロシア戦線でのドイツ人の必死な傍線を描いた戦争映画。抜群の戦闘能力を持つ伍長役でジェームズ・コバーンは出演。
10 ビリー・ザ・キッド/21才の生涯
クールに次々に人を殺していくビリー・ザ・キッドと、追うギャレット(コバーン)。出だしは派手で好調なのですが、キッドが逃げ出した後からラストにいたるまでは、お互いが出くわすことはなく、淡々と人が殺されていくシーンが流れていき、なんともいえない不気味さだけが漂ってきます。感情的になるわけでもなく、殺しを正当化するわけでもなく、ご飯を食べるのと同じように簡単に人を殺していくビリー・ザ・キッドの描かれ方にはゾッとさえするのですが、追う方もまた追う方なのです。