●マイク・ニコルズ 監督映画 ベスト10 | 映画いろいろベスト10 + 似顔絵

映画いろいろベスト10 + 似顔絵

まったくの独断で選んだ映画10作品。
ペイントでの似顔絵もやっています。

マイク・ニコルズ 監督映画 ベスト10




2年前に没したマイク・ニコルズ監督を取り上げます。

どこか斜に構えた目線を作品に感じることが多いですが

個性的な作品がラインアップに連なります。




1 クローサー

ジュリア・ロバーツ、ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマン、クライヴ・オーウェンの4人の俳優による大人の恋愛心理アンサンブル。それぞれが複雑に絡み合い、展開のスピードも緩急組み合わせることにより、独特の雰囲気を生み出しています。ロバーツの冷めた感、ロウの自然体、オーウェンの濃厚さ、ポートマンの力演と対照の妙によりそれぞれが気持ちと行動とのずれが繊細に映し出されスリリングです。


クローサー



2 ワーキング・ガール

マイク・ニコルズの作品の中ではストレートに物事を描いた快活で分かりやすい映画になっています。秘書が女上司の裏切りに奮起して、一旦は逆襲にあいながらも上り詰めていくさまを、ロマンスや友情をからめながら生き生きと描いています。エンディングまでの流れもサクセスストーリーの典型。


ワーキングガール



3 卒業

いうまでもなくマイク・ニコルズの代表作。もちろん結婚式で花嫁を連れて逃げるシーンは有名なのですが、このシーン自体はこの時点で二番煎じ的。それよりも1960年代半ばから後半という時代の、どっちつかずのけだるいムードが、ダスティン・ホフマン演じる青春期の終焉時の迷いとも重なって、何とも言い難い雰囲気を作り出しているところに、この作品のオリジナリティを感じます。もちろん音楽も調和してこそですが。


卒業



4 バードケージ

舞台からの映画化作品ですが、映画としても「Mr.レディMr.マダム」のリメイクということになります。それでも両親がおかまというのを隠すために一芝居うつが、どんどん深みにはまっていく過程が爆笑ですし、あまりにベタな展開と思いつつも、細かい細工が冴えていて、ついつい笑ってしまうのです。ニコルズ監督のコメディのセンスを感じる作品でした。


バードケージ



5 パーフェクト・カップル

ジョン・トラヴォルタ演じる大統領選挙に出馬した主人公と当時のビル・クリントン大統領が完全に重なってくる政治の裏側を風刺した作品です。物語のとしてはやや緩慢な感もありますが、当時の政界や世相に斬り込んだ毒の強さと、なんともいえない後味の悪さが印象に残ります。


パーフェクトカップル



6 ハリウッドにくちづけ

ハリウッドを舞台にメリル・ストリープ演じる中堅女優とシャーリー・マクレーン演じるその母との親子喧嘩を中心に描いたドラマです。ハリウッドの裏側も観られてその点では興味深い部分も多かったです。2人以外にも実力派俳優が揃い、なかなか豪華なキャストとなっています。


ハリウッドにくちづけ



7 心の旅

強盗に襲われて記憶喪失になってしまった弁護士でしたが、その悲劇を機会にそれまでないがしろにしてきた家族との絆を強めていく中でも人間性を取り戻していくというヒューマンドラマです。弁護士を演じるハリソン・フォードのための映画という感もしますが…


心の旅



8 ブルースが聞こえる

軍隊の訓練所で厳しい特訓を受ける毎日を送る若者たちの休日、そして上官とのある事件、やがて迎える終戦と、ノスタルジックな雰囲気で第二次世界大戦終戦間際のアメリカを描いています。上官たちも厳しいながらもどこか人間臭さがあって、最後の数年後の近況描写も合わせ、懐古的な作品になっています。


ブルースが聞こえる



9 愛の狩人

対照的な大学生の愛とセックス、そして彼らの20年後を描いた作品です。テーマもさることながら、インタビューを受けているような上半身アップでの語りのシーンの多用など、当時としては思い切った作品ではなかったでしょうか。


愛の狩人



10 心みだれて

メリル・ストリープとジャック・ニコルソン演じる夫婦の結婚から離婚までを、妻の視点から追っている夫婦崩壊映画です。ありがちな夫婦の話を、個性的な二人の俳優がさりげなく演じているのはさすが実力者。



心みだれて